2015年3月に開業する上野東京ライン(東北縦貫線)。前回の記事は、JR東日本のプレスリリースを元に書きましたが、報道各社の記事をみると、記者会見で出たと思われる、リリースにない内容も載っています。
それを、まとめてみました。
(1)常磐線の特急の6割程度が品川発着となる(産経新聞)
(2)東京駅止まりの東海道線は、朝8〜9時はすべて宇都宮線や高崎線へ直通。それ以外の時間帯の直通本数は未定(東京新聞)
(3)高崎線の特急「草津」「あかぎ」は、これまで通り上野駅発着(東京新聞)
(4)上野東京ラインは1日約300本。3線の直通本数はいずれも上下合わせて100本。宇都宮線・高崎線は160本中100本、常磐線は400本中100本となる。(日経新聞)
(5)朝の通勤ピーク時以外の時間帯も(3線で)ほぼ均等になるという(毎日新聞)
(6)1日当たりの総本数は今後検討していくが、「3路線ともこれまでと遜色のない内容になる」(JR東日本水戸支社)という(茨城新聞)
(7)宇都宮線、高崎線は、日中はほぼ全列車が上野以南に直通する(朝日新聞)
(8)上野方面へ向かう東海道線は1日を通してほぼ全ての列車が直通運転(TOKYO MXテレビ)
注目なのは、具体的な本数を報じる(4)の「各線100本ずつ」でしょう。中でも、常磐線の特急が100本に含まれるのかどうかが気になりますが、記事を読む限りにもそうとらえるのが自然ですし、そもそも「上下400本」という数字には、特急が含まれているので、1含まれると考えるのが自然ですよね。で、(1)の記事によると、特急の直通は6割、つまり40〜50本ですから、快速・中電については、残りの50〜60本となります。ラッシュ時にそこそこの本数を確保しようとすると、逆に日中は毎時1本(たとえば特快のみ)ということになるかもしれません。つまり、日中は、宇都宮線3本、高崎線3本、常磐線3本(特急2,中電1)といった感じになりそうです。この通りだとするとと、常磐線側がだいぶ貧弱に見えますね。ただ、(5)の記事は、鉄道記事に関しては飛ばし記事も多い日経なので、割り引いて考えたほうがいいかもしれません。
他に気になるのは、(7)と(8)です。宇都宮線・高崎線は毎時4本ですが、東海道線は毎時6本です。宇都宮線・高崎線には、上野止まりが残るのが自然でしょうが、真相はどうでしょうか。また.(4)によると、宇都宮線と高崎線の列車は合計200本乗り入れるとのことですが、東海道線の普通・快速で、東京駅を発着する列車は240本あります。この本数差を見ると、朝夕を中心に、東京発着の列車も残りそうにも見えます。いずれにしても(4)が合っているかどうかで判断が変わってきます。
JR東日本による詳細な発表があったら、このあたりの当たり外れをもう一度確かめるのもいいかもしれません。
(各社の記事は以下です)
http://www.sankei.com/life/news/141030/lif1410300039-n1.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014103102000126.html
http://www.asahi.com/articles/ASGBZ5HP3GBZUTNB00Z.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ30HJE_Q4A031C1TJ1000/
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20141031ddlk08020148000c.html
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14146752312147
http://s.mxtv.jp/mxnews/kiji.php?date=201410306
[JR東日本]上り8時台は宇都宮・高崎・常磐の各線が5本ずつ。常磐線は品川まで乗り入れ。上野東京ラインの運行概要発表
JR東日本は、2015年3月14日に開業予定の上野東京ライン(東北縦貫線)のダイヤについて、概要を発表した。
上野東京ラインの開業後は、宇都宮線、高崎線は、東海道線と相互直通運転を行う。常磐線は品川まで乗り入れる。平日朝8時台に東京駅に到着する上り列車は15本で、この3線で5本ずつ分け合う形となる。
ラッシュ時の15本という本数は、毎日新聞が2013年に報じた通り。その記事では、開業翌年以降は20本に増えるとしている。
焦点となっていた常磐線の中電・快速の乗り入れは、日中は土浦方面からの中電の一部が品川発着になり、朝夕のラッシュ時および夜間は、取手以南の快速の一部が品川発着になる。また、早朝の直通はない。常磐線特急については、日中の全列車と、夕方以降の一部の列車が品川発着になる。
(常磐線の特急の新料金体系については、別記事にします)
ここから私見。本数や利用者数でいえば、宇都宮:高崎:常磐がほぼ1:1:2なので、それと比べると1:1:1というのは、若干意外でした。ただ、誘致合戦に辟易していた(であろう)JRとしては、まず初年度は平等に振りつつ、あとは利用者数に応じて調整するということかもしれませんね。
