震災から2ヶ月以上が経ちましたが、多くの私鉄が、東京電力からの節電要請により、本数を減らした減量特別ダイヤでの運行をおこなっています。5/28時点での状況をまとめました。
通常よりも大きく本数を減らしている区間もあれば、ほぼ通常通りの区間もあります。各社とも、本来提供できるだけの人員、設備などがありながら、電力使用量を抑えるために、運行を削らなければならないという状況の中で、苦渋の選択を強いられているのでしょう。
■京浜急行
5/9から、通常ダイヤのうち、日中の京急川崎−金沢文庫間の各停(毎時3本)を運休にしたダイヤを実施。同区間の各停は、毎時6本となっている。
同区間は2010年5月のダイヤ改正で、日中毎時12本から9本に減ったばかり。
http://www.keikyu.co.jp/company/news/2011/detail/003345.html
■東急
平日日中と土休日の運転本数を通常の8割に抑えたダイヤを実施。各線の変更は以下の通り。
東横線は、日中の特急毎時4本のうち2本が運休。日比谷線直通列車(毎時2本)も運休。
田園都市線は、日中の急行毎時4本のうち2本が運休。ただし、5/23から、運休となっていたスジに、長津田−大井町間の急行の運転を開始。各駅停車は毎時2本が長津田発着に変更され、長津田−中央林間間は運休。
大井町線は、各停は全列車二子玉川発着に変更(二子玉川−溝の口間は運休)。毎時4本の急行は5/22まで運休だったが、5/23から毎時2本のみ復活。溝の口ではなく、田園都市線まで直通して長津田まで運転される。
目黒線は、毎時4本の急行は運休。一方で、各停は通常時の毎時8本から2本増の10本となっている。急行通過駅では減量ダイヤのほうが本数が増える逆転現象が起きている。
多摩川線は、毎時8本で、通常より2本減。
池上線は、毎時8本で、通常より2本減。
世田谷線は、6分間隔のところを7分間隔に。
http://www.tokyu.co.jp/railway/railway/mid/oshirase/oshirase110313-2.html
■小田急
4/29から、通常ダイヤから、日中の多摩急行と千代田線直通準急のみを運休とするダイヤで運転。
多摩急行の運休によって、成城学園前や登戸では、急行系列車は毎時6本から4本になり、優等が20分近く来ない場面もある。
ロマンスカーは、平日の5本が運休。
現在のダイヤは、6/30まではそれを継続の方針。
http://www.odakyu.jp/support/201105171427416275b432.pdf
■京王
4/16から、通常ダイヤを基本とした一部減量ダイヤに。
相模原線は、日中の急行が調布以西で各駅停車化。代わりに、調布−橋本間の区間各停を運休させて、単純な毎時6本となっている。
競馬場線は、平日11時以降終電まで、40分間隔(通常は20分間隔)。
井の頭線は、平日の12〜14時頃に急行の運転を取りやめ。その境となる12時台には下り永福町行き急行、14時台には永福町始発上り急行が運転されている。
http://www.keio.co.jp/news/update/announce/nr110428v03/index.html
■相鉄
日中の快速(毎時ほぼ3本)を運休。代わりに大和発着の各停(毎時ほぼ3本)を、湘南台発着に変更。二俣川−大和間は毎時ほぼ3本減となる。
※「ほぼ3本」というのは、ご存じの通り21分パターンのためです。
http://www.sotetsu.co.jp/news_release/archives/PDF/110325_01.pdf
■西武
平日・土休日ともに、日中の運転本数を減らしたダイヤで運転。以下は変更点。
新宿線・拝島線系統では、快速急行とレッドアロー(毎時各1本)を運休。拝島快速(毎時2本)は急行化(田無以降の各駅に停車)。代わりに、田無−玉川上水間の普通(毎時2本)は運休。新宿−玉川上水間の普通(毎時2本)も、田無発着に短縮。玉川上水での本数段差がなくなり、拝島線内は全駅で毎時4本。国分寺−本川越間の普通(毎時1本)は運休。国分寺線では、毎時6本のうち2本が運休。
池袋線系統では、快速急行(毎時1本)が急行化(所沢以降の各駅に停車)。代わりに、飯能発着の準急(毎時1本)が小手指発着に短縮。地下鉄直通列車で西武線内で優等となる列車(快速・準急、毎時各2本)が運休。代わりに、清瀬発着の普通が小手指発着まで延長。池袋駅と所沢駅の発着本数にはほぼ変化がないが、種別は変更されている。また、地下鉄直通列車は、有楽町線・副都心線がそれぞれ毎時2本ずつと完全に半減。
秩父線、狭山線、豊島線では通常とほぼ同じ。
http://www.seibu-group.co.jp/railways/news/information/__icsFiles/afieldfile/2011/04/13/20110413oshirase.pdf
■東武
公式サイトに情報なし。
ほぼ通常通りといっていいのでしょうか。
■つくばエクスプレス
平日の日中について、運転本数を減らしたダイヤで運転。快速(毎時2本)が運休している。
土休日については、4/21から通常ダイヤに。
