京成バスと東京都都市整備局は、東京臨海部で2019年から運行を開始する予定のBRT(バス高速輸送システム)の事業計画をまとめた。これまでの路線バスとは一線を画し、車内での料金収受をなくしたり、停留所の数を絞り込んだりすることで、新交通システム並みの表定速度を目指すとしている。
運行開始は2019年秋。まずは、新橋駅、勝どき、晴海三丁目、晴海二丁目、豊洲駅の5停留所(名前はすべて仮称、以下同じ)を設け、新橋−勝どき、新橋−豊洲駅の2系統で運行する。この時点では、ラッシュ時も日中も毎時6本の予定。
その後、虎ノ門バスターミナル完成後には乗り入れを開始する。2020年の五輪・パラリンピックの後は、虎ノ門・新橋−国際展示場駅の系統も新設し、東京駅や東京テレポート駅への延伸ルートも検討する。選手村跡地の再開発後にはさらに新系統を整備する。この時点では、ラッシュ時は時間あたり20本、日中は毎時12本を想定している。運行時間帯は、5時から24時台。
停留所は「駅」として設計されている。歩道をかさ上げして、バスとの段差をなくすほか、自動運転技術により、ホームと車両の隙間もなくすという。車いすもベビーカーもスムーズに乗り降り可能にする。また、券売機を設けることで、車内での料金収受をなくす予定だ。連節バスが導入される予定で、3カ所あるドアのどこからでも乗降可能とする。
停留所のおおよその位置も示されている。新橋駅はバスターミナルには入らず、汐留の日本テレビ付近。勝どきは、「豊海地区」の清澄通りと環状2号線の交差点付近に設けられる予定だ。晴海二丁目に車庫兼ターミナルが設置される。
京成バスは、千葉・幕張で連節バスを大量に保有して中量輸送を手がけており、そのノウハウが評価されて、運行事業者に選ばれた。実際の運行は、京成バスも出資する第三セクターの新会社が行うという。
ここから私見。路線バスの持つ「わかりにくさ」「使いづらさ」を払拭する画期的な計画ですね。どこまで存在感を示せるのか、楽しみです。ただ、ピーク時の時間当たり本数が当初6本、再開発後も20本というのは少なすぎやしませんかね。新橋駅周辺の道路容量に問題があるのか、それともかなりの高運賃で、遠くても既存の交通機関を使う人が多いという想定なのか。あと、都バスの臨海部での営業所新設計画や、中央区による臨海部の地下鉄新線計画との整合性も気になりますが、これは取れてないでしょうね。
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kiban/brt/
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2016/04/DATA/70q44100.pdf
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一方で、素案には走行空間や信号管制あたりの記述が殆ど無いのは気になります。
「限られた道路空間を有効に〜道路渋滞の緩和に向けて取り組みます。」の下りに、時間限定バスレーンというあまり「Rapid」にならなさそうな解が見えます。
特に、新橋バスターミナルへんは思い切って専用化して欲しいところですが・・・
また、運賃収受方式も、欧州の様な信用乗車、ジャカルタの様な改札方式どちらなのか、バスベイのイメージ図は残念ながら2台同時乗降は難しそうです。
とはいえ、最終目標5,000人/hと日本のバスでは画期的な輸送力を打ち出したのは期待したいところです。
(もっとも、5,000人/h〜10,000人/hくらいは平気で運べるのが本来のBRTですが・・・)
http://www.worldbrt.net/en/cities/param-quan.aspx?param=2
あとは、やはり地下鉄計画との整合性がとれない(むしろBRTを過小投資して、不便だから地下鉄とかなりそう・・・)のと、京成系の三セク運営となると、折角のBRTも都営バスと共用しなさそうなのが、残念なところです。
これからもっと増えるのでしょう。
BRTはオリンピック中や終了後に本数が足りるのか心配ですが。
築地大橋も大方完成していますし、乗車が楽しみです。
もともとあまり輸送力は考えてないのかもしれません。動く看板。
無人運転だと思われる。
無人じゃないなら、運転支援システムとか、AI補助運転とかって名前にしてほしい。
完全に東京都のBRT計画にのみ込まれてしまった感があります。
それとも、それ以上にインパクトがあった都心部臨海部地下鉄の影響で、消えてしまったのかな。
LRTについては新潟BRTと同じで、「将来的にLRTへと発展させていく」という感じだったかと思います。
ただ、現実的にはBRTをLRTへと変更させる意味は殆どないように感じられます。
それこそ、外国のように全長50mはあろうかという長大編成を組むならともかく(現行法では認められなかった筈です)、たとえば広島電鉄のグリーンムーバー級の車両を導入したところで、その輸送人員は150名程度と、海浜幕張の連節バスの130名弱とそう大して変わらないのです。
