近鉄(近畿日本鉄道)は、2022年4月23日の南大阪線系統のダイヤ改正の対象駅について、各駅の掲示時刻表のデザインを変更した。これまでは、同じ時間帯の列車が縦に並び、1日の時間経過が左から右に進む独自の縦書き形式だったが、この変更で、他社でも一般的な横書き形式(同じ時間帯の列車が横に並ぶ)に変わった。
従来の形式は、時間が縦割りになっているほか、行き先と種別ごとに行が分かれているのも大きな特徴だった。乗りたい種別と行き先が明確な場合はとてもわかりやすい一方で、次に来る電車を知りたいという場合はすべての行を確認する必要があった。
改正の対象範囲外の各駅では従来の形式のものが残るが、橿原神宮前の京都線は新形式になっており、今後のダイヤ改正などのタイミングで変わる可能性がある。
ここから私見。個人的には、近鉄独自の従来型はダイヤのパターンが見渡しやすくて好きでしたが、このあたりは他の方のご意見(実際に近鉄を日常的に利用されている方は特に)も聞いてみたいところです。遠近分離を基本としていて、種別ごとの担当範囲が明白で、種別と行き先の組み合わせに例外が少なかった近鉄ならではの形式だったのかもしれません。ここ最近の特急の減便や、優等種別の区間短縮という中で維持しづらくなってきたのでしょうか。
あと、近鉄らしいといえば「当駅仕立て」という表現ですが(他社では「当駅始発」)、こちらは新しい時刻表でも残っていました。
▼新しい形式の時刻表(大阪阿部野橋の平日)
▼従来の形式の時刻表(大阪阿部野橋の平日)※2021/7/3改正ダイヤ
▼2007年の時刻表。今よりも特急は多い
この情報は、ライジングさん、ななさん、南武線利用者さんからいただきました。ありがとうございました。
2022年04月24日
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皆さん容易にご推察されることで、身も蓋もない意見とお叱りを受けるかもしれませんが、新旧デザインの良し悪しは「利用線区・利用区間による」というのが本音かと思います。
ただ巷の路線案内アプリなどは基本的に発車順であることと、多数派が新デザイン型だというのを考えると、一見さんにはなかなか難しいのではないかと思いますし、観光路線の多い近鉄にとってはマイナスだったのかもしれませんんね。
また、新しい時刻表について
・種別を色だけでなくマークでも明確に区別(色覚難の方への配慮)
・「無印は◯◯行き」を用意せず列車の行き先はすべて明記
が行われている点はユーザーフレンドリーだなと感じました。
特に行先部については、旧型では種別の最長距離列車の行先が記載されていたため、たとえば名古屋駅の急行欄に「鳥羽」と表記されているのに実際鳥羽まで向かう列車は一日数本、ということもありました。
※他社と比較して有料特急の本数が多いので、それだけは別枠にしても良かったのでは…と思ったりもしましたが、難しいデザインになりそうです。
まさか近鉄の駅掲出時刻表の記事を作成していただけるとは思いませんでした。ありがとうございます。
新しい形式の時刻表では、種別変更や接続を時刻下部に略称で明記しておりますね。
一昨年のダイヤ変更記事のコメント欄で「連絡」の意味が駅や列車ごとに異なる(接続ではなく種別変更を示している場合がある)点に関し議論になっていたかと思いますが、新しい時刻表では種別変更を略称の四角囲み,単なる接続を囲みなしの略称とすることで、これらを明確に区別できるようになったと思います。
ちなみに、近鉄をもとにダイヤ作成をしている(していた?)JR九州も以前は特急と快速・普通で時刻表示欄を分けていましたが、数年前から分けなくなったものが出てきました。
今は紙の時刻表自体が廃止になってしまいましたがHPで駅の時刻表を見ると、特急と快速・普通で分かれています
>当駅仕立て
昭和32年(1957)年に発表された松本清張の「点と線」に「長崎仕立ての雲仙」という文言があり、印象に残っていました。以前は一般的な表現だったのかもしれませんね。
ちなみに急行雲仙は博多1802発東京翌1540着と書かれています。
なので、五位堂始発の準急には仕立の印が付くが、
五位堂普通が急行に化けるやつには仕立の印はつきません。
古市でも駅探などの時刻表では始発となっているが
駅掲示では仕立になっていない準急があります。
(平日6:48や21:44が該当)
ただ、これも最近は種別変更するやつに仕立の印が
ついているのもあるので法則性が崩れてきている気もします。
古市で急行に化ける6:49発の橿原神宮行に仕立の印が
ついたので・・・
(これまでの時刻表では仕立の印はなかった気がします)
なので、別の条件があるのかもしれません。
その昔、ターミナル駅には、客車溜りがあって、列車を動かすには、客車溜まりから、必要な数の客車を引き出して、機関車を繋ぎ、ホームに据え付ける作業が必要でした。この一連の列車組成作業を「列車を仕立てる」と表現したものだ、と。
ここからは私の想像です。おそらくは、「馬車を仕立てる」というのと同じ感覚で、列車も「仕立てるもの」と表現したのではないでしょか。
鉄道に造詣が深い松本清張氏が、その語源までご存知だったかは知る由もありませんが、当時鉄道マンから、「始発列車を準備する」(或いは、近鉄のように、単に当駅始発という意味で生き残っていた)「列車を仕立てる」という表現を耳にして、小説に取り入れたのだと思います。
内田百閧フ奥羽本線阿房列車後章(第一阿房列車に入っています)に、「仙台駅から、仙台仕立ての急行102列車に乗って帰路に着いた」という一文があります。乗車したのは昭和26年10月ですから、書いたのはその年内か翌年でしょう。探せば色々出てきそうです。
固定編成の電車が主流になった現在ではしっくりくる場面が減り、使われることもまれになったのでしょうね。
西鉄は異色で無料でダイヤグラムを配布したり。
とりとめが無くてすいません。
もっと特急に乗ってほしいのでしょう。時刻表で特急が別欄だとはなから選択肢から外れやすいですし。
以前は急行以下で行くしかなかった、大阪府内の古市駅や御所線乗り換えの尺土駅などに特急を止めたのも普段使いしてほしいからですね。
ただ、近鉄の場合特急に誤乗されると困るので、大阪難波・大和西大寺にあるような「特急だけで1枚使った時刻表」は残るのではないかと推測します。
一昨日、大和西大寺に行きましたが、「特急には特急券が必要です」「あをによしにはあをによし特別券が」という放送を自動放送だけでなく駅員も車掌もしていて、これ随分負荷がかかってると思います。料金を取っている以上JRでもプレミアムカーでも避けられないことですが。
京阪電車の淀屋橋なども昔は5欄にわけてました。今は一緒にして、プレミアムカーサービスのある電車は別枠を設けて追記していますね。