(JR東日本のリリース)
http://www.jreast.co.jp/press/2014/20141022.pdf
この情報は、Eurostarさん他の方からいただきました。ありがとうございました。
上野東京ラインの開業後は、宇都宮線、高崎線は、東海道線と相互直通運転を行う。常磐線は品川まで乗り入れる。平日朝8時台に東京駅に到着する上り列車は15本で、この3線で5本ずつ分け合う形となる。
ラッシュ時の15本という本数は、毎日新聞が2013年に報じた通り。その記事では、開業翌年以降は20本に増えるとしている。
焦点となっていた常磐線の中電・快速の乗り入れは、日中は土浦方面からの中電の一部が品川発着になり、朝夕のラッシュ時および夜間は、取手以南の快速の一部が品川発着になる。また、早朝の直通はない。常磐線特急については、日中の全列車と、夕方以降の一部の列車が品川発着になる。
(常磐線の特急の新料金体系については、別記事にします)
ここから私見。本数や利用者数でいえば、宇都宮:高崎:常磐がほぼ1:1:2なので、それと比べると1:1:1というのは、若干意外でした。ただ、誘致合戦に辟易していた(であろう)JRとしては、まず初年度は平等に振りつつ、あとは利用者数に応じて調整するということかもしれませんね。
(JR東日本のリリース)
http://www.jreast.co.jp/press/2014/20141022.pdf
この情報は、Eurostarさん他の方からいただきました。ありがとうございました。
2014年10月03日
[京成][北総][都営]浅草線、日中のエア快が倍増、20分毎に。青砥で京成本線特急と両方向で接続。11/8にダイヤ改正
東京都交通局と京成電鉄は、2014年11月8日に都営浅草線と京成各線のダイヤ改正をすると発表した。
都営浅草線は、日中のエアポート快特(地下鉄線内も通過運転)が倍増し、現在の40分間隔から20分間隔になる。現在の「エアポート快特」は、羽田空港−成田空港間(成田スカイアクセス経由、京急線内エアポート快特、京成線内アクセス特急)の列車が40分間隔で走っているが、改正後は、さらに羽田空港−青砥間(京急線内快特、京成線内快速特急。一部は高砂発着)の列車が40分間隔で運転され、合わせて20分間隔となる。
また、いずれの列車も、上下ともに、青砥で京成本線の特急と接続するようになる。京成線各駅と都営線各駅の間の所要時間が短縮される。京成のリリースによると、京成船橋−新橋間で最大10分の短縮になるという。
京急のリリースによると、新設される列車は、現在の羽田空港−高砂間(都営線・京成線内は普通)の列車の置き換え。一方で、普通が代わりに増発されるのかどうかは、リリースでは明らかになっていない。増発されないとすると、浅草線内の通過駅は毎時10.5本から9本へ、京成押上線内の通過駅は毎時7.5本から6本へ減る。
このほか、京成線内では、成田空港に向かう初電が繰り上げられ、終電が繰り下げられる。現在は、6:18着(京成高砂始発)が初電だが、京成成田発の5:10着の列車ほか3本が増発される。うち1本は、京成津田沼からの初電に接続する。終電は、現行の22:57着から、23:35着まで繰り下がる。
また、有料ライナー系では、上りスカイライナーの始発を繰り上げる。京成上野8:28着というラッシュのピーク時に到着する列車となる。また、下りスカイライナーの最終を繰り下げて、京成上野18:20発とする。イブニングライナーは京成上野23:00発を設定する。一方現在運転されている時間帯では運転間隔を広げて2本減らし、トータルでは1本減となる。シティライナーは土休日のみの運転となる。
北総鉄道は、運転間隔の調整や、末端区間の微増はあるが、都心直通列車の本数は変わらないという。
ここから私見。これまで片方向のみでしかも40分毎だった、青砥での急急接続が両方向かつ20分毎になったのは画期的ではあります。ただ、日中にあまり都営線方向と京成本線の需要ってそれほどでもないですよね。都営線のエア快増発も謎でして、現行の日中ダイヤでは、エア快は6駅も通過するわりにはせいぜい1分程度しか速くなく、そのダイヤのまま増えるだけなら単に通過駅を不便にするだけのような気がします。もしかしたら、羽田アクセスの新線構想が騒がしい中、羽田への速達性(のみ)を追求してみせたということなんでしょうか。
あと「エアポート●●」という種別は、都営線内通過運転を表すもので、●●に、京急や京成での種別が入るという体裁だったのに、京急が自社線内でも「エアポート快特」を作ってしまったのでわかりにくいっす。今回、都営線内はエア快で、京急線内は快特という列車が登場します。
(ここから10/3 12:55追記)
南海の記事で触れましたが、成田空港の調査によると、成田を利用する国内旅行客は鉄道利用者が多く、特に(安価な)京成本線が多数を占めているそうです。エアポート快特が青砥止まりだとしても、本線特急に接続するというのは、LCC利用者向けの施策として意味があるのかもしれません。
