JR東日本は、2022年3月12日のJRグループ一斉ダイヤ改正の内容を発表した。この記事では、首都圏の西部・南部(八王子支社、横浜支社)の各線の変化をまとめます。
中央線■中央線快速は日中も減便。その詳細は不明
中央・総武線各駅停車は、朝ピーク1時間の本数が、東行(千葉方面)は23本から4本減って19本となる。夕方〜夜についても、減便をおこなう。
中央線快速は、朝と日中に減便がある。日中については、八王子支社のリリースでは「データイム(10時頃〜15時頃)に一部列車を削減」とあるのみで、詳細は不明だ。毎時のパターンに変更があるのか、もしくはごくごく軽微な変更なのか、時刻表の発表が待たれる。朝については、平日朝ピーク1時間の本数が、30本から1本減って29本になる。
朝の「かいじ2号」が新宿8:42着に変更される(現行は9:04着)。すべての「あずさ」が立川に停車するようになる。東京発着の「あずさ」「かいじ」が上下あわせて3本増える。
青梅線・五日市線・八高線■中央線と五日市線・八高線との直通運転が廃止
青梅線は、平日朝ピーク1時間の本数が、17本から1本減って16本になる。
五日市線・八高線と中央線の直通運転がなくなる。
東海道線■朝晩に減便。新宿発着の「湘南」が大崎に停車
平日朝ピーク1時間の本数が、19本から2本減って17本になる。夕方〜夜間にかけても、減便がある。
特急「湘南」のうち、新宿発着の全列車が新たに大崎に停車する。また、現行では品川止まりの湘南6号が、東京まで延長される。
横須賀線■朝晩に減便
平日朝ピーク1時間の本数が、11本から1本減って10本になる(湘南新宿ラインや相鉄直通を除く)。夕方〜夜間にかけても、減便がある。
南武線■土休日に快速運転時間帯を拡大
南武線は、土休日の快速運転時間が拡大される。特に上りは1時間前倒しになり、現行では登戸発の上り快速の1本目は10:35だが、改正後は9:35になる。快速は上下いずれも3本増えるが、このうち下りのすべてと上り2本は普通から快速への変更だ。
平日朝ピーク1時間の本数が、25本から1本減って24本になる。
横浜線・相模線■八王子−橋本間の相模線直通がなくなる
横浜線は、平日朝ピーク1時間の本数が、19本から2本減って17本になる。
八王子−橋本間は、朝夕にある相模線との直通運転がなくなり、この間の上下各6本が削減される。相模線はワンマン運転を開始する。
前回の改正はどうだった?2021年春のJR改正・首都圏南部・西部の記事はこちら
2022年3月12日ダイヤ改正に関する記事の一覧はこちらです
(JR東日本・本社)
https://www.jreast.co.jp/press/2021/20211217_ho01.pdf
(八王子支社)
https://www.jreast.co.jp/press/2021/hachioji/20211217_hc01.pdf
(横浜支社)
https://www.jreast.co.jp/press/2021/yokohama/20211217_y01.pdf
この情報は、ななさんからいただきました。ありがとうございました。
すでにSNS等で話題になっていますが、中央線と五日市線の直通運転中止というリリース文言について、「ホリデー快速あきがわ」の処遇について気にされてる方が多いですね。
八王子支社のリリースには "八高線と連結して中央快速線に直通運転している五日市線も直通運転を取り止めます。" と書いてあり、確かに(おくたまが)青梅線と直通運転になっているホリデー快速もそれに含むのか、微妙なところです。
個人的には、廃止になるのであればさすがにリリースに記載するのではというのが半分、グリーン車導入の際には何かしらの変更は入るでしょうから先取りしてもおかしくないのが半分という感じです…。
2019年3月の改正で設定された上諏訪通過の最速達型「あずさ」ですが今改正で上諏訪停車になりますね(立川,(下りのみ韮崎,)小淵沢,岡谷,塩尻にも追加停車)。利用者が減少しているであろう現状を踏まえると、所要時間対策の列車を設定している場合ではないということですかね。
総武快速・横須賀線で235系への取り換えが進んでいますが、総武快速線が1本減・横須賀線が1本減ですから、あわせて2編成減です。さらに高崎線1本減・宇都宮線2本減・東海道線2本減分も回すと、合計7編成の新製をしなくてすみ、かなり経費を節減できます。
高崎線などの10+5両の編成については、11+4に組み替えられるのかとか、231系は211系などの置き換えに使う方がいい、ということもあるでしょうが、まずは総武快速・横須賀線の2本減分はどうするのか気になります。経費節減が大きな課題で減便する中で減らさず新製するなら、将来増便(元に戻す)が必要になれば、すぐに対応する用意があることを示すでしょう。
また、高崎線などの3月時点でとりあえず余剰になる231系をどうするのか(予備が増えるのか、転属していくのか)も同様に気になります。
