西武鉄道は2023年春から、新宿線・拝島線で運転している有料座席指定制列車「拝島ライナー」を、平日朝上りにも新設すると発表した。運行本数は2本。詳しい時刻は今回は明らかにしなかった。
拝島ライナーは2018年3月のダイヤ改正で登場。現在は平日・土休日ともに夕方から夜間の下りのみ設定されている。ロング・クロス切り替え可能な40000系が使われる。
上り列車は、拝島発西武新宿ゆき。停車駅は現行の下りと同じで、拝島線内は各駅に停車し、新宿線内は小平−高田馬場間ノンストップ。拝島−小平間の各駅は乗車のみ、高田馬場では降車のみがそれぞれ可能。下りの拝島線内のような「乗車券だけで乗車可能な区間」はない。
料金や時刻については決まり次第、発表するとしている。
西武新宿線では現在、平日の朝ラッシュ時の上りに特急「小江戸」が複数設定されている。
https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20220929_haijimaliner.pdf
この情報は、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
2022年09月29日
2022年09月28日
[京都市][京阪]地下鉄烏丸・東西線で日中減便。京津線直通は朝夕に減。2022/12月中旬にダイヤ改正
京都市交通局は、2022年12月17日に市営地下鉄烏丸線・東西線のダイヤ改正を行う。2日後で月曜日の12月19日には、京阪電鉄が、地下鉄東西線に直通する大津線(京津線・石山坂本線)のダイヤ改正を行う。
市営地下鉄烏丸線・東西線では、平日・土休日ともに11〜14時台の列車を毎時1本ずつ削減する。現在は両線・両方向とも毎時8本(7分30秒ごと)だが、これが7本になる。今年3月のダイヤ改正では先行して夜間の削減がおこなわれ、その時点で今秋に日中の減便をすると予告していた。
京阪電鉄では、平日朝夕の京津線(地下鉄東西線直通)の本数を減らす。6〜9時台には両方向とも2本ずつ、15〜20時台には両方向とも4本ずつをそれぞれ減便する。すべて地下鉄東西線直通列車で、この時間帯は東西線内の本数も減ることになる。石山坂本線も平日の一部時間帯で時刻を変更する。大きな本数の変更はないという。
京阪は土休日のダイヤに変更はなく、そのため京都市交と改正日が2日間ズレることになった。
(京都市交通局)
https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/cmsfiles/contents/0000303/303834/03-oshirase.pdf
(京阪)
https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/20220927_keihan-railway.pdf
この情報は、Yさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
市営地下鉄烏丸線・東西線では、平日・土休日ともに11〜14時台の列車を毎時1本ずつ削減する。現在は両線・両方向とも毎時8本(7分30秒ごと)だが、これが7本になる。今年3月のダイヤ改正では先行して夜間の削減がおこなわれ、その時点で今秋に日中の減便をすると予告していた。
京阪電鉄では、平日朝夕の京津線(地下鉄東西線直通)の本数を減らす。6〜9時台には両方向とも2本ずつ、15〜20時台には両方向とも4本ずつをそれぞれ減便する。すべて地下鉄東西線直通列車で、この時間帯は東西線内の本数も減ることになる。石山坂本線も平日の一部時間帯で時刻を変更する。大きな本数の変更はないという。
京阪は土休日のダイヤに変更はなく、そのため京都市交と改正日が2日間ズレることになった。
(京都市交通局)
https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/cmsfiles/contents/0000303/303834/03-oshirase.pdf
(京阪)
https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/20220927_keihan-railway.pdf
この情報は、Yさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
2022年09月18日
[JR東日本]2023年から1都3県で割安の「オフピーク定期券」発売。通常の定期は値上げ
JR東日本は2023年3月から、ピーク時間帯は利用できない代わりに割安になる「オフピーク定期券」を発売すると発表した。一方で、通常の定期運賃は1.4%の値上げをする。
