2011年9月の電力使用制限令終了後、首都圏各社の多くは、従来のダイヤに戻す方針だが、京王、東武、京急、京成の4社は、従来のダイヤには戻さず、一部列車・路線で、節電のための減量を続けると発表した。
京王電鉄井の頭線は、9/23以降も、平日は制限令発令中の減便ダイヤのままとする。震災以前の通常ダイヤは、1時間ごとに急行5本、各停10本の計15本。しかし、特別ダイヤでは急行・各停ともに10分間隔のそれぞれ6本、計12本で、減便となっていた。制限令終了後も、このダイヤとする。従来は、土曜日と休日のダイヤが分かれていたが、特別ダイヤと同様、土休日ダイヤとして一本化する。土休日の日中は、急行・各停ともに7分30秒間隔でそれぞれ8本、計16本として、従来ダイヤよりも本数を増やす。
京王線は、9/12〜9/22については、高幡不動以西が各駅停車となっていた準特急、相模原線内が各駅停車となっていた急行を通常運転に戻す。9/23以降は、ほぼ通常ダイヤに戻る。ただし、7月に増発した平日早朝の上り準特急の本数(4本)は維持する。
京浜急行電鉄は、9/23から、現在の節電特別ダイヤをもとに、日中の運行パターンを変更したダイヤで運行する。従来ダイヤでは、京急川崎−金沢文庫間は毎時9本の普通が運転されていたが、節電ダイヤでは6本(10分毎)となっていた。新ダイヤでは、上り普通の南太田でのエアポート急行待避をなくす。下りエアポート急行は、上大岡での快特待避がなくなる。これらは普通が9本という前提で組まれた待避駅で、これがなくなるということは、普通が節電ダイヤのまま毎時6本に固定されるとみられる。
東武鉄道は9/12から、多くの区間で減便をとりやめて通常に戻すが、平日日中の久喜発着の区間準急は、東武動物公園発着への短縮を続ける。また、日光線の新栃木−南栗橋間の間引きも継続する、と発表した。
京成電鉄は、9/10から、これまで土休日も含めて間引きをしてきた減便ダイヤを、ほぼ通常通りに戻すと発表した。スカイライナーは全便運転再開するが、京成本線経由のシティライナーについては、復活は2往復のみにとどめ、それ以外は運休のままだ。
都営地下鉄は、新宿線は9/23から、それ以外の路線は9/12から平常ダイヤに戻す。
ここから私見。
夏の節電に協力するため、「不便を甘受」した地元利用者からすると、節電の必要がなくなったのに減便がそのままという事態には、なかなか納得がいかないかもしれませんね。首都圏では「今冬は制限令不要」という経産相の見解も発表される中、「今後も電力事情は厳しいので」と減便を続ける理由を挙げる鉄道会社には疑問もあります。堂々と「お客様動向に鑑み」といった理由を挙げればいいのに、と思ってしまいます。
個別のことはポジティブな面を挙げましょう。井の頭線は、節電ダイヤでも、劇的な変化を躊躇なくおこなっていて、春には急行をとりやめ、夏になると逆に各停を減らして緩急比を1:1にしていました。そして、そのままそれを本ダイヤに取り入れてしまったというところなのでしょう。減便となった駅から苦情が来そうですが、全体としては10分間隔のほうがわかりやすく、京王線とのパターンとも合ういうポジティブな評価もあったのだと思います。
京急は、横浜市内区間の普通を毎時6本にまで減便しています。1年前まで毎時12本あった区間ですから大きな変化です。ただ、急行含めて9本というのは、99年以前の水準に戻ったともいえます。
京成の社長は、震災以前もシティライナーの廃止・減便に言及していたので、「これを機に」というところなのでしょうね。
この情報は、コメント欄にて、北西風さん、Tさん、ひろっぴさんほかからいただきました。ありがとうございました。
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私の京成シティーライナーの活性化案
Excerpt: 東日本大地震以降運休していた京成のシティーライナーが運転再開したのですね。 とは
Weblog: スタヤーチ 激穏・硬軟・甘辛ブログ
Tracked: 2011-09-11 15:35
時刻表を見ないと、本当のところはわかりそうにありません。
