(追記 12:20 21:20:千葉日報の記事に、総武線の減便本数などがありましたので追記しました)
JR東日本は、2022年3月12日のJRグループ一斉ダイヤ改正の内容を発表した。JR東日本は「かなりの規模の減便」があると明らかにしていたが、蓋を開けてみると、首都圏のほとんどの路線で朝ピーク時に減便をおこなうというもので、いくつかの路線ではさらに日中や夕・夜間にも減便がある。
この記事では、首都圏の東部(東京支社、千葉支社、水戸支社)の各線の変化をまとめます。ただし、東京支社はリリースをウェブ上で公開していないため、本社のリリースからの情報のみとなります。
山手線■朝晩と日中に本数減
山手線は、ほぼ終日にわたって本数が削減される。朝ピーク1時間の本数が、内回りは現行の22本から2本減って20本に、外回りは現行の21本から2本減って19本になる。
日中、夕方から夜間にかけても減便となる。
常磐線■日中の品川発着が2→3本に増加。「特快」は大幅に削減
常磐線各駅停車は、朝ピーク1時間の本数が、現行の23本から3本減って、20本になる。夕方〜夜についても、減便をおこなう。
常磐線快速は日中、品川発着の列車が現行の2本から3本に増える。3本ともいわゆる「中電」。ただし日中の大半の列車は土浦発着となり、土浦で同一ホームで水戸・勝田方面の列車と乗換になる。一方で、特別快速は大幅に減便となり、土浦発9〜10時台の2本と、品川発15〜16時台の2本のみとなる。特別快速の分が減ることで、中電は日中毎時4本から1本減って3本となる。中電ではない取手以南の快速列車と成田線我孫子口については東京支社管内のため不明だが、現状通りだとすると中電と合わせて10分毎になる。
朝ピーク1時間の本数は、現行の19本から4本減って、15本となる。首都圏各線の中で減少幅が最も大きい。夕方〜夜についても、減便をおこなう。
総武線■通勤快速はすべて快速に変更
中央・総武線各駅停車は、朝ピーク1時間の本数が、西行(三鷹方面)は26本から1本減って25本に。夕方〜夜についても、減便をおこなう。千葉日報によると、東行(千葉方面)1本、西行3本だという。
総武線快速は、朝ピーク1時間の本数が、19本から1本減って18本となる。夕方〜夜についても、減便をおこなう。こちらも千葉日報によると、上下各1本とのこと。また通勤時のみ運行されている成田線直通の「通勤快速」(平日朝上り2本、夜下り2本)は、すべて快速に変更になり、種別としては消滅する。
「成田エクスプレス」が毎時1本、千葉駅に停車するようになる。現在は空港利用客が少ない、朝上りと夜下りに限られているが、半数の列車が千葉駅停車となる。千葉と新宿・渋谷・横浜とのアクセスを向上させるとしている。
京葉線■平日日中の快速は毎時3→2本に
平日(※1)日中の快速1本が削減される。現行では、快速3本、普通4本(うち3本は海浜幕張発着)だが、改正後は快速が2本になる。代わりに普通1本が蘇我発着になるため、海浜幕張以東の本数は変わらない。
朝ピーク1時間の本数が15本から2本減って13本となる(武蔵野線からの列車を除く)。また、朝ラッシュ時に内房線・外房線から直通する「通勤快速」のうち2本が各駅停車になるほか、快速の一部も各駅停車化される。
一方、東京8:10着の特急「さざなみ」(木更津始発)が新設される。
武蔵野線■減便の対象外に
12/17に公開されたプレスリリースでは武蔵野線については言及がなかった。朝ラッシュ時に減便のない数少ない路線の一つ。2020年度の国交省の混雑度調査で、朝ラッシュ時の混雑度がJR東日本で1位となっていた。
(※1=12/29追記)京葉線の日中快速減便について「平日」と追記しました。GMSさんにご指摘いただきました。ありがとうございました。
2022年3月12日ダイヤ改正に関する記事の一覧はこちらです
前回の改正はどうだった?2021年春のJR改正・首都圏東部の記事はこちら
(JR東日本・本社)
https://www.jreast.co.jp/press/2021/20211217_ho01.pdf
(千葉支社)
https://www.jreast.co.jp/press/2021/chiba/20211217_c01.pdf
(水戸支社)
https://www.jreast.co.jp/press/2021/mito/20211217_mt01.pdf
(千葉日報の記事)
https://www.chibanippo.co.jp/news/economics/860278
