2017年05月02日

[東武]日比谷線直通優等、新しい空港アクセスを検討。野田線と伊勢崎線の直通も拡大。2020年度までの中期経営計画を発表

 東武鉄道は、2017年度から4ヶ年の経営方針をまとめた「東武グループ中期経営計画2017〜2020」の概要を発表した。「輸送サービスのレベルアップ」という箇所に、意欲的な内容が並んでいる。ウェブサイトに載っているプレスリリースでは項目名のみで詳しいことは明らかになっていないが、一つ一つ、紹介していく(各項目、途中から私見も混ざってます)。

●日比谷線直通優等を検討

 驚くべき項目の1つが「日比谷線直通列車速達性向上の検討」。これまで、伊勢崎線(スカイツリーライン)の地下鉄直通列車は、緩行線=日比谷線、急行線=半蔵門線という形で運転系統が固定化されてきた。通過運転区間がどの程度になるのか、配線を直すのかどうかなど、考えると興味深い。また、代わりに半蔵門線直通の普通ができれば、優等通過駅の価値向上にもつながると思うが、さすがにラッシュ時間帯は難しいだろう(日中も厳しいかも?)。

●ひきつづき、野田線を強化

 前回(2014年)に策定された「中期経営計画」では筆頭に挙げられていた、野田線(アーバンパークライン)の利便性向上については、今回も引き続き取り上げられている。
「六実−逆井間複線化と急行運転拡大による速達性向上」と「春日部駅ジャンクション機能強化(東武スカイツリーラインと東武アーバンパークラインの相互乗り入れ強化によるアクセス性向上)」の2つの項目が挙がった。
 六実−逆井間の複線化は、別のリリースの内容によると、2019年度末完成をめどに進めるという。春日部の「ジャンクション機能強化」は、なんらかの設備改良を伴うように感じられる表現だ。

●新たな都心・空港アクセスの検討

「鉄道ネットワーク拡充による新たな需要創出」という見出しには、2つの項目が挙げられている。一つが、「都心および空港へのアクセス性向上に向けた検討」だ。
 これまでの発表にはなかった内容で、具体的にどういうルートなのかが注目される。
 ニュースサイト「レスポンス」は、2016年の交通政策審議会答申で、JRの羽田空港アクセス線計画について、久喜駅から東武に乗り入れることの検討を期待するとの一文が添えられていたことを紹介し、それを踏まえたものだとする見解を示している。ただ、JR新線の開通時期は未定で、少なくとも2020年度には間に合わない。答申を前提にするのであれば、同じく答申に掲載された「蒲蒲線」も、開通したあかつきには、東上線との直通列車も運転されるものとみられる。
 とはいえ、この4年で実行可能な「空港へのアクセス向上」というと、なかなか難しく、大宮発着の成田エクスプレスを、期間限定で栗橋経由で東武日光まで走らせるというような、半分はインバウンド需要に期待という策になるのだろうか。まさか、新鎌ケ谷や押上など、空港アクセス路線への乗り換え駅へのアクセス向上ということもあるかもしれない。

●特急の地下鉄乗り入れも検討

「需要創出」の項目の2つ目が、「特急車両の地下鉄乗入れに向けた検討」。これ以上の記述はなく、どのルートを想定しているのかが気になるところだ。
 今春のダイヤ改正で投入された新車両「リバティ」は、併結のため貫通扉があり、比較的容易に乗り入れできる可能性もある。別記事のコメント欄では、くろださんから、東上線の「TJライナー」を、「S−TRAIN」のように東京メトロ有楽町線、副都心線の直通として運転する可能性もあるのでは、との指摘が寄せられている。
 また、計画には「フラグシップ特急車両の導入」という項目もあり、これは現行の「スペーシア」の置き換えになるのか、それともさらに上位の列車が新設されるのか、注目される。

(東武鉄道リリース)
http://www.tobu.co.jp/file/pdf/45b1654a4f72173989dec62a23761286/20170428-3.pdf
(レスポンスの記事)
https://response.jp/article/2017/04/28/294126.html

この情報は、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 20:51 | Comment(132) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [東武]日比谷線直通優等、新しい空港アクセスを検討。野田線と伊勢崎線の直通も拡大。2020年度までの中期経営計画を発表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする