JR東日本が2024年3月16日のダイヤ改正について、地元の抗議を受けて内容を修正する方針だと千葉日報やNHKなどが報じた。
JR東日本は、今春のダイヤ改正の内容として、京葉線の朝夕の快速と通勤快速を全廃することを昨年12月に発表。これに対して、千葉県・千葉市ほか各市町の首長らや千葉の経済界から反対の声が挙がっていた。
千葉日報によると、JR東日本は、東京駅を午前7時半ごろに到着する上総一ノ宮、君津発の快速2本を、各停化せずに快速のままとする修正を行う方針を示した。JR千葉支社長が、1月15日に千葉市長を訪れて説明したという。
JRがダイヤ改正の内容を発表後に修正するのは極めて異例。しかし、千葉市長は「依然納得できない」と通勤快速廃止撤回を改めて求めたという。
NHKによると、JR東日本の千葉支社長は、取材に対して「本来は短期間でダイヤ改正を見直すことは不可能で、限られた時間の中でできることを行った」と述べた一方で、「これだけでは要望にすべてお応えしたと思っていない」として、「1年に一度が慣例のダイヤ改正にこだわらず、時期も含めて柔軟に検討していきたい」と答えたという。さらに廃止方針の通勤快速については、「蘇我駅の次に停車するのが東京の新木場駅という運行となっているが、そのあり方が適切かどうかも含めて今後検討していく」として、形は変われど存続する可能性をほのめかした形となった。
(千葉日報)
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/1151757
(NHK)
https://www.nhk.or.jp/shutoken/chiba/article/018/43/
(テレビ朝日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000332612.html
この情報は、ななさん、ライジングさん、夏海さん、銀千ハイパワーさんからいただきました。ありがとうございました。
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早めに記事を作成していただきありがとうございます。
政財界を巻き込みこれだけの大ごとになってしまった以上、ダイヤ改正をそのままの形で実施することは難しくなっていたわけですが、現実的に何か変えられる部分があるのだろうかと思っていたところでした。
まさか2本のみとはいえ快速を格下げせずそのまま残すことになるとは思いませんでした。
JR東日本のダイヤ改正に対する自治体の反発で思い出されるのは、2019年改正での中央本線特急の停車駅変更問題です。
前年12月に発表の改正概要で定期「あずさ」の停車駅が一部を除き大幅に削減されることが判明、これに対し多くの沿線自治体が猛反発、それが影響したのか「信州かいじ」という愛称の臨時列車が急遽設定(※2月に発表)され、2020年改正で定期「あずさ」の停車駅も一部を除き増やされる、という流れでした。
今回は、中央本線特急の時に比べれば早い対応だったと思います。
JRと千葉県各自治体との間では千葉市民会館移転や久留里線末端区間の在り方に関する協議なども抱える中で、問題の長期化はなるべく避けたかったのかもしれません。
とはいえ、通勤快速格下げや夜間下りの快速格下げの問題は未解決ですし、まだこれでは納得できないという方も多いでしょうね。
通勤快速に関しては、千葉市長が会見で停車駅追加を提案しておりました(下記=産経新聞の記事)。
https://www.sankei.com/article/20240105-H2BQKLGPKBOGDLVUTIWLY6KQ6Y/
JRは旧国鉄であり、鉄道という公共性が高いサービスでしかも最近の世の中で企業が求められているCSR(企業の社会的責任)があるから「JRは民間だからダイヤ編成はJRの自由だろ」とはいかないですからね。
早朝2本というのも最大限の対応なんでしょうね。ピーク時は列車間隔が詰まっているから快速のスジを挿入しようがないですからね。
逆に下りで快速の設定が追加されなかったのも(共感はしないけど)納得感はあります。
というのは夕方のラッシュ時に新木場駅の京葉線ホームにいると分かりますが、ホームの混雑が酷くて危険な状態になっているからです。
このホーム混雑の原因は「武蔵野線直通を待る利用者」と「快速や通勤快速を待つ利用者」が各駅停車を見送るため。
JR東日本としてはホームに滞留してほしくないが、武蔵野線待ちの利用者の京葉線系統見送りは回避できないので、せめて快速や通勤快速待ちによるホーム上の滞留を解消したいといと考えている。
それが3月改正における京葉線系統の朝夕全便各停化の目的の一つなので、そんなひっ迫した状況下で夕方のラッシュ時に快速を追加したくてもできないのが実態です。(見送り客を減らすには利用者が多い新木場を快速系統の列車が敢えて通過するしかないが、それも難しい)
かつての三井不動産と千葉県の確執で、
三井不動産の新規開発の許認可が相当遅れたのも、
知事を怒らせたのが原因だった。
一部のマスコミには知事が伝家の宝刀を抜いたと、
書かれていた。
恐らく、先月の新ダイヤの発表時から、JR東日本側も地元自治体からの反発を見越していたんでしょう。
だから、まずは朝の快速・通勤快速を全廃すると発表し、
後から早朝の快速2本だけは残すって譲歩したように見せかけるつもりだったんでしょうね。
JRの表明どおり、来年の改正を待たずに更に改正するのかどうかも気になりますね。
夕方は数本だけ各停を快速に変えるというわけに行かず、パターン丸ごと変更になるでしょうから、快速をつくるにしても小手先修正では無理でしょうね。
素人考えだと、下りの新木場や舞浜が問題なら、新浦安(と海浜幕張)で武蔵野線と快速が接続するダイヤで、蘇我先着各停→武蔵野線→快速→蘇我先着各停のサイクルで来るのが一番分散しそうだと思ってしまいますが、快速の新浦安以東がダイヤ寝過ぎになるのかな。
無理に分散させようとすると、
朝∶東京←八丁堀←新木場←海浜幕張←蘇我(あるいは海浜幕張以東各駅)
昼∶東京、八丁堀、新木場、舞浜、新浦安、南船橋、海浜幕張から各駅
夜∶東京→八丁堀→新木場→舞浜→新浦安(→南船橋)→海浜幕張→蘇我
とかが理想の停車駅とかになるのでしょうか。一昔前の西武とか、こういうきめ細かい調整をやっていたのでしょうか…
・JR東日本(千葉支社)が3/16ダイヤ改正の内容一部変更に関し下記にて発表
https://www.jreast.co.jp/press/2023/chiba/20240116_c01.pdf
住宅の広告などでは、よく「(ターミナル駅)まで何分」などど記載されることが多いのですが、鉄道のダイヤは事業者の裁量でいとも簡単に変えられてしまい、広告の「何分」の部分も変わってしまうということがこの問題によって明らかになったと思います。
住む場所を選ぶ前には交通事情をよく調べないといけないと思います。
また他の会社も、対岸の火事ではないと感じているでしょうね。
・JR京葉線に関する幕張新都心地区の各団体の動きを報じた産経新聞の記事(下記)
https://www.sankei.com/article/20240117-XW7VGZZ45ZKZFJHVLBFDRPUZKI/
千葉市など声をあげる側も、最終的に少しでも有利な形に持っていくために駆け引きでやってるところもあるかもしれません。
JR側の事情や専門的な知識は頭になく、今後3月までに追加の修正が入る可能性までは否定できませんが。
今回のJR東日本の対応は中途半端であり、自治体側から見ても鉄道事業者側から見ても悪手であると思います。なお、夕方ラッシュ時間帯の各駅停車化はE657さんの説明である程度納得できていますので、私の話は朝ラッシュ時間帯に絞っています。
まず、朝ラッシュで自治体から求められていたのは通勤快速です。快速ではありません。快速が要望されていたのであれば、多くの快速が各駅停車化した2013年3月改正時にもっと大きな騒動になっているはずです(もっとも、この時も千葉県議が抗議書を議会に提出し可決されたようですが、今回のような修正される事態にはなっていません。)。時間帯も通勤快速とは別であり、小手先の細工である感が否めません。修正されても首長たちが首を縦に振らないのは当然でしょう。
もちろん、今回快速に変更する列車を通勤快速に変更しろと言いたい訳ではありません。そんなことをしたら、各駅停車の間隔が15分も開く別種のうんこダイヤが出来上がります。
さて、鉄道事業者側の観点で見ますと、この対応は「自治体の抗議を一部飲んでしまった」ように見えます。
今回はそれなりに利用客がいて10分以上も所要時間が延びる、抗議に正当性を見出しやすいものでした。しかし、仮に正統性の見出せないいちゃもんとも言える抗議を受けたらどうするのでしょうか。「千葉県の言うことは聞くのにこっちの言うことは聞いてくれないのか!」と(言葉を悪く言えば)ごねられてしまったらどうするのでしょうか。また、快速通過駅から「発表より本数が減ったぞ!」と抗議を受けたら飲むのでしょうか。きりがなくなりますし、最悪自治体間の対立に発展する可能性だってあります。
ダイヤグラムに正解はありません。需要実態と企業戦略に応じて妥協を重ねるのがダイヤグラムです。だからこそ、一部の自治体の言いなりになってしまう(という言い方もこれまた悪いですが)対応は悪手だと思うのです。
また、ダイヤ改正の急な変更は結局は現場にしわ寄せがいきます。小手先の細工ほどの修正をするくらいなら、修正前の方がマシだったと思います。