オフピーク定期券の対象となるのは、首都圏1都3県の電車特定区間内で完結する区間。現在よりも約10%値下げした額になるという。平日朝のピーク時間帯に改札から入場すると、定期外の利用という扱いになって、IC普通運賃が必要になる。ピーク時間帯は駅によって異なり、現在の「オフピークポイントサービス」を基本として設定されるという。同サービスが規定するピーク時間は、各駅毎にもっとも混雑する朝ラッシュ時の90分間となっている。
一方で、通常の定期運賃は1.4%の値上げとなる。JR東日本としては、これによりオフピーク定期券移行への減収分を補う考えで、全体としての定期運賃収入は増えないとしている。ここから計算すると、定期券利用者の少なくとも12%がオフピーク定期券に移行すると見込んでいることがわかる(ここには元々ピーク時間帯を利用していない人も含む)。
なお、JR東日本は2023年3月から、「鉄道駅バリアフリー料金」の導入を予定していて、通常・オフピークのどちらにも同じ額の料金(1か月の場合280円)が加算される。
ちなみに通学定期は対象外で、値段は現行と変わらない。
これを報じた毎日新聞によると、対象駅の平日朝ピーク時間帯の利用者は1日あたり70万人強で、JR東日本はそのうち5%にあたる約3.5万人がオフピーク時間帯にシフトすると見込んでいるという。
ここから私見です。いよいよ本格的な時差運賃の導入ですが、JR東日本の見込み通りピーク時利用者が5%減るでしょうか。それには、企業側が業務時間をずらす必要がありますが、社員の交通費1割強削減というインセンティブに果たして反応があるかどうか。ただ、JR東日本としてはシフトする人が少なければ、通常定期の値上げで増収となるのでそれでいいのかもしれません。
(JR東日本)
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220916_ho01.pdf
(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20220916/k00/00m/040/207000c
この情報は、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
オフピーク定期券の対象となるのは、首都圏1都3県の電車特定区間内で完結する区間。現在よりも約10%値下げした額になるという。平日朝のピーク時間帯に改札から入場すると、定期外の利用という扱いになって、IC普通運賃が必要になる。ピーク時間帯は駅によって異なり、現在の「オフピークポイントサービス」を基本として設定されるという。同サービスが規定するピーク時間は、各駅毎にもっとも混雑する朝ラッシュ時の90分間となっている。
一方で、通常の定期運賃は1.4%の値上げとなる。JR東日本としては、これによりオフピーク定期券移行への減収分を補う考えで、全体としての定期運賃収入は増えないとしている。ここから計算すると、定期券利用者の少なくとも12%がオフピーク定期券に移行すると見込んでいることがわかる(ここには元々ピーク時間帯を利用していない人も含む)。
なお、JR東日本は2023年3月から、「鉄道駅バリアフリー料金」の導入を予定していて、通常・オフピークのどちらにも同じ額の料金(1か月の場合280円)が加算される。
ちなみに通学定期は対象外で、値段は現行と変わらない。
これを報じた毎日新聞によると、対象駅の平日朝ピーク時間帯の利用者は1日あたり70万人強で、JR東日本はそのうち5%にあたる約3.5万人がオフピーク時間帯にシフトすると見込んでいるという。
ここから私見です。いよいよ本格的な時差運賃の導入ですが、JR東日本の見込み通りピーク時利用者が5%減るでしょうか。それには、企業側が業務時間をずらす必要がありますが、社員の交通費1割強削減というインセンティブに果たして反応があるかどうか。ただ、JR東日本としてはシフトする人が少なければ、通常定期の値上げで増収となるのでそれでいいのかもしれません。
(JR東日本)
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220916_ho01.pdf
(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20220916/k00/00m/040/207000c
この情報は、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
タグ:JR東日本
2022年09月17日
[仙台市]地下鉄南北線、東西線で2023年7月から日中減便。河北新報など報じる
河北新報や仙台放送などの報道各社は、仙台市交通局が2023年7月に、市営地下鉄南北線、東西線でダイヤ改正をおこない、日中や土休日の減便を行うと報じている。
河北新報によると、改正日は2023年7月1日。減便となるのは、平日日中の9時半〜16時、土休日の7時半〜22時。現在はいずれも7分30秒間隔だが、8〜10分に変わるという。減少する本数は南北線が平日10本、土休日22本、東西線が平日10本、土休日23本だとしている。
