時事通信によると、東京都大田区は、東急多摩川線と京急空港線をそれぞれ延伸して接続する「蒲蒲線」計画について、東急多摩川線を京急蒲田駅まで延伸する案の検討を始める。2020年の東京五輪に間に合わせるための案だという。
これまでの「蒲蒲線」計画は、京急空港線・大鳥居付近で分岐し、東急蒲田まで地下を走る新路線を建設し、同一ホームで東急と京急の乗り換えができるようにする計画だった。京急からすると、品川・横浜の両方向とも異なる第3の方向になってダイヤが複雑になる上、そもそも距離が短くて収入の上は不利で、メリットがなく、また乗客側からみても、同一ホームとはいえ乗り換えが必要ないまいちさもあって、これまで具体的な進捗はなかった。
今回の案では、2020年までに、東急多摩川線を京急蒲田駅直下の新駅(計画上の仮称は南蒲田)まで延伸する。空港へ向かう客は、京急蒲田から京急線に乗り換えることになる。京急側からの延伸は五輪後に行う考えだ。
建設通信新聞によると、大田区は都市鉄道利便増進事業(国と地方自治体が3分の1ずつ負担するスキーム)での整備を検討。国や都、東急、京急などに合意を求めた上で、今年度末をめどに整備計画の策定をするという。
ここから私見。京急ではなく、東急を延伸するというのはこれまでの計画に比べると、だいぶ現実的になったと言えるでしょう。京急に比べると積極的な東急側の延伸というのがミソですね。ただ、渋谷、新宿、池袋の人が羽田アクセスとしてこのルートを使うかというと、運賃や本数、乗り換えしやすさを考えると、品川経由になりますよね。とすると、東急沿線(と直通する西武、東武沿線)にメリットは限られますね。
それにしても、五輪に向けた羽田アクセスという話題でありながら、大田区の新案がほとんど報道されないのは、蒲蒲線自体の注目度の低さなのか、国や都がこの計画を本気でとらえていないからなのか、どうなんでしょう。
(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2014072600183
(建設通信新聞)
http://www.kensetsunews.com/?p=35316
この情報は、快速++さんからいただきました。ありがとうございました。
2014年07月28日
[近鉄]宇治山田発着の急行の大半が五十鈴川に延長、9/21にダイヤ改正
近畿日本鉄道(近鉄)は2014年9月21日にダイヤ改正を行う。
一般列車の変更点としては、宇治山田発着の快速急行・急行の大半が、五十鈴川まで延長される。現行ダイヤで名古屋−宇治山田間、上本町−宇治山田間の日中の急行はほぼ五十鈴川発着となる。
長野線では、平日朝ラッシュ時に河内長野始発の準急2本が急行になる。代わりに、富田林始発の急行2本が準急になる。
そのほか、大阪線、奈良線、京都線、南大阪線、長野線で、1〜3本の増発がある。
特急列車では、宇治山田発着の日中の特急が、五十鈴川まで延長される。また、高の原、古市への停車本数が増える。京都発着の「しまかぜ」は、10月10日から運行開始する。
(近鉄リリース)
http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/daiyahenkou2.pdf
この情報は、アスペンさん、akiさんから教えていただきました。ありがとうございました。
一般列車の変更点としては、宇治山田発着の快速急行・急行の大半が、五十鈴川まで延長される。現行ダイヤで名古屋−宇治山田間、上本町−宇治山田間の日中の急行はほぼ五十鈴川発着となる。
長野線では、平日朝ラッシュ時に河内長野始発の準急2本が急行になる。代わりに、富田林始発の急行2本が準急になる。
そのほか、大阪線、奈良線、京都線、南大阪線、長野線で、1〜3本の増発がある。
特急列車では、宇治山田発着の日中の特急が、五十鈴川まで延長される。また、高の原、古市への停車本数が増える。京都発着の「しまかぜ」は、10月10日から運行開始する。
(近鉄リリース)
http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/daiyahenkou2.pdf
この情報は、アスペンさん、akiさんから教えていただきました。ありがとうございました。
タグ:近鉄
2014年07月18日
[JR東日本]羽田新線、国と都に2000億円負担求める。埼京線、京葉線にも直通
JR東日本の羽田空港新線計画について、日経新聞をはじめとする報道各社が、これまで明らかになっていなかった詳細を相次いで報じた。
それによると、新線は東海道貨物線を一部利用する一方で、さらに3つの区間を新規に建設する。大井埠頭付近から羽田空港までの地下線と、田町付近で東海道線に接続するための地下線、さらに東京臨海高速鉄道りんかい線の大井町駅と接続する地下線だ。東海道線のほか、りんかい線の両方向に接続し、埼京線や京葉線とも直通可能にするちう。所要時間は、東京−羽田間は18分、新宿−羽田間は23分としている。開通目標は、2025年ごろ。
建設費用については、3000〜4000億円と見積もっていることが明らかになった。JRは、国と都に3分の1ずつの負担を求める前提で、今後協議をするという。ただし、朝日新聞によると現時点では、都は説明を受けただけの状態で、国交省ではこの件についての検討が始まってもいないという。年間2800万人の利用を想定している。