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ホームページ等への掲出は、
9月12日〜22日の使用ダイヤ:9月8日頃
9月23日以降の使用ダイヤ:9月16日頃
を予定しております。
空港直通の電車に取って代わる可能性が高いでしょうから、
速度アップを口実に前倒しで普通車減らしちゃえ、
これでコスト削減できるぞ嬉しいなって感じなんですかね。
改正でエア急含む優等←→普通の乗り換えが便利になってるのを期待したいですね。
様子見で、1日2往復に限定されますが、利用者が少なく“空気輸送”なるのなら、停車駅の見直しや指定料金の値下げ等の工夫が必要になりますね。
停車駅を変えるのなら、
京成上野→日暮里→京成船橋→勝田台→空港第2ビル→成田空港が妥当ですね。
その代りで特急や快速に変更すればいいのです。
余談ですけど、東京電力が地震前の時点で電気料金を水増ししていたと言う報道。あれを見ると「電気料金の値上げ」は、果たして妥当なのかと疑います。
http://www.keikyu.co.jp/company/news/2011/detail/003494.html
南太田での通過待ちを行わないのは「時間短縮の一例」と書いてあり、全部の日中の普通車が南太田で通過待ちをしないとまでは書いていない気がします。毎時9本ですと南太田での通過待ちは必須になりますが、エアポート急行に関係のない方の普通車は南太田で通過待ちするかもしれません。
個人的には、混雑する(エアポート急行によって補完されない)方の普通車を6両で運転してもらえるなら、10分間隔でもいいような気がします。4両だと高校生や行楽客(競馬客ですけど)が押しかけたときにぎゅうぎゅう詰めになる場合もあるからです。たった2両の違いですが、言い方を変えれば混雑度が5割増しですからね。
あと普通車を減便するなら、さすがにそう明確に書かないとまずいような気も……。
私の読み違いでしたらすみません。いずれにせよ、時刻表の早い発表が待たれます。
昼間に乗客の少ない平日は本線との乗り換えを優先に、土休日は多くの乗客を捌くべく増便と、実態にあったダイヤになっていますね
合わせて増発なのと、減便は違うのに。
成田に対して2ルートの優等列車を用意するほどのことはないし(複数経路という意味ではすでにN'EXがあり、京成の中で設定しなくても良いと思う)、いっそ千葉に向けたら良いような気がするんですけどね〜〜。
千葉線がアレですからどうしても時間はかかりますけれども、総武快速のグリーン車より安い料金にしておけば、利用者はけっこうあると思うんですが……
だけど、今のシティライナーは魅力がなく、改善すべき点はいろいろあるように思えます。例えば、八千代台や佐倉でも客を拾うとか、もう少しスピードアップするとか、料金を下げるとか。
http://stoyachi.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-a8b6.html
節電ダイヤが解除されたからとはいえ、昼間の各停、特に西武・小田急は10〜8両編成では需要過多だと思うね。
朝ラッシュならともかく、昼間は各停を6両に減車して、電力消費量や乗客の動向をリサーチしたらどうだろうか?
参考までに、京成津田沼駅の下り列車の時刻表です(平日の7・8時台に注目)。
http://www.keisei.co.jp/keisei/tetudou/time_ex/pdf/1/1127_01.pdf
>1年前まで毎時12本あった区間ですから大きな変化です。
>急行含めて9本というのは、99年以前の水準に戻ったともいえます。
と書いてあるとおり、そもそも普通が最高12本あったのは、急行全廃に対する救済処置。
急行がエアポート急行と名を買えて復活した以上、6本に戻すのは当然。
今まで過剰な便利さを享受していただけ。
ラッシュ時は人の積み残しという観点である程度の本数が比喩陽なのは理解するが、
そうでないときに10分もしないうちに電車が来るということが
本当に必要なのか、胸に手を当てて考えるべき。
ユーザーは、たかだか数百円払っただけで殿様面するのは止めなさい!