(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20220914khn000033.html
(仙台放送)
https://nc.ox-tv.co.jp/news/detail/2022091500002
この情報は、ななさんからいただきました。ありがとうございました。
河北新報によると、改正日は2023年7月1日。減便となるのは、平日日中の9時半〜16時、土休日の7時半〜22時。現在はいずれも7分30秒間隔だが、8〜10分に変わるという。減少する本数は南北線が平日10本、土休日22本、東西線が平日10本、土休日23本だとしている。
(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20220914khn000033.html
(仙台放送)
https://nc.ox-tv.co.jp/news/detail/2022091500002
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タグ:仙台市営地下鉄
2022年09月14日
[秩父鉄道]熊谷−寄居間を増発。コロナ以前を上回る本数に。ふかや花園のアウトレット開業で2022/10/1ダイヤ改正
秩父鉄道は2022年10月1日にダイヤ改正をおこなう。ふかや花園の駅前に「ふかや花園プレミアム・アウトレット」が開業することに伴うもので、同駅の停車本数を現在の1.5〜1.6倍に増やす。
リリースによると、熊谷−寄居間で「大幅な増発」をおこなう。さらに、ふかや花園には新たに急行を停車させる。これらにより、ダイヤ改正後のふかや花園発着の本数は、平日ダイヤで上下計32本増えて、92本に。土休日も同じく36本増えて94本になる。現在この区間の日中は40〜50分に1本。
ただし、2019年時点のダイヤでは、この区間の本数は平日が85本(うち12本が急行)、土休日は75本(うち急行10本)あった。コロナの影響で、2020年以降大きく減便していた。今回の改正では、2019年当時を上回る本数となるとも言える。
一方で、「生活様式の変化を踏まえ」として、急行の本数を減らすほか、一部区間では各駅停車をさらに減便する。また初電や終電の時刻変更(おそらく初電は繰り下げ、終電は繰り上げ)も行うという。また、詳細は不明だが、「埼玉県の観光地・長瀞のアクセス向上のため」として、羽生・熊谷方面からの長瀞折り返し列車を設定するという。時刻表を9月20日頃にホームページにて公開するとのことで、そこでこれらの全体像が判明しそうだ。
また、SLパレオエクスプレスも10/1以降、ふかや花園に停車する。代わりに武川は通過となる。
駅としてのふかや花園は、アウトレットモールを核にした開発を主導する深谷市が費用を全額出すかたちで、2018年に開業している。
ここから私見です。京浜東北線利用歴45年さんご指摘の通り、秩父鉄道は2020年に大きく減便していて、「大幅増発」と額面通りには受け止められないところがあります。とはいえ、鉄道業界全体のトレンドの中では、コロナ禍以前と比べて少しでも増やしたというだけで一つのニュースかもしれません。駅開業時の日経の記事によると、開発完了時には年間650万人が訪問する見込みで、そのうち鉄道利用者は64万9000人。日に直すと1800人弱ですね(乗降人員だと3600人弱。日経の記事に秩父鉄道で3位になるとあり、現在3位の羽生は3000人超)。地方鉄道としては結構なインパクトです。実際のところどうなるのか注目したいですね。一方で、熊谷−寄居間以外の区間は減便が続くか、もしくはさらなる減便になりそうです。
(秩父鉄道)
https://www.chichibu-railway.co.jp/assets/newsrelease/20220913_kaisei.pdf
(秩父鉄道・2019年3月時点の時刻表)
https://www.chichibu-railway.co.jp/train/ttable/file2018/a3.pdf
(日経新聞・2018年の駅開業時)
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO17670160U7A610C1L72000/
この情報は、ライジングさん、サマンサさん、ななさん、京浜東北線利用歴45年さんからいただきました。ありがとうございました。
リリースによると、熊谷−寄居間で「大幅な増発」をおこなう。さらに、ふかや花園には新たに急行を停車させる。これらにより、ダイヤ改正後のふかや花園発着の本数は、平日ダイヤで上下計32本増えて、92本に。土休日も同じく36本増えて94本になる。現在この区間の日中は40〜50分に1本。
ただし、2019年時点のダイヤでは、この区間の本数は平日が85本(うち12本が急行)、土休日は75本(うち急行10本)あった。コロナの影響で、2020年以降大きく減便していた。今回の改正では、2019年当時を上回る本数となるとも言える。