(京成電鉄リリース)
http://www.keisei.co.jp/keisei/kouhou/news/141002_03.pdf
(東京都交通局リリース)
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/newsevent/news/subway/2014/sub_p_201410024747_h.html
(北総鉄道リリース)
http://www.hokuso-railway.co.jp/data/topics/116/20141002163416.pdf
(京急のリリース)
http://www.keikyu.co.jp/company/20141002HP_14127NN.pdf
この情報は、トトロさん、ぴんからさん、ひろっぴさんからいただきました。ありがとうございました。
都営浅草線は、日中のエアポート快特(地下鉄線内も通過運転)が倍増し、現在の40分間隔から20分間隔になる。現在の「エアポート快特」は、羽田空港−成田空港間(成田スカイアクセス経由、京急線内エアポート快特、京成線内アクセス特急)の列車が40分間隔で走っているが、改正後は、さらに羽田空港−青砥間(京急線内快特、京成線内快速特急。一部は高砂発着)の列車が40分間隔で運転され、合わせて20分間隔となる。
また、いずれの列車も、上下ともに、青砥で京成本線の特急と接続するようになる。京成線各駅と都営線各駅の間の所要時間が短縮される。京成のリリースによると、京成船橋−新橋間で最大10分の短縮になるという。
京急のリリースによると、新設される列車は、現在の羽田空港−高砂間(都営線・京成線内は普通)の列車の置き換え。一方で、普通が代わりに増発されるのかどうかは、リリースでは明らかになっていない。増発されないとすると、浅草線内の通過駅は毎時10.5本から9本へ、京成押上線内の通過駅は毎時7.5本から6本へ減る。
このほか、京成線内では、成田空港に向かう初電が繰り上げられ、終電が繰り下げられる。現在は、6:18着(京成高砂始発)が初電だが、京成成田発の5:10着の列車ほか3本が増発される。うち1本は、京成津田沼からの初電に接続する。終電は、現行の22:57着から、23:35着まで繰り下がる。
また、有料ライナー系では、上りスカイライナーの始発を繰り上げる。京成上野8:28着というラッシュのピーク時に到着する列車となる。また、下りスカイライナーの最終を繰り下げて、京成上野18:20発とする。イブニングライナーは京成上野23:00発を設定する。一方現在運転されている時間帯では運転間隔を広げて2本減らし、トータルでは1本減となる。シティライナーは土休日のみの運転となる。
北総鉄道は、運転間隔の調整や、末端区間の微増はあるが、都心直通列車の本数は変わらないという。
ここから私見。これまで片方向のみでしかも40分毎だった、青砥での急急接続が両方向かつ20分毎になったのは画期的ではあります。ただ、日中にあまり都営線方向と京成本線の需要ってそれほどでもないですよね。都営線のエア快増発も謎でして、現行の日中ダイヤでは、エア快は6駅も通過するわりにはせいぜい1分程度しか速くなく、そのダイヤのまま増えるだけなら単に通過駅を不便にするだけのような気がします。もしかしたら、羽田アクセスの新線構想が騒がしい中、羽田への速達性(のみ)を追求してみせたということなんでしょうか。
あと「エアポート●●」という種別は、都営線内通過運転を表すもので、●●に、京急や京成での種別が入るという体裁だったのに、京急が自社線内でも「エアポート快特」を作ってしまったのでわかりにくいっす。今回、都営線内はエア快で、京急線内は快特という列車が登場します。
(ここから10/3 12:55追記)
南海の記事で触れましたが、成田空港の調査によると、成田を利用する国内旅行客は鉄道利用者が多く、特に(安価な)京成本線が多数を占めているそうです。エアポート快特が青砥止まりだとしても、本線特急に接続するというのは、LCC利用者向けの施策として意味があるのかもしれません。
(京成電鉄リリース)
http://www.keisei.co.jp/keisei/kouhou/news/141002_03.pdf
(東京都交通局リリース)
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/newsevent/news/subway/2014/sub_p_201410024747_h.html
(北総鉄道リリース)
http://www.hokuso-railway.co.jp/data/topics/116/20141002163416.pdf
(京急のリリース)
http://www.keikyu.co.jp/company/20141002HP_14127NN.pdf
この情報は、トトロさん、ぴんからさん、ひろっぴさんからいただきました。ありがとうございました。