2013年08月21日

[東京都江東区]区の地下鉄新線計画、事業化の詳細発表。需要予測は「加算運賃なし」、収支予測は「加算運賃が前提」の矛盾

 東京都江東区が、東京メトロ有楽町線を延伸させる形で、豊洲−住吉間に新線建設の事業化を検討している件で、同区は事業化計画の詳細を発表した。
 それによると、現在はほぼ頓挫している東京8号線にあたるもので、有楽町線の豊洲から北に分岐して、住吉まで延ばす。路線延長は5.2キロで、途中駅は、枝川地区周辺と東陽町(メトロ東西線接続)、千石・千田周辺の3カ所を想定している。
 上下分離方式を採用し、運行は東京メトロが担当。一部は有楽町線と直通させる。運行本数は、有楽町線市ヶ谷−住吉が毎時4本、豊洲−住吉の線内運転が4本(ピーク時は8本)を想定。メトロの運賃体系が適用された場合の需要予測では、輸送人員は約26万人/日としている。住吉側での半蔵門線の直通については、半蔵門線の設備や容量の問題から考慮しないという。
 試算によると、東京メトロ東西線の混雑が緩和され、最混雑区間の混雑率は2011年の199%(門前仲町−木場間)から、184%(茅場町−門前仲町間)になるという。
 建設費は1260億円と概算。この回収ができるかどうかの収支予測では、いくつか例が示されているが、もっとも代表的なプランでは、新線区間の利用者に70円の加算運賃を課す。この場合は、開業後29年で累積赤字が解消されるという。加算運賃の徴収には、住吉や東陽町に中間改札を設ける考えだ。ほかの方法として、メトロ全体で運賃を上げるという
 ここから私見。報告を見て、疑問がいくつもあります。まず、需要予測の「26万人/日」は、現行のメトロ運賃体系と同じという前提で立てられていますが、収支予測では現行の運賃体系を維持したままでは累積赤字は解消されない(発散)として、事業化する場合は加算運賃を取る案を示しています。その上で、「利便性低下への対処が必要」とお茶を濁していて、つじつまがあいません。メトロの運賃体系に丸乗りしているのも、あまりに調子が良く、加算運賃が70円といいつつ、このルートができることで短絡できることになれば、利用者負担は0〜40円増で済むとしていて、つまりこれは要するに東京メトロとしては運賃収入は減少するということ。
 それでもメトロ側にメリットがあるとすれば「東西線の混雑緩和」。ただ、需要予測では東陽町で毎日10万人が乗り換えるとしていますが、加算運賃があれば、それを下回ることは明白です。そもそも、加算運賃がある前提で、需要予測を出し直すことが必要だと思います。

http://www.city.koto.lg.jp/seikatsu/toshiseibi/53208/53247/file/H24summeryA1.pdf
タグ:東京メトロ
posted by Uchio at 21:16 | Comment(51) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [東京都江東区]区の地下鉄新線計画、事業化の詳細発表。需要予測は「加算運賃なし」、収支予測は「加算運賃が前提」の矛盾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする