JR東日本の羽田空港新線計画について、日経新聞をはじめとする報道各社が、これまで明らかになっていなかった詳細を相次いで報じた。
それによると、新線は東海道貨物線を一部利用する一方で、さらに3つの区間を新規に建設する。大井埠頭付近から羽田空港までの地下線と、田町付近で東海道線に接続するための地下線、さらに東京臨海高速鉄道りんかい線の大井町駅と接続する地下線だ。東海道線のほか、りんかい線の両方向に接続し、埼京線や京葉線とも直通可能にするちう。所要時間は、東京−羽田間は18分、新宿−羽田間は23分としている。開通目標は、2025年ごろ。
建設費用については、3000〜4000億円と見積もっていることが明らかになった。JRは、国と都に3分の1ずつの負担を求める前提で、今後協議をするという。ただし、朝日新聞によると現時点では、都は説明を受けただけの状態で、国交省ではこの件についての検討が始まってもいないという。年間2800万人の利用を想定している。
ここから私見。JR東日本の単独事業を期待するのは虫が良すぎる話かもしれませんが、3分の2を国と都に負担させる前提だったというのはちょっと残念です。これだけの額となると、そう簡単に国も都もウンとは言わないでしょう。特に、国交省が進める羽田・成田直結線(都営浅草線バイパスルート)とは、ガチンコ対決になりそうですね(両方とも作るということはさすがにないでしょう)。国交省案は、東京駅周辺に用がある人以外にはいまいち利便性向上が期待できない一方で、JR案は羽田のみではありますが広い地域で、利便性向上が期待できます。ただ、国交省が掲げる「羽田と成田の一体運用」という建前は吹き飛んでしまいます。千葉県から反発が来そうですが、それをみこして、京葉線への直通も盛り込んだのかもしれませんね。
ただ、最大4000億円という費用の元は取れるのか。JRの試算通り年間2800万人だった場合、一人当たりの運賃平均単価(この新線部分のみ)を500円とすると、収入は140億円になります。利子も考えればとても間に合いませんから、もうちょっと高めでしょうか。
そもそも、ダイヤという観点でみると、これだけネットワークを広げた羽田新線は、宇都宮線、高崎線、常磐線、埼京線、京葉線の各線からの直通列車が走ることになります。そこもどうなることやらですね。
(日経新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF1400B_U4A710C1MM8000/
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG7H3SCZG7HUTIL01R.html
この情報は、akiさん、くろださんからいただきました。ありがとうございました。