一方で、「生活様式の変化を踏まえ」として、急行の本数を減らすほか、一部区間では各駅停車をさらに減便する。また初電や終電の時刻変更(おそらく初電は繰り下げ、終電は繰り上げ)も行うという。また、詳細は不明だが、「埼玉県の観光地・長瀞のアクセス向上のため」として、羽生・熊谷方面からの長瀞折り返し列車を設定するという。時刻表を9月20日頃にホームページにて公開するとのことで、そこでこれらの全体像が判明しそうだ。
また、SLパレオエクスプレスも10/1以降、ふかや花園に停車する。代わりに武川は通過となる。
駅としてのふかや花園は、アウトレットモールを核にした開発を主導する深谷市が費用を全額出すかたちで、2018年に開業している。
ここから私見です。京浜東北線利用歴45年さんご指摘の通り、秩父鉄道は2020年に大きく減便していて、「大幅増発」と額面通りには受け止められないところがあります。とはいえ、鉄道業界全体のトレンドの中では、コロナ禍以前と比べて少しでも増やしたというだけで一つのニュースかもしれません。駅開業時の日経の記事によると、開発完了時には年間650万人が訪問する見込みで、そのうち鉄道利用者は64万9000人。日に直すと1800人弱ですね(乗降人員だと3600人弱。日経の記事に秩父鉄道で3位になるとあり、現在3位の羽生は3000人超)。地方鉄道としては結構なインパクトです。実際のところどうなるのか注目したいですね。一方で、熊谷−寄居間以外の区間は減便が続くか、もしくはさらなる減便になりそうです。
(秩父鉄道)
https://www.chichibu-railway.co.jp/assets/newsrelease/20220913_kaisei.pdf
(秩父鉄道・2019年3月時点の時刻表)
https://www.chichibu-railway.co.jp/train/ttable/file2018/a3.pdf
(日経新聞・2018年の駅開業時)
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO17670160U7A610C1L72000/
この情報は、ライジングさん、サマンサさん、ななさん、京浜東北線利用歴45年さんからいただきました。ありがとうございました。
タグ:秩父鉄道
2022年09月09日
[京成][JR東日本]成田空港付近の複線化、スカイライナー200km/h化など提言。運輸総研
運輸総合研究所は2022年7月、成田空港の鉄道アクセス改善に向けての提言を発表した。有識者を集めた会議を開いて検討したもので、京成やJRの複線化、長編成化、速度向上などの根本策をまとめた。
成田空港では、新滑走路の整備などで飛行機の着発回数の大幅増加(年間30→50万回)が予定されている。2019年度に国交省が実施した予測では、年間50万回到達後の2045年には、京成スカイライナーもNEXもピーク時には定員を超える需要が見込まれるほか、京成本線は一部時間帯に混雑率200%に達するとしている(2019年度当時と同じ輸送力だと仮定)。今回の提言では、コロナの影響を考慮して一定の遅れが見込まれるものの、いずれこのレベルの輸送力不足が顕在化するとして、根本的な対策が必要だとした。
輸送力増強■「まず長編成化」、複線化は4案を提示
輸送力増強としてまず挙げたのが、長編成化と本数増加。スカイライナーは9両(現行8両)、NEXは最大15両(現行12両)にできると指摘している(NEXについては対応した留置設備が必要)。
しかし、本数増加については、現在の設備のままでは難しいとした。
その根本的な対策として挙げたのが、成田空港付近の京成とJRの複線化だ。現在は一部を除いていずれも単線。提言では、複線化を4案検討し、それぞれの概算工事費を算出している。4案のうちもっとも安いのは、南側に京成のみ線増(JRは単線のまま)する案で700〜900億円。高いのは北側に京成とJRのどちらも線増する案で1000〜1400億円だとしている。ただし、都心側の増発余地の確保も必要だとして、京成については押上線の活用を挙げている。
施設整備には時間がかかることから、成田空港会社が中心となって、鉄道会社、自治体、国などと検討を進めることを期待するとしている。
利便性向上■スカイライナーの200km/h化「長期的視点で」
さらに、求められる鉄道サービスとして、所要時間の短縮を挙げ、都心と空港を20分台で結ぶことが望まれるとした。特にスカイライナーには高速化の余地があるとして、現行の130キロ区間を160キロ区間に上げるほか、長期的な視点で最高時速200キロ化の検討を開始することを提案している。また、駅設備面では、京成本線の二重改札の解消のため、ホーム増設を挙げている。