もし輸送人員が増加したのなら、その時は連節バスの割合を増やすかそれに統一するかで、輸送力増強は当面かなってしまいます。
そしてその頃には、バス専用レーンの設置によりかなりの定時運行も実現しているかと思いますので、それをわざわざLRT用の併用軌道に作り直す手間というのも、そう意義があるようにも思えないのが正直なところです。
正直オリンピックありきで計画が動いているのに…
都知事の政治資金問題。
オリンピック承知の裏金疑惑。
「おもてなし」が裏金で「表無し」などと洒落では済まない。
計画が速やかに進む事を望みます。
誤・オリンピック承知
正・オリンピック招致
勉強しなおします。
都知事が変わることによって「いらん口出し」によって、交通政策が変わるかもしれません。
東京都が中心で進むBRT計画、東京都が反対している都心直結線構想等。
過去では
都営地下鉄の線名公募の際、都知事の「環状線じゃない」の一言で、公募が覆り線名を決めた元都知事。
九段下駅の半蔵門線と都営新宿線の間にある壁を「バカの壁」と称し、撤去させたのは良いが、辞任の際「お前がバカ」とまで呆れられた前都知事。
他県を見ると
東海道新幹線南びわ湖駅工事を「もったいない」の一言で中止させた前滋賀県知事。
九州新幹線が開業して熊本県や鹿児島県が発展しているのを目の当たりにしながら、先の全く見えないフリーゲージトレインに固執し、さらに長崎県や自県自治体からも「全線フル規格を」との声があがっているにも関わらず「(フリーゲージトレインは)頭にない」と言って自県の発展を妨げる現佐賀県知事。
知事って偉いんです…ね。
ちゃんと考えて発言してほしいです。
現都知事はまるでジャイアンみたいです。
「おまえ(都民)の金は俺の物。俺の金・公用車も俺の物」
誰も止めませんので辞めていただいて結構です。
新しい方には今ある計画(特に鉄道の政策(笑))を速やかに進めてくださる都知事をお待ちしております。
m(_ _)m
誤「(フリーゲージトレインは)頭にない」
正「全線フル規格は)頭にない」
失礼しました。
長大編成が認められない限りそうでしょうね。
強いて言えば、軌道緑化くらいでしょうか。
環境面も充電式電気バスや燃料電池バスも実用化しつつありますし。
取り回し用地が要らない分、LRTの方がターミナル用地や車庫用地は小さめですが、最初がBRTなら用地は確保済みですし。
高加減速(よって団子運転が得意)、法定最高速度が高い、場合によっては一般レーンも走行可能(複々線運転)といったあたりから、長大編成が認められない場合、BRTの方が輸送力は高いです。
>現行法では認められなかった筈
そういう意味では、18m連節バスも特認ですが。BRT内だけの運用でも20m車や3連車の投入は難しいでしょうね。高床ノンステップ車もダメそう。
諸外国のBRTが実現していることの中には、ひょっとすると法令で認められないこともあったりするかもしれませんね。
例えば・・・
・柵や縁石で区切ったバス専用レーン
・2車両同時の乗降扱い(バス停ポールからの逸脱又は柔軟なポール運用)
・バス専用レーンとLRT軌道の共用
・バス停ホームドアや改札の設置
どこまで認められているものなのでしょうか??
このことだけなら臨海部は何とか特区に入っていると思うので、私の半地元の京阪大津線のように60mくらいならその気になって準備すれば認められると思います。
東京臨海部のBRT構想は、いわば日本の首都中心部の交通利便性をさらに上げる事から、開通当初から大きな需要が生まれると思います。
連節バスを採用するとの事ですが、現行の基準では、全長12mを超えるものは、道路運送法に基づく国土交通省運輸局の特認措置を受ける必要があるのだそうです。また走行レーンの確保や経路の厳守も求められるようです。
さすがに特認を受けられることを前提に(もしくはその頃までに規制緩和で基準を緩くするのかもしれませんが)準備するでしょうから、あとはもしバス専用道路ではなく既存の道路を利用して専用レーンを設けるのであれば(道路事情については不勉強でわからないですが…)、新たに専用レーンで塞がれる分の一般車両等の渋滞緩和などの方策が必要に思います。
選挙の時にも薄々思ってましたが、舛添氏の性格からして交通局絡みの仕事には興味がなさそうなのが見受けられましたし、交通局に新しいことをさせるつもりはないってスタンスなんでしょうね。
前都知事も政治倫理の面で資質を問われましたが、こと交通に関する政策では、賛否両論はありつつも変化を求めていた部分で見ていて面白かったのは確かです。自分としては、メトロとの統合で目指していた先が公有民営であったという点で共感はありましたし。
まあ、ぽちさん指摘の通り「バカの壁を撤去しただけのバカ」になってしまったんですけどね。
個人的には、都市公共交通としての料金の整合性や全体的な公共交通利用の底上げを考えると、仮にこれをやるならやっぱり都営でやった方がいいんじゃないのかなぁ、と思うのですが。或いは鉄道的運行をするならば都営地下鉄などとの運賃一体化などもありでしょうが。