この情報は、ななさんからいただきました。ありがとうございました。
[西武]各線で減便改正。新宿線の平日12〜15時は緩急とも毎時5本に。池袋線の日中は有楽町線直通を削減(2022年3月12日ダイヤ改正・4)
西武鉄道は2022年3月12日、多摩川線を除く各線でダイヤ改正をおこなう。利用実態に合わせて、全体的に減便基調の改正となる。
新宿線■平日12〜15時は、各停も優等も毎時5本に
西武新宿線では平日日中午後(12〜15時)に、各停と急行がともに1本ずつ減便となり、毎時5本となる(リリースでは急行ではなく優等電車と書いていて、種別変更がある可能性もある)。現在は毎時6本で、いずれもきれいな10分間隔だが、おそらく12分間隔となりそうだ。拝島線、国分寺線も合わせて1本ずつ減便となる。首都圏の大手私鉄の本線クラスの路線で、都心側の普通列車の本数が日中に毎時6本を割るのはここ最近では初めての事例になりそうだ。土休日は現在と同じ。なお、新宿線は2012年に、種別が多様な毎時15本(特急除く)から、急行と各停が6本ずつのシンプルなダイヤを導入し、現在まで続いていた。
朝ラッシュ時の上りは、通勤急行1本と各停2本が削減される。この影響か、一部の優等列車は所要時間が最大3分短縮される。狭山市始発の列車がなくなり、現在ある2本は始発駅が本川越と新所沢に変更される。
平日夜間は、西武新宿発19時以降の優等3本、各停1本を削減する。
土休日は、下り快速急行1本を削減する。夕方の新宿口の各停を毎時2本減らして、6本とする。
多摩湖線では、平日・土休日ともに日中に増発し、国分寺−萩山間は10分間隔となる(現在は時折20分間隔があくときがある)。
池袋線■快急Fライナーは小手指発着に。日中の有楽町線直通を毎時2本削減
池袋線では、平日土休日ともに日中に有楽町線直通列車が毎時2本削減される。副都心線と直通する快速急行(Fライナー)が、現在の飯能発着から小手指発着に短縮される(土休日午前の一部を除く)。
飯能−西武秩父間では、平日12〜15時台で上下各2本を削減する。
朝ラッシュ時には、飯能発快急1本を削減する。
平日夕方から夜間にかけては、18時以降の池袋発優等4本と、21時以降の小竹向原発各停3本を削減する。
土休日夕方〜夜間は、西武秩父発快急池袋ゆきが各停飯能ゆきに置き換えるほか、21時以降の池袋発優等3本を削減する。
狭山線では、平日日中に毎時1本と、土休日午前に上り2本・下り1本をそれぞれ削減する。日中には西武球場前駅で山口線との接続を改善するという。
ここから全体的に私見。池袋線の有楽町線直通は間隔も不揃いで、削減の余地がありそうに見えますが、新宿線の緩急毎時6本ずつをさらに削ってくるとは正直言って驚きました。ついに関東圏でも10分毎を割るところがでてきたのですね。2012年に今のダイヤになったときは、「わかりやすいダイヤ」という言葉に納得しました。毎時5本はおそらく12分毎になるのでしょうが、利用する方々の反応が気になります。
2022年3月12日ダイヤ改正に関する記事の一覧はこちらです
(プレスリリース)
https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2020/20211217_dia.pdf
この情報は、丸太さんからいただきました。ありがとうございました
新宿線■平日12〜15時は、各停も優等も毎時5本に
西武新宿線では平日日中午後(12〜15時)に、各停と急行がともに1本ずつ減便となり、毎時5本となる(リリースでは急行ではなく優等電車と書いていて、種別変更がある可能性もある)。現在は毎時6本で、いずれもきれいな10分間隔だが、おそらく12分間隔となりそうだ。拝島線、国分寺線も合わせて1本ずつ減便となる。首都圏の大手私鉄の本線クラスの路線で、都心側の普通列車の本数が日中に毎時6本を割るのはここ最近では初めての事例になりそうだ。土休日は現在と同じ。なお、新宿線は2012年に、種別が多様な毎時15本(特急除く)から、急行と各停が6本ずつのシンプルなダイヤを導入し、現在まで続いていた。
朝ラッシュ時の上りは、通勤急行1本と各停2本が削減される。この影響か、一部の優等列車は所要時間が最大3分短縮される。狭山市始発の列車がなくなり、現在ある2本は始発駅が本川越と新所沢に変更される。
平日夜間は、西武新宿発19時以降の優等3本、各停1本を削減する。
土休日は、下り快速急行1本を削減する。夕方の新宿口の各停を毎時2本減らして、6本とする。
