名古屋鉄道(名鉄)は2023年3月18日にダイヤ改正を行う。コロナ禍の乗客減少を受けて、2021年には2度(初回の記事、2回目の記事)にわたって、日中を中心に減便基調のダイヤ改正をおこなったが、今回は朝ラッシュ時と夜間を中心とした減便をおこなう。一方で名古屋本線では日中に準急を新設する。
日中〜夕方■岐阜発着の急行を一宮発着に短縮。知多新線は系統分離
平日10〜14時台には豊明−須ヶ口間の準急が毎時2本新設される。下り列車は津島線の普通として直通する。
土休日日中にも同区間の準急が設定されるが、代わりに国府−名鉄一宮間の急行(上下計22本/日)が削減される。
平日土休日ともに、9〜20時台の名鉄岐阜発着の急行(毎時上下各2本)を、名鉄一宮発着に短縮する。岐阜発の優等列車は毎時6本から4本に減る。
知多新線では、日中から夕方にかけて系統分離と減便が行われる。平日土休日ともに9〜20時台は線内運転(富貴−内海間)の毎時2本のみとなる。現行ダイヤでは日中、河和線や本線に直通する特急・急行・普通が内海発着でいずれも毎時1本ずつあるが、特急と急行は河和発着に変更される。普通は知多半田発着に短縮となる。
河和線でも、河和発着の普通(現行では毎時1本)が、改正後は知多半田発着に短縮となる。かわりに、河和発着の急行(改正後は毎時2本)を、知多半田以南を普通として運転する。
朝・夜■朝ラッシュ時に24本減便。新木曽川、笠松の特別通過を解消
平日朝ラッシュ時には、名古屋本線、知多新線、犬山線、広見線、各務原線、瀬戸線で、あわせて24本の減便と、17本の区間短縮をおこなう。
このほか、名古屋本線の一部特別車特急の上下各1本を、一部特別車急行に変更する。一部特別車急行は2021年3月の改正で登場したが、さらに少し増えることになる。
また、新木曽川、笠松での特急の特別通過をとりやめる。両駅にはすべての快速特急・特急が停車することになる。現在は、新木曽川が5本、笠松が3本、それぞれ特別通過をしている。
各務原線でも系統分離がおこなわれ、終日全列車が名鉄岐阜−犬山(もしくは三柿野)間の折り返し運転となる。現行ダイヤでは、平日朝を中心に一部列車が犬山線経由で名古屋以南まで直通している。
土休日の朝も運行本数を削減する。全体で減便8本、区間短縮が18本。広見線では、新可児始発の特急3本が新鵜沼始発に短縮となり、線内は終日普通列車のみとなる。
平日・土休日ともに21時以降の運行を削減する。その数は、平日は減便31本で区間短縮が42本、土休日は減便23本で区間短縮が33本。
https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2022/__icsFiles/afieldfile/2023/01/17/3.18daiyakaisei.pdf
この情報は、ライジングさん、丸太さんからいただきました。ありがとうございました。
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全体で見れば減量ですが、2021年10月改正と異なりきちんと考えて組まれたダイヤであることがわかります。
3つも新規記事を作成していただき本当にありがとうございます。
名鉄の改正に関してですが、3/18からの各駅新時刻表は下記(1)にて既に発表されております(路線別時刻表は未発表)。
(1)https://trainbus.meitetsu.co.jp/meitetsu-transfer/pc/map/Top
これによると、日中に設定される豊明〜須ヶ口間の準急は、下りは一宮行急行のスジをほぼ流用している一方で、上りは須ヶ口発のみ一宮発急行と同じ時刻ながら二ツ杁で長時間停車し名古屋以降は平日夕夜間の豊明準急とほぼ同じスジとなるようです。また、2021年5月改正で一部名古屋方面に延長されていた平日日中の常滑線,河和線普通は金山折返しに戻るようです。
そして、岐阜発着の急行はリリースでは「9〜20時台」のみ短縮が明示されておりましたが、どうやら8,21時台も短縮されているようです(朝と深夜の区間縮小に含まれていたということでしょうね)。
・豊川線の増発(3/30〜5/7)に関する名鉄の発表(下記(2)。再紹介)
(2)https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2022/__icsFiles/afieldfile/2023/02/06/220206toyokawasenzokyo.pdf
https://www.meitetsu.co.jp/train/timetable/index.html