2024年から京浜東北線への新車投入が始まる旨の報道がある(常識的に考えればE233系は転用される)ので、京浜東北線や横浜線の減便分については転用が前倒しで始まるかもしれませんが。2022年度下期には東急新横浜線が開業するので、この2線区についてはもう元の本数には戻らないと思います。
湘南6号は前後の湘南と比べるとガラガラなので、東京延長はありですね。通勤には良い時間帯になりそうです。
新宿発着の湘南は大崎停車になるのは驚きました。そんな需要あるんですかね。
ついにあずさが立川全停!正直停まらない意味がよくわかりませんでしたので、これでわかりやすくなりました。峡東3駅も2時間空く時間があったのですが、これも解消されたのは良いですね。
相模線と横浜線の直通は戦前から続いていた意外にも歴史あるものだったそうですが、遂にメスを入れられましたね。小さい頃八王子から横浜線乗るのに、相模線の205系がいたらテンションが上がったものです。寂しいですね。
収支改善を徹底するなら、これらで古い車両を置き換えて、古い車両を廃車や売却などをすることになるでしょう。しかしいったんそうすると、利用者が戻って増便(元に戻す)しようとしても、新車の完成までできないなど手間がかかります。
今回の減便による余剰車両が、長期間留置されるのか、あるいは転用されるのかをみていれば、JR東に限らず各社が、利用者が戻った時の増便(元に戻す)についてどう考えているのか推測できそうです。注目ポイントだと思っています。
さらに言えば、もともと中央快速にはグリーン車組み込み完了による予備減、横浜線には東急新横浜線開業による客数減、京浜東北線には新車投入というコロナ外の要素があり、現用車両の動きが直ちに将来のダイヤを規定するとは限らない状況です。今後を予測する上で注目するのはやはり山手線でしょうね。
横浜線と相模線の直通運転ですが、戦前のことまではわかりかねますが、私が子供の頃の昭和50年代は少なくとも定期旅客列車では直通運転してはいませんでした。記憶にあるのは貨物と、夏の海水浴期にかっぱ号という名の海水浴臨が相模線のディーゼルカーで運転されてました。現行の様になったのは相模線電化の時以降ですね。
当時は相原〜八王子が単線で、八王子駅も5番線のみ、橋本以北は最大で1時間に5本でしたので相模線直通を入れる余地は無かったです。
前にも書きましたが、2021年4月に発表された決算資料には、「ご利用状況に合わせた輸送力の見直し」の他に、「ワンマン運転の推進」「保有車両数の削減」「2021〜2025年度車両投資額300億円削減(2019年度計画比)」とあります。
もし、今回のダイヤ改正で余剰となる車両が350両だとすると、車両新製費は1両およそ1億円と言われていますので、209系や211系の置き換えに要する車両新製を相当数抑制するとするとつじつまが合いそうです。
33編成もあるなかでは、運用減にならない可能性があったり、将来のダイヤを規定しないもの、言い換えれば例外がありうるのは、普通でしょうね。
山手線に注目とのことですが、どういうことなのか書いていだだけると嬉しいです。
具体的な転用先の予想はダイヤの範疇から外れるので、このサイトではやめておきます。
「それが減るとすれば」の「減る」は、山手線への配置が減るということでしょうか?
そうだとしてですが、新しい車両なので転用先での寿命が長いと予想されるので、その分新製の抑制期間が長くなるはずということでしょうか?
私が一番不得意な経理上の扱いがあると思うので自信はありませんが、350両のうちには丸太さんが書かれた例外もあると考えると、1両1億円で300億は結構符合する気がします。一方、決算資料の発表は4月なので、そんな前から朝ピークの本数減を大体でも決めていたのだろうか?とは思います。当時の見込み通りに進んできた結果符合しているのかもしれませんが。
会社での仕事の仕方一般から推測すると、
4月段階では、例外線区(武蔵野線)はあるだろうが、各線共最低1編成は削減しよう、という方向性の合意が経営レベルでなされ、一方で同時に、今後の収支の見通しから、車両関係費用の圧縮額目標は350億円とすることも決定したのだと思います。(経理畑の社長が考えそうなことです)
その目標を達成するために、各線の利用状況を踏まえて、具体的なダイヤを検討していって、今回の削減ダイヤを作ったのだと思います。
「結果符合した」のではなく、「符合させるように(1年かけて)ダイヤを組んだ」ということだと思っています。
今回の東の削減のポリシーは、明らかに、西、或いは昨年の九州とは異なります。
削減本数自体は、予想していたものよりも、はるかに少なかったのには驚きました。
西は、総花的に経費抑制、そして、昨年の九州を含めて、構造的赤字区間に切り込んで、ミクロ的に各区間の収支を改善させようとしたのに対して、東は、(細かな経費削減の積み上げではなく)今回は車両関係費をターゲットとして、ここで大きく切り込もうとしたのだと思います。
ここで、スジ屋さんは、相当頑張ったのだと思います。運用数を目標通り減らす一方で、運転本数は極力減らさないように、そして各線区の混雑状況のバランスを取りながら、工夫してダイヤを組んだのではないかと想像しています。本社リリースと大宮支社リリースを組み合わせて読み解いていくと、なるほど、このスジを減らすのか、それは確かにアリだな、といろいろ想像できて、(削減計画ですが)楽しいです。