多摩湖線では、平日・土休日ともに日中に増発し、国分寺−萩山間は10分間隔となる(現在は時折20分間隔があくときがある)。
池袋線■快急Fライナーは小手指発着に。日中の有楽町線直通を毎時2本削減
池袋線では、平日土休日ともに日中に有楽町線直通列車が毎時2本削減される。副都心線と直通する快速急行(Fライナー)が、現在の飯能発着から小手指発着に短縮される(土休日午前の一部を除く)。
飯能−西武秩父間では、平日12〜15時台で上下各2本を削減する。
朝ラッシュ時には、飯能発快急1本を削減する。
平日夕方から夜間にかけては、18時以降の池袋発優等4本と、21時以降の小竹向原発各停3本を削減する。
土休日夕方〜夜間は、西武秩父発快急池袋ゆきが各停飯能ゆきに置き換えるほか、21時以降の池袋発優等3本を削減する。
狭山線では、平日日中に毎時1本と、土休日午前に上り2本・下り1本をそれぞれ削減する。日中には西武球場前駅で山口線との接続を改善するという。
ここから全体的に私見。池袋線の有楽町線直通は間隔も不揃いで、削減の余地がありそうに見えますが、新宿線の緩急毎時6本ずつをさらに削ってくるとは正直言って驚きました。ついに関東圏でも10分毎を割るところがでてきたのですね。2012年に今のダイヤになったときは、「わかりやすいダイヤ」という言葉に納得しました。毎時5本はおそらく12分毎になるのでしょうが、利用する方々の反応が気になります。
2022年3月12日ダイヤ改正に関する記事の一覧はこちらです
(プレスリリース)
https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2020/20211217_dia.pdf
この情報は、丸太さんからいただきました。ありがとうございました
[小田急]日中と夕夜間に減便。日中の新宿発着の急行は毎時6→3本に、準急は千代直急行に(2022年3月12日ダイヤ改正・3)
小田急電鉄は2022年3月12日にダイヤ改正をおこなう。2018年の複々線化完成時に大幅な増便で利便性を高めた小田急だが、コロナの影響を受けて複々線区間を中心に本格的な減便となる。特に日中は、複々線化前の構成にほぼ逆戻りするかたちとなる。
日中・土休日■新宿発着の急行は半減、千代田線準急は急行化
現行ダイヤでは、日中のパターンは、新宿発着列車が快急6本(毎時、以下同じ)、急行6本、各停6本で、さらに千代田線直通の準急3本が加わる。改正後は、急行が半減して3本となる。減るのは、新宿−新松田間の急行で、改正後は町田−小田原間の急行(新松田から先は各駅停車)に置き換わる。新宿−唐木田間の急行は残るが、多摩線内は各駅停車となって、その分の各停が削減される。
千代田線直通の準急3本は、急行に変更される(向ヶ丘遊園発着は変わらない)。現在の準急は2018年の複々線化時に、千代田線との乗り換えは近郊区間利用者が多いという実態と、緩行線と千代田線がつながる複々線の配線を活かす形で、緩行線から千代田線に直通する新しいタイプの優等として登場したが、日中から姿を消す。
皮肉なことに、複々線化前の2016年改正時のダイヤとほぼ同じ構成となりそうだ。
土休日は終日ほぼこの本数となる。ただし、10〜11時台の上りと16〜18時台の下りは、毎時3本追加される。種別は不明。区間は新宿−町田間もしくは多摩線とのこと。
平日朝夕■夕方も新宿口減便、各停は毎時8→6本に。多摩線系統の快急は江ノ島線に振替か
平日朝ラッシュ時は、新宿口での減便はないが、小田原・新松田始発の相模大野ゆき急行5本が減便となる。代わりに本厚木始発の通勤準急と各停それぞれ1本が伊勢原・秦野始発となる。
平日夕方・夜間は、新宿口も減便となる。夕ラッシュ時に毎時8本ある新宿発着の各停は2本減って6本になる。千代田線直通列車は現在毎時8本で急行・準急・各停が走っているが、2本減って6本になり、種別はすべて準急になる。
この時間帯の、急行や快急については、多摩線方面の快速急行が急行になり、江ノ島線方面の急行が快急になる。ただし、本数は減るようだ。現行ダイヤでは、夕方から21時ごろまでは急行は経堂通過だが、改正後は終日停車となる。また、経堂・成城学園前での緩急接続を改善するとしている。
江ノ島線・特急■江ノ島線は藤沢で系統分断、ロマンスカーも減便
江ノ島線は、藤沢で系統分断される(特急ロマンスカーは除く)。藤沢−片瀬江ノ島間は、原則として区間運転の各停のみとなる。現行ダイヤでは平日は毎時6本、土休日には快急も含めて毎時8〜10本運転されているが、改正後は毎時5本となる(土休日の一部時間帯は6本)。