ここから私見。JR東日本の単独事業を期待するのは虫が良すぎる話かもしれませんが、3分の2を国と都に負担させる前提だったというのはちょっと残念です。これだけの額となると、そう簡単に国も都もウンとは言わないでしょう。特に、国交省が進める羽田・成田直結線(都営浅草線バイパスルート)とは、ガチンコ対決になりそうですね(両方とも作るということはさすがにないでしょう)。国交省案は、東京駅周辺に用がある人以外にはいまいち利便性向上が期待できない一方で、JR案は羽田のみではありますが広い地域で、利便性向上が期待できます。ただ、国交省が掲げる「羽田と成田の一体運用」という建前は吹き飛んでしまいます。千葉県から反発が来そうですが、それをみこして、京葉線への直通も盛り込んだのかもしれませんね。
ただ、最大4000億円という費用の元は取れるのか。JRの試算通り年間2800万人だった場合、一人当たりの運賃平均単価(この新線部分のみ)を500円とすると、収入は140億円になります。利子も考えればとても間に合いませんから、もうちょっと高めでしょうか。
そもそも、ダイヤという観点でみると、これだけネットワークを広げた羽田新線は、宇都宮線、高崎線、常磐線、埼京線、京葉線の各線からの直通列車が走ることになります。そこもどうなることやらですね。
(日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF1400B_U4A710C1MM8000/
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG7H3SCZG7HUTIL01R.html
この情報は、akiさん、くろださんからいただきました。ありがとうございました。
それによると、新線は東海道貨物線を一部利用する一方で、さらに3つの区間を新規に建設する。大井埠頭付近から羽田空港までの地下線と、田町付近で東海道線に接続するための地下線、さらに東京臨海高速鉄道りんかい線の大井町駅と接続する地下線だ。東海道線のほか、りんかい線の両方向に接続し、埼京線や京葉線とも直通可能にするちう。所要時間は、東京−羽田間は18分、新宿−羽田間は23分としている。開通目標は、2025年ごろ。
建設費用については、3000〜4000億円と見積もっていることが明らかになった。JRは、国と都に3分の1ずつの負担を求める前提で、今後協議をするという。ただし、朝日新聞によると現時点では、都は説明を受けただけの状態で、国交省ではこの件についての検討が始まってもいないという。年間2800万人の利用を想定している。
ここから私見。JR東日本の単独事業を期待するのは虫が良すぎる話かもしれませんが、3分の2を国と都に負担させる前提だったというのはちょっと残念です。これだけの額となると、そう簡単に国も都もウンとは言わないでしょう。特に、国交省が進める羽田・成田直結線(都営浅草線バイパスルート)とは、ガチンコ対決になりそうですね(両方とも作るということはさすがにないでしょう)。国交省案は、東京駅周辺に用がある人以外にはいまいち利便性向上が期待できない一方で、JR案は羽田のみではありますが広い地域で、利便性向上が期待できます。ただ、国交省が掲げる「羽田と成田の一体運用」という建前は吹き飛んでしまいます。千葉県から反発が来そうですが、それをみこして、京葉線への直通も盛り込んだのかもしれませんね。
ただ、最大4000億円という費用の元は取れるのか。JRの試算通り年間2800万人だった場合、一人当たりの運賃平均単価(この新線部分のみ)を500円とすると、収入は140億円になります。利子も考えればとても間に合いませんから、もうちょっと高めでしょうか。
そもそも、ダイヤという観点でみると、これだけネットワークを広げた羽田新線は、宇都宮線、高崎線、常磐線、埼京線、京葉線の各線からの直通列車が走ることになります。そこもどうなることやらですね。
(日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF1400B_U4A710C1MM8000/
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG7H3SCZG7HUTIL01R.html
この情報は、akiさん、くろださんからいただきました。ありがとうございました。
2014年07月11日
[JR東日本]上野東京ライン(東北縦貫線)の運転計画、秋にも発表?常磐線快速との直通頻度は
JR東日本が2015年春に開業を予定している上野東京ライン(東北縦貫線)。開業ダイヤが今年中に発表されることになるとみられるが、宇都宮線、高崎線、常磐線という各線からの直通列車の本数がどう割り振られるかが焦点だ。
JR東日本は2002年のプレスリリースで、朝ラッシュ時については、「直通列車の混雑等を勘案し、宇都宮・高崎線からの乗り入れを基本とします」と発表している。このことから当初は、常磐線については、特急(ひたち系列)が中心と認識されていた。ただ、最近はそういった方向とは逆の報道も目立ってきた。
今年2月の朝日新聞では、3線との直通列車の本数について、JR東日本の幹部は取材に対して、「利用実績をもとに割り振る。利用実績は調査中」と応えたという。