色々と好き勝手述べてきましたが、JR東日本がどのような対応をするべきだったかは、私の無い頭では残念ながら妥当な案が思い浮かびません。「今から修正するのは3月に間に合わないから、実態を見て秋くらいにダイヤ改正をやる。」と明言するくらいでしょうか…(これもこれで千葉県千葉市の言いなりになってしまいますが)。一度発表したダイヤ改正に自信があるなら、毅然とした態度でいてほしかったと思います。
長文失礼しました。
30分弱なのですが、2つのことだけを繰り返しているだけです。
「ダイヤ改正をしたことの結果の影響に、考えが及ばない(至らなかった)ところがあった
(ので修正する)」
「(3月のダイヤ改正実施を前提に、今から修正可能なところを探し)
早朝の快速復活なら対応可能という結論となった」
「思い至らなかった(考えが及ばなかった)ところというのは、具体的には?」
「不便になるところに配慮したのか」とか、各記者が色々と角度を変えて切り込んでも、
「思い至らないところがあった」との繰り返し
「通勤快速の復活はあるか?」とか、何を聞いても、
「早朝の快速復活なら対応可能という結論となった」と繰り返し、
やるともやらないとも言質を取られないように繰り返していました。
ただ、「年1回の改正は、必ずしも・・(?)」というようなことは言っていたような記憶があります。(内容のない30分をもう一度詳細に聞き返す気にはならないので・・でも「年1回」は言っていた記憶があります)
ここからはもちろん私見です。
鉄道事業者が、ダイヤ改正を行うに当たって、ダイヤ変更によって、乗客がどのような影響を受けるか(便利になる人もいれば、不便になる人もいますが)についての検討において、「考えが及ばなかったところがあった」とは到底思えません。
それ以上は、支社長の立場からすると、具体的に口に出すわけにはいかない
「ダイヤ改正をしたことの結果の影響」(もって回った表現ですね)に「考えが及ばなかった(思い至らなかった)」ことは何なんでしょうね?
通勤快速などの利用者から、所要時間が増えることについて、これほど強い反発があるとは思わなかった(反発があっても乗り切れると思い違いをしていた)ということかと思います。
ダイヤ改正とは外れますが、最近のJR東の姿勢が一般社会から外れてしまっているのでしょうか。週刊誌でアルハラ報道があった役員を社長にするのは、昭和ならありそうですが令和だとコンプライアンス的にありえないでしょう。支社長の様々な発言をまとめると、ダイヤ改正の際にも社外のことを特に考えず、社内の論理が優先された結果がこの体たらくのかと思ってしまいます。
前記事12/29に示したパターンですと、新木場での間隔が最長10分となりますので、新木場で等間隔としたうえで、快速運転するパターンを考えてみました。
東京 新木場
55 05各停西船橋方面(葛西臨海公園で特急退避・新浦安で区間快速接続)
00 (07)特急
02 10区間快速蘇我方面(八丁堀・新木場・舞浜以遠各停、新浦安で各停接続)
05 15各停西船橋方面(新浦安で通勤快速接続)
12 20通勤快速蘇我方面(八丁堀・新木場・舞浜・新浦安・南船橋以遠各停、新浦安で各停接続・新習志野で特急退避)
15 25各停西船橋方面(葛西臨海公園で特急退避・新浦安で区間快速接続)
20 (07)特急
(略)
40 48特別快速(八丁堀・新木場停車)
大都市交通センサス(2017年)によりますと、東京(56千人)八丁堀(18)と新木場(73)の下り定期利用者数はほぼ同じ、新木場発下り130のうち舞浜(17)新浦安(25)で1/3が下車、蘇我方面(62)と西船橋方面(55)はほぼ同数となっています。
通勤快速・区間快速に利用が集中(蘇我方面は全者、東京・八丁堀から舞浜・新浦安・西船橋方面へも7割が利用)しそうで、乗りきれない混雑になりそうであれば、快速運転は難しいかもしれません。
https://www.mlit.go.jp/common/001178992.xlsx
https://www.sankei.com/article/20240126-IITRXWCIEBN2VJGSDJ4KYO3LJI/
https://news.yahoo.co.jp/articles/4805805e1fabb35310e926fe65805be4e1dda353
やはりJRとしては武蔵野線直通を長期的に改善していきたいんだな、というのを感じました。
快速・通勤快速を各停にし、並行ダイヤとすることで武蔵野線直通列車を増やしたかったと推測します。E233系が西船橋以北に入り、新小平があるので東所沢で折り返せるようになれば武蔵野線も含めた輸送量の増加と混雑改善に繋がると思いますが、ホーム延伸など設備投資が必要になり、投資回収判断をJRがどう判断するのかでしょうか。
そうなると、道路の渋滞や交通事故が増加してしまいます。
これは本来避けるべきことだと思います。
ダイヤモンド・オンラインの記事は以下のリンクで見られます。