そのほか、羽田と比較して所要時間差の少ない首都圏北部のアクセス向上が望まれるとして、大宮などの主要駅との直通列車の新設を提案している。また、千葉県内の需要増加をはかるため、千葉−成田空港間の増発が望まれるとしている。
ここから私見です。情報提供からだいぶ遅くなりましてすみません(こちらにコメントをいただいています)。実現性はわかりませんが、遠い将来を見据えた提言として、「時速200キロ」「JRと京成どちらも複線化」などの壮大な話は趣味的にも興味深く、記事にしてみました。もともとは、成田スカイアクセスが、成田空港のアクセス向上の起爆剤だったわけです。京成も計画通りスカイライナー20分間隔化を果たしたのですが、ご存知の通りいまはコロナ禍で厳しい状況です。NHKの取材に対して成田空港会社は「国と協議しながら検討を進めたい」と回答しているそうですが、今後これに国がどう関わっていくのかは、国交省がポストコロナをどう捉えているかということにもつながりそうです。
(運輸総合研究所)
https://www.jttri.or.jp/research/narita_access.pdf
(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220822/k10013781811000.html
この情報は、えびすこさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
成田空港では、新滑走路の整備などで飛行機の着発回数の大幅増加(年間30→50万回)が予定されている。2019年度に国交省が実施した予測では、年間50万回到達後の2045年には、京成スカイライナーもNEXもピーク時には定員を超える需要が見込まれるほか、京成本線は一部時間帯に混雑率200%に達するとしている(2019年度当時と同じ輸送力だと仮定)。今回の提言では、コロナの影響を考慮して一定の遅れが見込まれるものの、いずれこのレベルの輸送力不足が顕在化するとして、根本的な対策が必要だとした。
輸送力増強■「まず長編成化」、複線化は4案を提示
輸送力増強としてまず挙げたのが、長編成化と本数増加。スカイライナーは9両(現行8両)、NEXは最大15両(現行12両)にできると指摘している(NEXについては対応した留置設備が必要)。
しかし、本数増加については、現在の設備のままでは難しいとした。
その根本的な対策として挙げたのが、成田空港付近の京成とJRの複線化だ。現在は一部を除いていずれも単線。提言では、複線化を4案検討し、それぞれの概算工事費を算出している。4案のうちもっとも安いのは、南側に京成のみ線増(JRは単線のまま)する案で700〜900億円。高いのは北側に京成とJRのどちらも線増する案で1000〜1400億円だとしている。ただし、都心側の増発余地の確保も必要だとして、京成については押上線の活用を挙げている。
施設整備には時間がかかることから、成田空港会社が中心となって、鉄道会社、自治体、国などと検討を進めることを期待するとしている。
利便性向上■スカイライナーの200km/h化「長期的視点で」
さらに、求められる鉄道サービスとして、所要時間の短縮を挙げ、都心と空港を20分台で結ぶことが望まれるとした。特にスカイライナーには高速化の余地があるとして、現行の130キロ区間を160キロ区間に上げるほか、長期的な視点で最高時速200キロ化の検討を開始することを提案している。また、駅設備面では、京成本線の二重改札の解消のため、ホーム増設を挙げている。
そのほか、羽田と比較して所要時間差の少ない首都圏北部のアクセス向上が望まれるとして、大宮などの主要駅との直通列車の新設を提案している。また、千葉県内の需要増加をはかるため、千葉−成田空港間の増発が望まれるとしている。
ここから私見です。情報提供からだいぶ遅くなりましてすみません(こちらにコメントをいただいています)。実現性はわかりませんが、遠い将来を見据えた提言として、「時速200キロ」「JRと京成どちらも複線化」などの壮大な話は趣味的にも興味深く、記事にしてみました。もともとは、成田スカイアクセスが、成田空港のアクセス向上の起爆剤だったわけです。京成も計画通りスカイライナー20分間隔化を果たしたのですが、ご存知の通りいまはコロナ禍で厳しい状況です。NHKの取材に対して成田空港会社は「国と協議しながら検討を進めたい」と回答しているそうですが、今後これに国がどう関わっていくのかは、国交省がポストコロナをどう捉えているかということにもつながりそうです。
(運輸総合研究所)
https://www.jttri.or.jp/research/narita_access.pdf
(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220822/k10013781811000.html
この情報は、えびすこさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。