http://www.mir.co.jp/apology/topics_detail.php?topics_id=767
■京成
平日の日中、および土休日について、運転本数を減らしたダイヤで運転。
本線・押上線は、京成上野−京成津田沼間の普通(毎時3本)の半数を運休。このため、普通のみ停車の駅では、都内でも毎時4〜5本となり、20分間隔があく場合もある。このほか、京成上野−うすい間の普通(毎時3本)の半数を、大和田発着に短縮。
千葉線では、京成津田沼−千葉中央間の普通毎時3本のうち2本が運休。そのため、同区間は毎時4本(10〜20分間隔)。新京成との直通は行っていない。
http://www.keisei.co.jp/keisei/kouhou/news/23-004f.html
■北総
4/4からほぼ通常ダイヤ。ただし、平日夕方ラッシュ時については、下り急行1本と上り普通1本が運休。さらに上下各2本が、新鎌ヶ谷−印西牧の原間の運転を休止(新鎌ヶ谷発着に変更)している。
日中は毎時3本で、すべて浅草線直通のため削りづらく、代わりにラッシュ時の削減となったのでしょうか。
http://www.hokuso-railway.co.jp/topics/2011/016/index.htm
■新京成
日中の本数を減らした減量ダイヤ。
通常は全区間で、毎時6本(10分間隔)のところ、全区間運転を20分ごと、松戸−新津田沼間を40分ごとの運転。同区間は毎時4〜5本、新津田沼〜京成津田沼間は毎時3本。京成千葉線との直通は行っていない。
http://www.shinkeisei.co.jp/pickup/index.html?special_id=52
■東京メトロ
各線とも、おおむね、平日日中と土休日の日中・夜間について、本数を減らした特別ダイヤで運転。以下は変更点。
銀座線 日中は通常3分間隔のところを、4分間隔で運転。
丸ノ内線 日中は通常4分間隔のところ、5分間隔で運転。新宿以西は、毎時10本から1本減便して9本の運転。
日比谷線 日中は通常毎時12本(5分間隔)のところ、2本減らして10本の運転。運転間隔にはばらつきがある。東急との直通列車(毎時2本)分が運休して、前後の列車の間隔を調整している。
東西線 日中および土休日は、快速(毎時4本)がすべて運休。各停のみ毎時8本で運転。JR中央・総武線や東葉高速線との直通は継続。
千代田線 日中は通常毎時10本(6分間隔)のところ、2本減らして8本(7〜8分間隔)に。小田急線との直通(毎時2本)は運休。JR常磐線への直通列車はこれまで12分間隔だったが、常磐線方向のみ北千住駅で時間調整を行っている。
有楽町線 日中は通常毎時10本(6分間隔)のところ、2本減らして8本(7〜8分間隔)に。東武、西武との直通はいずれも毎時4本から2本に。
副都心線 日中および土休日は、急行(毎時4本)がすべて運休。各停も毎時8本のうち4本は、池袋−渋谷間のみの運転となる。池袋−小竹向原間は毎時4本のみで、通常時の毎時12本(急行含む)と比べて3分の1という大減量ぶり。有楽町線との
半蔵門線 日中は通常毎時12本(5分間隔)のところ、2本減らして10本の運転。東武の直通列車は東武側では10分間隔のため、列車によって押上にて時間調整が生じている。
南北線 日中は通常毎時10本(6分間隔)のところ、2本減らして8本(7〜8間隔)に。埼玉高速鉄道が本数をさらに絞り込んでいるため、赤羽岩淵折り返しもある。
http://www.tokyometro.jp/information/20110514/index.html
■都営地下鉄
各線とも、平日日中と土休日について、本数を8割程度減らした特別ダイヤで運転。以下は変更点。
浅草線 西馬込−泉岳寺間の区間列車の半数(毎時3本分)が運休となり、同区間の本数が通常時の毎時9本から6本と減っている。
三田線 通常のダイヤから、一部列車を間引いて運休にしたダイヤ。日中は、通常時は6分間隔の毎時10本だが、間引き運休があると、そこだけ12分間隔になる。おおむね毎時7〜9本程度。平日の夜間にも間引き運休がある。
新宿線 日中の急行はごくごく一部を除いて運休。各停は毎時9本で変わらず。わずかに残る急行は、平日の10時台に上り1本、下り3本(大島止まり)、15〜16時台に上り4本(大島始発)、下り3本。
大江戸線 通常のダイヤから、一部列車を間引いて運休にしたダイヤ。日中は、通常時は6〜7分間隔で、毎時9〜10本だが、間引き運休があると、そこだけ間隔が空いて、おおむね毎時7〜8本程度。平日の夜間にも間引き運休がある。
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/brownout_timetable.html
■横浜市営地下鉄
ブルーライン、グリーンラインともに平日は特別ダイヤ。
ブルーラインは日中、通常は毎時8本のところ、2本減便で毎時6本(10分間隔)。
ここからご挨拶。2ヶ月ほど、更新が滞っておりました。その間、いろんな情報をお寄せいただきましてありがとうございます。これから、少しずつ記事として取り上げていきたいと思います。
2011年05月30日