特急ロマンスカーも全体的に減便傾向で、特に「はこね」が減って、代わりに「さがみ」「えのしま」がやや増える。朝上りの「モーニングウェイ」は3本増発される(1本は新宿着が7:59で、もう2本は9時台)。下り「ホームウェイ」は全列車が海老名に、下り「メトロホームウェイ」は全列車が成城学園前にそれぞれ停車する。
ここから全体への私見です。コロナ禍の厳しさは各社変わりませんが、特に小田急については、半世紀を費やした複々線化が完成し、利便性向上を強くアピールするダイヤ改正をおこなってからわずか4年での減便改正となり、利用者(特に不便になる複々線化区間)にとっても残念ですが、小田急もさぞかし無念だろうと思います。
2022年3月12日ダイヤ改正に関する記事の一覧はこちらです
(プレスリリース)
https://www.odakyu.jp/news/o5oaa100000214sd-att/o5oaa100000214sk.pdf
この情報は、ななさんからいただきました。ありがとうございました。
日中・土休日■新宿発着の急行は半減、千代田線準急は急行化
現行ダイヤでは、日中のパターンは、新宿発着列車が快急6本(毎時、以下同じ)、急行6本、各停6本で、さらに千代田線直通の準急3本が加わる。改正後は、急行が半減して3本となる。減るのは、新宿−新松田間の急行で、改正後は町田−小田原間の急行(新松田から先は各駅停車)に置き換わる。新宿−唐木田間の急行は残るが、多摩線内は各駅停車となって、その分の各停が削減される。
千代田線直通の準急3本は、急行に変更される(向ヶ丘遊園発着は変わらない)。現在の準急は2018年の複々線化時に、千代田線との乗り換えは近郊区間利用者が多いという実態と、緩行線と千代田線がつながる複々線の配線を活かす形で、緩行線から千代田線に直通する新しいタイプの優等として登場したが、日中から姿を消す。
皮肉なことに、複々線化前の2016年改正時のダイヤとほぼ同じ構成となりそうだ。
土休日は終日ほぼこの本数となる。ただし、10〜11時台の上りと16〜18時台の下りは、毎時3本追加される。種別は不明。区間は新宿−町田間もしくは多摩線とのこと。
平日朝夕■夕方も新宿口減便、各停は毎時8→6本に。多摩線系統の快急は江ノ島線に振替か
平日朝ラッシュ時は、新宿口での減便はないが、小田原・新松田始発の相模大野ゆき急行5本が減便となる。代わりに本厚木始発の通勤準急と各停それぞれ1本が伊勢原・秦野始発となる。
平日夕方・夜間は、新宿口も減便となる。夕ラッシュ時に毎時8本ある新宿発着の各停は2本減って6本になる。千代田線直通列車は現在毎時8本で急行・準急・各停が走っているが、2本減って6本になり、種別はすべて準急になる。
この時間帯の、急行や快急については、多摩線方面の快速急行が急行になり、江ノ島線方面の急行が快急になる。ただし、本数は減るようだ。現行ダイヤでは、夕方から21時ごろまでは急行は経堂通過だが、改正後は終日停車となる。また、経堂・成城学園前での緩急接続を改善するとしている。
江ノ島線・特急■江ノ島線は藤沢で系統分断、ロマンスカーも減便
江ノ島線は、藤沢で系統分断される(特急ロマンスカーは除く)。藤沢−片瀬江ノ島間は、原則として区間運転の各停のみとなる。現行ダイヤでは平日は毎時6本、土休日には快急も含めて毎時8〜10本運転されているが、改正後は毎時5本となる(土休日の一部時間帯は6本)。
特急ロマンスカーも全体的に減便傾向で、特に「はこね」が減って、代わりに「さがみ」「えのしま」がやや増える。朝上りの「モーニングウェイ」は3本増発される(1本は新宿着が7:59で、もう2本は9時台)。下り「ホームウェイ」は全列車が海老名に、下り「メトロホームウェイ」は全列車が成城学園前にそれぞれ停車する。
ここから全体への私見です。コロナ禍の厳しさは各社変わりませんが、特に小田急については、半世紀を費やした複々線化が完成し、利便性向上を強くアピールするダイヤ改正をおこなってからわずか4年での減便改正となり、利用者(特に不便になる複々線化区間)にとっても残念ですが、小田急もさぞかし無念だろうと思います。
2022年3月12日ダイヤ改正に関する記事の一覧はこちらです
(プレスリリース)
https://www.odakyu.jp/news/o5oaa100000214sd-att/o5oaa100000214sk.pdf
この情報は、ななさんからいただきました。ありがとうございました。