どんなに採算のためとはいえ、独立した運賃形態で利便性を損なうやり方はやはり疑問です。りんかい線やゆりかもめのあり方を含めて、臨海部の公共交通はもう少し都心部の交通と結束を強めてもらいたい物です。
幸い、JRが羽田絡みでりんかい線の買収を検討しだしたのは救いでしょう。でもここも、前知事がJRに引き取ってくれと打診して継続協議になったまま頓挫していた案件ではあるんですが…。
特区制度、こういうところにフルに使って欲しいですがね。
Uchio様が記事に書かれたように、
>ピーク時の時間当たり本数が当初6本、再開発後も20本というのは少なすぎやしませんかね。
というあたりからして、そもそも必要ないって予想になっちゃってますが。
BRTを本気で投資すれば、便利になるのに、不便なままにしておいて、やっぱりバスって不便でしょ、地下鉄要るでしょ。つくりましょう。って流れになりそうな予感もしますが。
>全長12mを超えるものは、道路運送法に基づく国土交通省運輸局の特認措置
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000152.html
一応例外申請方法のマニュアルも出来たりして、ハードルは下がっているようですが、特認であって面倒なことには変わりなく。
まして、20m級4扉のCitaro-GLや逆に単車ながら15mノンステップ3扉のCitaro-Lみたいなのは日本だと登場しないわけで。(欧州の旧市街は街路が広いわけでもないんですが、最小半径はそれでも少し広いんでしょうね。たぶん。)
>新たに専用レーンで塞がれる分の一般車両等の渋滞緩和などの方策
臨海部に新しくできる道路なので、そんなに心配は要らないかと。(3車線→2車線)。
それに計画書を読む限りはそもそも専用車道すら作ってもらえない、BRTもどきになりそうな気はしますが。
もっとも、LRTもですが、BRTも、渋滞する一般車を閉め出して、より高速で快適な公共交通にシフトさせるって政策目的をもって実施されている都市も多いわけではありますが・・・
http://www.transportphoto.net/photo.aspx?id=27650457&c=Dalian
こういう状態になってこそ、専用車道の快速性、快適性、大量輸送が活きるといえば、活きるわけです。
資料のご提示ありがとうございます。
なるほど画像の状況になれば確かにBRTの効果あり、といえるでしょうけれど、東京の方は、プレスの通りだとピーク時でも当初6本/h、再開発後も20本/hというのは車両定員から考えても少なすぎな印象ではあります。
>BRTを本気で投資すれば、便利になるのに、不便なままにしておいて、やっぱりバスって不便でしょ、地下鉄要るでしょ。つくりましょう。って流れになりそうな
そういえば以前中央区による地下鉄構想があるという記事を拝見しましたが、地域的に被るのでしょうか。被るとすればBRTはあくまでも地下鉄の補完的役割に過ぎないという、本来理想とするBRTの役割とは離れたものになってしまうかもしれませんね。もしくは地下鉄開業までの繋ぎとか…。
今回の臨海部BRTは、これを都内でもやるというのが当面のゴールなのではないかと(だから京成バスが運行会社なのでしょう)。幕張でもそうですが、今回のコースは立体化された広い道路で信号が少ないので、特にバスレーンなどなくても結構な速度が出そうです。
他の方も書かれてますが、LRT化のメリットは薄いですね。幕張でも検討されたようですが、今は頓挫したようです。連節バスの割合を増やせば、まだまだ輸送力は増やせるとみているようです。千葉市は、先の答申を出すにあたって国交省からの問い合わせに対して、計画凍結と回答したようで、結果として答申にも載りませんでした。
→ http://www.jice.or.jp/attention/detail/186
移転しないと環状2号線の工事ができない…。
という事でBRT計画にも変更が必要になるかもしれません。
暫定開業区間はBRT・五輪車両専用にして、円滑な運行を確保して欲しいところですが・・・
滑り出しが渋滞で遅れるとBRTの評価が悪くなって、本開業後もそのイメージを引きずりそう。
http://mainichi.jp/articles/20161118/k00/00e/040/246000c
http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1739804.html
臨海BRTについて開業延期の可能性を報じたタビリスの記事
http://tabiris.com/archives/rinkai-brt/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25265780Q7A231C1SHA000/
http://www.keiseibus.co.jp/info/news_detail.html?num_c=1808291028361096&t_name=info_t
https://tokyo-brt.co.jp
https://tokyo-brt.co.jp