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両者とも接続駅での乗り換えが容易で、小田急はもともと乗り入れに消極的、東横は副都心線開業にむけて日比谷線乗り入れはやめたいところ
節電を好機として乗り入れ中止による乗客の反応を見ているような気がします
もちろん推測でしかありませんが
震災の影響で、計画当初よりも減便されたりして…。
西武との兼ね合いから、西武池袋線内は各停なんて事はないと思うけど…。
関西でも今後節電の要請が出てくると
節電ダイヤが各社で実施されるかもしれません。
すでに大阪市営地下鉄が導入を検討しているそうです。
西武との兼ね合いから、西武池袋線内は快速で運行する、というパターンは固定されるが…。
震災の影響で、計画当初よりも特急・急行の本数は減便されるんだろうね。
朝ラッシュ時の区間急行で車両の両数を10両から8両や6両に減らして運転しています。(そのため当該列車は激しく混雑しています)
また、日中の区間準急の行き先が久喜行きから東武動物公園行きに短縮して運転しています。
それ以外には日中の運行本数に特に変わりは無いようです。(一部の優等列車は除いて)
それ以外には詳しくわかりません。
突然で申し訳ないです。
情報整理ありがとうございました、またよろしくお願いいたします。
東上線については平日日中と土休日終日、地下鉄直通が毎時2本(川越市)にまで減らされています。このため和光市〜志木間で-5本/h、志木〜川越市間で-3本/hです。
自宅最寄り駅のみずほ台が日中8本/hから5本/hになり、この区間だけ妙にとばっちりを食っています・・・
本線系統はさっぱりわかりません。大部分を占める地下鉄直通がほぼ平常どおり(メトロwebサイトより)なので、あまり変化はないのかもしれません。
朝の通勤急行は両数は減っても本数に変化はありません。
正直なところ、小田急や東急に比してもともと本数が多く空いているのに、東武だけこんなに電車を走らせて良いの?と思うほどです。
西武線⇔副都心線は日中15分に1本になっています。
東急⇔副都心線の工事ですが、節電などの影響が出て工期が延長にならないとよいのですが・・・
東急と言えば、相鉄との直通運転の計画があります。
これにも影響が出て来そうな気がします
JR東日本との兼ね合いで・・・
東北地方の路線復旧工事の経費が巨額に膨らむ見込みの為、中長期での投資計画の見直しが言及されています。
その為、相鉄・JR連絡線の建設が凍結される可能性があります。
その影響で、相鉄・東急連絡線も・・・、という可能性があるかもしれません。
現在の日中では、渋谷から副都心線池袋以遠に行く便と池袋折り返し便が7分30秒間隔で交互に出ています。
その為、渋谷→池袋以遠は15分に1本と郊外路線並みの水準になってしまっています。
蛇足ですが、りんかい線の日中は12時台が最小本数で1時間当り4本です。
埼京線直通の毎時3本に大崎折り返しが1本でした。
その為、先日は天王洲アイルで約15分程待ちぼうけ・・・
京急については、川崎−文庫間の普通が1時間に6本に減便されたのは節電のため仕方ないことだと思いますが、一部の駅で17分間隔が空くところがあります。
これはもともと一部の駅で品川行きの間隔が3分−17分になっているためなのですが、震災の問題に関係なく是正した方がいいのではという印象です。たいした問題ではないかもしれないですが。
東横線については、特急が抜けている直後の急行は大変混雑して危険です。そのためか、土休日のみ特急が1時間に4本に戻るようです(始発も繰り上げ)。
http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/news/110530.html
今のところ減便ダイヤでもうまく回っているような気もしますが、3月4月は輸送実績が大幅に減っていますので(私が見ているのは横浜市の統計だけですが)、減便された分、乗る人も減っているということですね。いずれにしても早い電力回復を祈ってます。
例えば、目黒線は1h8本で、南北線も三田線も8本運転すればスッキリするのに、イビツなダイヤで、接続も悪い。目黒線は武蔵小杉−浦和美園・西高島平を交互に運転し、白金高輪−高島平・王子神谷・赤羽岩淵とすれば、白金高輪や武蔵小杉での接続も良くなる。
京王にしても急行運転は笹塚−調布だけで、これを急行表示では詐欺同然で、これはすぐにでも通勤快速と変更してもらいたい。
減便自体悪くないし、仕方ないが、回送こそ無くして貰いたい。工場入場でも、その手前までは営業運転可能で、試運転も必要最低限でいい。
通勤タイム以外の東京メトロ副都心線は…ひどい!と思います。
(1)土休日の急行全廃はひどい!(…そもそもそれで足りると東京メトロが考えるならば、これまでの急行の設定自体が判断ミスだったのでは…)
(2)渋谷―池袋折り返しはひどい!(…15分間隔は東武東上線の川越市以遠並み…仕方なく有楽町線で池袋まで行って、副都心線の大深度駅ホームまで必死に走って乗り換えることも……)
(1)(2)のせいで東武線との接続も混乱状態となって場合により都心まで30分近く余計にかかる場合も…ひどい!ひどすぎる!