Yahoo!ニュースだと画像が見づらい場合がありますので、元記事のリンク先を推奨します。
https://diamond.jp/articles/-/337958
https://toyokeizai.net/articles/-/731991
理想のダイヤとは何か、まだまだ議論が必要だなと感じます。
コメントストッパーY様
武蔵野線は貨物列車も頻繁に走る線区ですし、仮にホームを延伸しようとすると、
周辺の買収や土地・高架の形状変更が必要な箇所もあるので、
相当な時間がかかる上に、国や沿線自治体からの補助がないと踏み込めないと思います。
たらればの話で恐縮ですが、もし京葉線に二俣新町駅がなく、
特急や快速は短絡線経由、各駅停車は西船橋でスイッチバックの形態を取っていれば、
多少は状況がよくなっていたかも知れません。
人口動向を見れば東京圏でもより都心部に人口が移動していますので長期的に見ると遠距離区間と近距離区間どっちを優先するかみたいな話になっていくのかなって感じました。
また、京葉線は千葉県所有の複々線化用地こそ処分しているものの、15両化は可能な構造だったはずで、ホーム混雑だけであれば、増結までしなくても当該駅のホームを延長することで、武蔵野線系統と京葉線系統の停車位置をずらすことも可能だったはずです。
コロナもあり、民間企業でもありというJRの言い分もあると思いますが、沿線を育てるという視点がなく短期のコストカットに偏ったと取られても致し方無い部分もあるのかなと思います。本当のところはどうかわかりませんが、考えが至らなかったと言ってしまうJRの姿勢にもそうした残念さがあるように感じます。
海浜幕張駅改良や幕張豊砂駅新設、蘇我駅海側再開発など京葉線利用者を増やす税金投入をしている千葉市からすれば、あまりにあまりと思うのではとも感じます。
千葉市は幕張新都心育成があるので、武蔵野線海浜幕張系統増発や通勤快速の変更になった特急の海浜幕張や鎌取停車など、また外房の自治体も総武線直通増発や特急の八丁堀や新木場停車、あるいは少なくとも通勤快速利用者数が大きく落ち込んでいる一方で特急利用者数は堅調などの説明、などがあれば少し違ったのではないかと思いますが、このへんの至らなさが流石に修正せざるを得ないという結果になったのかなと思います。
@まずは経営規模が圧倒的に大きいことです。首都圏内に限って、京葉線関連、総武線関連、常磐線関連、宇都宮・高崎線関連、埼京線関連、中央線関連、横須賀線関連、東海道線関連、京浜東北線関連、山手線関連に分けても、それぞれが大手私鉄に相当する規模があります。このことは集中的に投下できる資本が大きく、技術開発や大規模開発などに有利な一方で、自社の将来は沿線の将来にと共にあるという大手私鉄では今更な認識は持ちにくくしていると思います。どんな分社化や権限委譲をしても限界があるでしょう。また、ある線区が振るわなくても他線で補えばいいとなりがちで、線区毎に限界までやるとはなりづらいでしょう。
A地方に膨大な赤字線区を抱えていて、それが負担になることです。大手私鉄でも、東武あたりには同じ問題がありますが規模が違います。首都圏に限っても、別スレに書いたように40km圏辺り(例えば蘇我)を境にそれより遠い地域では人口減少が始まっています。社運をかけて沿線活性化に全力を傾けるといっても限界があります。積極的に出る地域と負担軽減を第一にする地域は分けて対応しないと、二兎を追う者は一兎をも得ずになります。これは会社全体が傾くことであり、会社にとっても沿線住民にとっても最悪のコースです。
JR東の再分割は現実的には思えません。今回の京葉線での教訓を生かして、大手私鉄には及ばずとも自社の将来は沿線と共にあると考えてダイヤ作成などを行うこと、今後大きな負担になる線区について自治体などと調整してほしいと思います。後者はつらい調整になりますが、残念ながら避けられないと思います。
https://www.sankei.com/article/20240206-FMOP47ORKVKRBJHLIIDCH33GOQ/
https://www.sankei.com/article/20240207-JPM65QXPLVNDDDB6HD4ZZKYRN4/
https://www.sankei.com/article/20240227-HDZGZHNV7BLG3PQNR7NHQ6VERY/
https://www.47news.jp/10883438.html
人口減少時代、増加時代のように民間任せ、国鉄任せにしていても問題ない時代は過ぎ去り、コロナを経て鉄道会社側、自治体側双方のコミュニケーションのあり方が問われ始めたように思います。
鹿児島では通学需要との調整の事例があったようですが、今後は大都市圏でも縮小に向けた利便性維持と費用の両立が課題になりそうです。
https://373news.com/_news/storyid/194441/