https://www.meitetsu.co.jp/info/__icsFiles/afieldfile/2023/03/06/20230306.pdf
・休日ダイヤ
基本的に特急系6両、急行系4両に削減されました。本線東特急系のみ名古屋着9:00から10:30まで8両が続きます。
ランダムに走っている特急系8両や急行系6両をどこかの系統に集約すれば狙って乗れるんですが…
混雑率は全体的に高めですが限度を超えるような列車はなさそうです。
・平日ダイヤ
夕方はほとんど変わっていません。生活様式の変化で激しく混雑するようになった371列車(名古屋17:24特急岐阜)は、後続の急行が一宮行きに短縮されたこともあって6両から8両に増結されました。
コロナ時期を含めて一貫して平日夕方に余裕があるのは、列車ではなく名古屋駅ホーム上の混雑を警戒してのものと思われます。
問題は朝ですね。改正前乗車率92%程度で平準化されていた名古屋着8:40-9:10あたりの列車がほぼ一律で2両ずつ減車されており、かなり厳しい状況です。単純に一般車乗車率が1.5倍になり、ピーク時と混雑率が逆転してしまいました。4月以降、時間経過で「ピークへのシフト」が進んで平準化されることでしょう。
「ピークに余裕ができたからピーク後の両数を減らして誘導しよう」というのはある意味合理的ではありますが、それならピーク後は両数ではなく本数を減らしてスピードアップしたほうが喜ばれるのではないかと思います。本数確保のためにスピードダウンしておいて減車というのは目的と手段のミスマッチを感じます。
>それならピーク後は両数ではなく本数を減らしてスピードアップしたほうが喜ばれるのではないかと思います。本数確保のためにスピードダウンしておいて減車というのは目的と手段のミスマッチを感じます
自分は他地域の人間で名鉄は旅行で数回しか乗ったこともないので的外れかもしれませんが、自分が名鉄に対して持っている印象がとにかく「両数を減らしてでもできるだけ本数を維持する」会社だなという点です。
自分の地元の某社なら毎時1本レベルにしてそうな路線でも名鉄では毎時2本は維持しており、幹線系統では一部2両にしてでも毎時4本は維持しようとするなどフリークエンシー確保について並々ならぬ拘りがあるように見受けられます。
それでも丸太さんのような意見があるということは、地元の方々は本音では本数よりもスピード重視の方が喜ばれるということなのでしょうか。
ダイヤ的には本線の追い越しがいつできるようになるかが非常に気になるところですが、三河線側は昨年10月に工事が始まったばかりなので少し時間がかかりそうです。
(1)https://www.meitetsu.co.jp/info/1275987_8009.html
(2)https://www.meitetsu.co.jp/info/230428_toyokawa.pdf
(1)https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/07/11/230711natunosaijiyusou.pdf
(2)https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/07/20/230720_natsunozoukyou2.pdf
(3)https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/08/08/230808_natusaijizoukyou.pdf
※運賃改定の情報は「東急が2023年に運賃値上げ『全体で十数%』。近鉄、JR四国も検討」のコメント欄に紹介しております。
・名古屋鉄道(名鉄)が三河線三河知立駅移設開業と河和線加木屋中ノ池駅開業(ともに来年3/16)に関し下記(1),(2)にて発表
(1)https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/09/01/23-09-01mikawachiryueki.pdf
(2)https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/09/01/23-09-01kagiyanakanoike.pdf
https://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2023/__icsFiles/afieldfile/2023/10/12/23-10-10gifukoukuusaizoukyo.pdf