AE100 系の延命措置としては、3ドア・ロングシートに改造して、
京成上野〜成田スカイアクセス経由〜成田空港→アクセス特急
京成上野〜京成本線経由〜成田空港→快速特急
に充当すればどうだろうか…?
都営浅草線・京急線に入線する事は想定せずに、自社線内に限定すれば、デビューしてから20年と年数的にはまだ使えると思います。
たとえば京急なら、新逗子発着のエアポート急行と川崎発着の普通を削減し、普通をきっちり10分間隔で運転、空港線内はエアポート快特を時刻変更して空港線内各駅に止めて本数を確保するとか。
たとえば小田急なら、区間準急を急行または新宿発着の多摩急行(多摩線内各停でいいかも)に置き換え、(下りの場合)区間準急のあとの各停を経堂でなく成城学園前での急行連絡に変更して、急行・各停をそれぞれ10分間隔で運転するとか。
通常ダイヤですか。節電への協力ゼロですね(笑)ダイヤ以外の面では協力されているとは思いますが。
相鉄は以前に節電ダイヤを利用しましたが、とんでもなく混んでいましたので、「やはりな」という感じです。日中に快速をカットするのはしょうがないのですが、21分ダイヤのままなので、12分空く方の急行がぎゅうぎゅうなのです。快速をカットするならせめて10分間隔で急行・各停にすればいいのに……と思いますが、間引きするのではなくダイヤを作りかえちゃうのって難しいのでしょうね。
路線として役割を放棄しているに等しいです。
7000系でしかも初期の車両を使用している。
無駄を感じますし、後期大窓車を改造した方が安く、8両編成こそ10000系にするのが良かったかと思います。無理してワンマン運転することは無かったと思います。
電力の供給状況によって急な変更の可能性がある節電ダイヤは掲載できなかったのだと思いますが、売り上げはだいぶ落ちてしまうかもしれませんね。
私鉄はおおむね2割の減数運転ですね。特急の運転を中断している路線もありますね。まだ地震から日が浅いので見通しがどうなるかわかりませんが、電力供給体制が改善しても「減便体制」を長く続けると、反対に「是正しなさい」と言う行政勧告が国土交通省から出る可能性もありますね。
それを前提としたダイヤを作ったほうが良いのでは。。。
その中で、電力需給で問題がありそうなときはこの電車を運休します、
としたほうが混乱が少なくなるのではないでしょうか。
その為、相鉄・JR連絡線の建設が凍結される可能性があります。
東北のローカル線なんてもともと赤字なんだし、これを機に廃止すればいいのに。あんな田舎のために東京が被害を受けるのは納得がいきませんね。
いっそ京成はこれを機に、思い切って「シティーライナー」を廃止したらいいのでは?地震前から「無駄な運行」と感じておりました。シティーライナーをなくすと日中の通過待ちが完全に消滅しますしね。
土休日の急行運転が復活していました…(昨日12(日)確認)。
実は、副都心線に見切りをつけて東武東上線の池袋までの回数券を買ってしまいました…ところが昨日、和光市駅で隣のホームに「急行・渋谷行き」が…
(「急行」のLED表示(赤色)が以前よりギラギラしていたような…気のせい!?)
頑張れ副都心線!(…って随分と日和見ですが)
http://www.tokyometro.jp/information/20110611/index.html?width=870&height=650