もちろん、人件費削減はどの企業でも課題ですが、東は、ワンマン化とかドライバーレス化とかの大きな絵で切り込もうとしています。人員不足対応も必要ですが、今回運転本数を劇的に削減しても、直ちに運転要員の首切りもできないでしょうから、今回の改正では、別の戦略をとったということだと思っています。
ありがとうございます。なるほど、そういう経緯だったのだろうと思いました。
勝手ながら私なりの推測をつけ足すと、お書きになった4月段階で方向性の合意が経営レベルでなされ、今後の収支の見通しから圧縮額目標は350億円とすることも決定した際には、来年3月時点の利用者数の仮定が必要だったでしょう。そして「完全には戻らず8〜9割」を推測して具体化(ダイヤ作成)の作業を12月まで続け、その範囲に入りそうだと判断して(ここは結果の符合)、発表に至ったのかと思います。
>東は、ワンマン化とかドライバーレス化とかの大きな絵で切り込もうとしています
ATACSの導入やドライバーレス化についての報道を聞いた際、こういう技術開発をやれるのはJR東だろうなと思いました。同社のダイヤは利用者目線になっていないとか、配慮が足りないとか書いてきましたが、鉄道技術の未来を拓く挑戦をする姿勢はさすがと思っています。
そこで、新幹線は、一部を臨時列車化しよう
特急は、利用実態に応じて見直そう
在来線は、既に意思決定済みの車両投資計画の見直しを、今回の改正で実施しよう
ということを決めたのだと思います。
(実際にダイヤを弾いてみて、これで行くという最終判断が秋ぐらいにあったかもしれませんね)
実は、(どなたかが指摘するかと思っていたのですが)車両計画上は、来春にこの改正をしなければならない理由は全くないと思っています。
では、何故来春にしたのか?
投資家には、費用削減策を早々に具体化した、というアピールはできるかもしれません。
また、現実に列車を削減するので、運転関係費の削減になることも事実でしょう。(といっても、東の総運転本数から見たら、微々たるものですが)
でも、私は、決め手は、「やるんなら今でしょ!」という経営判断だったと想像しています。いつかはやるということは決めてある。利用者・世間の受け止めからすると、削減というネガティブな見直しをするなら、「今だ」。そして、私は、浅はかにも、(転用計画も睨みつつ)「じわじわと」削減していくと予想したのですが、「1回で決着させよう」と決断したのだと思います。(結果としては、300両近くが、数年間利用されないこととなるでしょうが)、マイナスインパクトは1回で済ませてしまおうという経営判断だったのだと思います。
この会議では、おそらくは、もう一つの大きなポリシーが決められたのだと推測しています。
それは、列車本数の削減は、運用削減によって必然的に生じる最小限に留めよう、ということです。
(大宮支社のリリースを見て、実際の列車本数の削減が、予想よりもはるかに少ないことに驚きました)
そして、昼間時や夕方以降のダイヤをいじることは、今回は行わない。
「ご利用実態に合わせたダイヤの見直し」は、従来通り粛々と行うが、特に加速はしない、という「現行運転本数は可能な限り維持しよう」というポリシーです。
もし東の方針がそういうことだとすると、23年以降のダイヤ改正は、ごくごく小規模なものになりそうです。(新幹線の臨時列車化は、実施してみての手直しはあるでしょうし、特急も今回の延長線での見直しはあるでしょうが・・・)
ダイヤパターンの変更や他の時間帯の変更のような大きな見直しは、更に経営環境が劇的に変化した場合や、コロナが完全に落ち着いて、皆の行動様式が確実に定着した場合とかなのでしょうね、もしかしたら、羽田空港線開業まで大きな見直しはないかもしれません。
実は、それよりも私の興味は、我が京浜東北線のダイヤです。
南浦和ー蒲田間で、北行4本・南行3本の削減
2つの疑問が湧いてきます。
一つは、何編成削減するのか、3編成か4編成か?
もう一つは、北行と南行で数が合わないのは何故?
もちろん、北行で回送列車を1本設定するのでしょうが、何故回送にしなければならないのか?
いろいろと考えましたが、ようやく、こうではないか、と一つの可能性に思い当たりました。何か可能性を思いついた方がありましたら、是非ご披露ください。(今私が推測している可能性については、年明けに書きたいと思います。)
加えて夜の南浦和→東十条の回送一本を削減すれば辻褄が合います。
特に深く考えてないので他の可能性と比べて高いと主張するわけではないですが、上野4時30分発の南浦和までと田端4時25分発の上野までがなくなっても困る人は少ないでしょう。
https://www.jreast-timetable.jp/
こちらには中央線快速に関する主な変更点を紹介させていただきます。
・平日朝:ピーク時に武蔵小金井始発快速東京行設定(現行ダイヤ同時刻は高麗川,武蔵五日市始発)
・平日日中:下りは中央特快を毎時1本減,上りは一部を除き快速を毎時1本減(土休日日中はほぼ現行通り)