>堂々と「お客様動向に鑑み」といった理由を挙げればいいのに、と思ってしまいます。
私も管理人さんとまったく同意見です。こっそりなんとなく減便するというのはどうかと……。事なかれ主義なのでしょうか。きちんと説明の上、減便すればいいのにと思います。
>そうでないときに10分もしないうちに電車が来るということが本当に必要なのか、
京急、1時間に12本というのは明らかに過剰でした。5分間隔で4両+4両と来るならば10分間隔で6両でも十分ですし、特に横浜−川崎間は1車両に数人しか乗っていないようなこともよくありましたので(日中)。運転士の人件費も無駄ですし。
ただ、分数の問題ではなく10分に1本で純粋に輸送力が足りるのかという問題はあると思います。私個人の感覚としては一般的に10分間隔で電車が来れば十分ですが、たとえば山手線で10分に1本では明らかに輸送力が足りません。
京急の場合、4両ですと車体が72mしかなく、客席のない部分も考えるとJRの3両分ちょっとしかありません。10分も空いて「3両」では、いざというときにさすがにさばききれない場合もあります。私自身も経験がありますが、生麦(だったかな?)あたりで帰宅中の高校生が集中して乗り切れなかったり、日ノ出町で積み残しを見ることもあります(4両で、多少電車が遅れたときなど)。
そうならないよう多少の余裕を持たせておくことは利用者の危険を避けるために行うべきもので、別にユーザーが「殿様面」をしているわけではないと思います。10分間隔でもいいのですが「普通車はとにかく6両!」が私の個人的意見です。4両ですと横浜駅で乗客がホームを走ったりするのもまた危険要素です。
ただ、本数維持に対する見解は、↑の方(9月15日03:36)と同感です。私も90分の朝夕通勤+日中の外回りを業務で行っておりますが、時刻をしっかり検索すればそこまで不便ではなかった、というのが節電ダイヤ実施期間の感想です。
何も調べなくてもすぐに電車が来る、というのは素晴らしく便利ではありましたが、そういう電力の需要過剰+交通サービスへの過剰な期待が3.11の東京の大混乱を起こした一因なのですから、一概に通常ダイヤに戻すというのも考え物です。
一連の節電は、我々ユーザーにとってもいろいろ考えさせられる機会となったと思っていたのですが、ちょっと残念です。
日中でも2〜3分間隔で運行するから、11両固定では需要過多だと思うので、日中は7両或いは8両固定にすれば、電力も削減出来るのでは…?
他社は増結用として2両も存在するから、山手線も7両或いは8両で、電力消費量を検証してはどうだろうか。
>ラッシュ時は人の積み残しという観点である程度の本数が比喩陽なのは理解するが、
>そうでないときに10分もしないうちに電車が来るということが
>本当に必要なのか、胸に手を当てて考えるべき。
え……それだと「人の積み残しが発生しない程度の本数」があれば十分ということになってしまうのでは。一日中満員電車(但し積み残しだけは発生しない)でも文句言ってはいけないということでしょうか……
<京急> 変更前が「4両&6両編成の普通が12本」では、急行全廃の救済処置にしては本数が多過ぎましたね。他の投稿通りで『6両編成だけで普通を6本運行』すれば十分だと思います!
エアポート急行は所要時間が長く不評でしたから、時間短縮は評価すべきでは?
快特の泉岳寺折り返しが増えたのは便利になって良いですね、浅草線に直通迄しなくとも同じホームにて乗り移りで済むのは楽です!
<京成> シティーライナーを2本だけ復活とは中途半端ですね。他の投稿通りで『いっその事廃止して特急か快速を増発』するか「停車駅見直し&料金値下げ」しないとホント空気輸送と呼ばれても仕方ないでしょう!
<京王> 神奈川都民にとって「相模原線に急行復活」は待ち望んでいたと思います、いくら調布で準特急等に乗り換えると言っても全部ふつうではキビシイでしょう!
井の頭線のダイヤは変更して正解でしょう、便利になったと思います!
高校生だったら、もっと勉強しなきゃ。
山手線のように本数が多いところでは、あまり意味がないと思います。
11両が6分毎でも(1時間110両)、7両が4分毎でも(1時間105両)大差ないと思います。
間隔があく成田エクスプレスなんかなら、12両60分毎より6両30分毎のほうが利便性がよくなると思います。
蒲田の下り高架完成までは、多少の不便は仕方ないでしょうね。
蒲田に待避線ができれば、普通の快特待避駅を上下とも鮫洲、蒲田、子安、南太田か上大岡、文庫、堀ノ内にして、エアポート急行は上下とも川崎と上大岡で快特待避、南太田で普通を抜くダイヤにし、生麦などにも一部停車させるようなダイヤがいいと思います。
エアポート快特は浅草線内通過列車のみが良いと思います。余りにも種別変更されると混乱の元なので。
どのようなダイヤとなるのか今から注目すべきでしょう。
このままだと船橋駅の扱いは、MライナーやEライナーの停車駅を変えないと厳しいでしょう。
たしかに地震前に比べると、Sライナーの乗車率は一段と下がりましたね。
数が大幅に減ったのに今では平日は1割にも届かないですね。次回のダイヤ改正で消えそうか?
これにより、京成線・北総線・京急線の都営浅草線直通列車、京王線の都営新宿線直通列車、東急目黒線の都営三田線直通列車は通常運行となることが予想されます。