また、茨城新聞は5月、国土交通省幹部の発言として「利用実績で割り振るのが基本だが、北関東から南関東へ抜ける湘南新宿ラインのような路線がないこともあり、常磐線はかなりの本数が入るだろう」と報じた。
2002年とはだいぶ状況も異なる。当時、湘南新宿ラインは走り始めたばかりで本数は少なかった。池袋駅の改良工事などもあり、ラッシュ時にも多くの便が運行されるようになった。一方の常磐線はその後、つくばエクスプレスの開業で乗客が減り、対応策として特別快速を新設するてこ入れを迫られている。
とはいえ、常磐線には他2線にはないハンデがある。取手以北が交流であり、東海道線とは車両もだいぶ異なる。
毎日新聞によると、茨城県南部(土浦市周辺)の自治体でつくる「県南常磐線輸送力増強期成同盟会」の総会が今年6月26日に開かれ、その席でJR東日本水戸支社の企画室長が、運転計画の発表時期について「秋ごろには発表できる」と回答した。ただしその後、支社から発言撤回の要請があったという。
常陽新聞によると、この総会で企画室長は、常磐線の直通本数を聞かれて「発表できるものではない」としながら、「個人的見解」として「18本より多く乗り入れるのかなと思う」と述べたという。なお、「18本」が、何を指すのかは一切記事には触れられていない。
ここから私見。上野東京ラインのダイヤ計画がどうなっているか、ここのところの報道をまとめてみました。やはり、危機感を持ち、運動を続けてきた茨城県側の報道が目立ちます。しかし、水戸支社の「秋には発表」というフライング発言は、常磐線にとって悪い話ではなさそうな雰囲気が取れますね。そうだとしても、JR東日本は、運用の制約をどうするのか、気になるところです。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG1X6HWDG1XUJHB018.html
(茨城新聞)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14003373840061
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20140627ddlk08020136000c.html
(常陽新聞)
http://joyonews.jp/article/3937.html
JR東日本は2002年のプレスリリースで、朝ラッシュ時については、「直通列車の混雑等を勘案し、宇都宮・高崎線からの乗り入れを基本とします」と発表している。このことから当初は、常磐線については、特急(ひたち系列)が中心と認識されていた。ただ、最近はそういった方向とは逆の報道も目立ってきた。
今年2月の朝日新聞では、3線との直通列車の本数について、JR東日本の幹部は取材に対して、「利用実績をもとに割り振る。利用実績は調査中」と応えたという。
また、茨城新聞は5月、国土交通省幹部の発言として「利用実績で割り振るのが基本だが、北関東から南関東へ抜ける湘南新宿ラインのような路線がないこともあり、常磐線はかなりの本数が入るだろう」と報じた。
2002年とはだいぶ状況も異なる。当時、湘南新宿ラインは走り始めたばかりで本数は少なかった。池袋駅の改良工事などもあり、ラッシュ時にも多くの便が運行されるようになった。一方の常磐線はその後、つくばエクスプレスの開業で乗客が減り、対応策として特別快速を新設するてこ入れを迫られている。
とはいえ、常磐線には他2線にはないハンデがある。取手以北が交流であり、東海道線とは車両もだいぶ異なる。
毎日新聞によると、茨城県南部(土浦市周辺)の自治体でつくる「県南常磐線輸送力増強期成同盟会」の総会が今年6月26日に開かれ、その席でJR東日本水戸支社の企画室長が、運転計画の発表時期について「秋ごろには発表できる」と回答した。ただしその後、支社から発言撤回の要請があったという。
常陽新聞によると、この総会で企画室長は、常磐線の直通本数を聞かれて「発表できるものではない」としながら、「個人的見解」として「18本より多く乗り入れるのかなと思う」と述べたという。なお、「18本」が、何を指すのかは一切記事には触れられていない。
ここから私見。上野東京ラインのダイヤ計画がどうなっているか、ここのところの報道をまとめてみました。やはり、危機感を持ち、運動を続けてきた茨城県側の報道が目立ちます。しかし、水戸支社の「秋には発表」というフライング発言は、常磐線にとって悪い話ではなさそうな雰囲気が取れますね。そうだとしても、JR東日本は、運用の制約をどうするのか、気になるところです。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG1X6HWDG1XUJHB018.html
(茨城新聞)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14003373840061
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20140627ddlk08020136000c.html
(常陽新聞)
http://joyonews.jp/article/3937.html