京王電鉄と東京都交通局は2024年3月16日、京王線・井の頭線・都営地下鉄新宿線のダイヤ改正をおこなう。
京王線●夜間の特急・急行が高幡不動以遠は各駅停車に
京王線では、高幡不動を21時30分以降に発車する特急・急行について、高幡不動から各駅停車として運転する。代わりに各駅停車は高幡不動発着に短縮となる。現行ダイヤでは23時30分以降の特急が同様の措置だが、その時間帯を大幅に拡大する形だ。平日・土休日ともに実施される。
平日朝ラッシュ時の高尾山口発上り急行1本が区間急行に変更となる。
京王新線では、平日19時台に笹塚ゆき2本が増発となる。
京王ライナーについては、相模原線の便が増発される。平日には午前中の上り1本、夕方〜夜間の下り2本、土休日には午前中に上り1本と下り1本がそれぞれ新設される。
都営新宿線●日中時間帯に減便。平日夕方に下り急行3本を新設
都営新宿線では、平日夕方17〜19時台に下り急行3本を増やし、合計で4本とする。リリースでは「帰宅時間帯の速達性向上を図ります」としている。
また、平日9時台の上り各停1本を急行に変更する。
同線では2022年までは日中に毎時3本の急行が走っていたが、現在は朝夕に数本が残るのみとなっていた。
詳細は書かれていないが、日中時間帯の「運転本数の適正化」(減便)を図るとしている。
井の頭線●平日朝に一部列車の時刻変更
井の頭線では、平日朝ラッシュ時に一部列車の発車時刻と行き先などを変更するとしている。土休日も早朝時間帯に一部列車の時刻を変更するという。
ここから私見です。都営新宿線の日中減便は詳細がまだ出ていないのではっきりしたことは言いにくいのですが、仮に毎時9本まで減るとすると、日中に急行があった頃の各停の本数と同じになります。2022年の日中急行を大幅に減らしたときのダイヤ改正では、急行をやめて各停を増やすことで通過駅の利便性を上げるという触れ込みでした。それがどうなるのか注目したいと思います。
(京王電鉄)
https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2023/nr20240209_daiyakaisei.pdf
(東京都交通局)
https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/pdf/2024/sub_p_2024020911357_h_01.pdf
この情報は、ななさん、ライジングさん、かねさんさんからいただきました。ありがとうございました。
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連日の記事作成ありがとうございます。
さて、記事とは順番が変わりますが、まず都営新宿線に関し先にコメントさせていただきます。
急行の増発に関しては、リリースのサブタイトルからも東京都交通局の強い思いが伝わりますね。前回改正から朝夕の運転にシフトし、利用状況が好調だったということですかね。
全列車の大島での緩急接続実施も、江戸川区内各駅の利用者を中心に利便性が向上しますね。他方、瑞江での通過追い越しはほとんどなくなりそうです。東京メトロ東西線には葛西,妙典,原木中山の3駅全てで先行の各停を追い越す快速もありますが、運転間隔がそれほど短くない都営新宿線での3駅追い越しは、難しそうですね。
日中の適正化は、リリースの記述からおそらく平日のみかと思います。また、現行ダイヤは毎時11本なので、10本にする可能性もあると思います。ただ、削減するとしたら毎時2本の新宿折返し列車になりそうで、そうなると9本かなという気もしますね。
京王に関しては、土休日午前下りの京王ライナー橋本行の設定が特に気になります。
おそらく沿線の観光施設や商業施設への来場者の利用を見込んでいると思います。時期によっては京王よみうりランドへの臨時停車も実施されるかもしれません(午後下り2本の臨時停車実績があります)。
これまでに何度か紹介させていただきましたが、京王電鉄は一部座席指定列車の設定等による座席指定列車の終日運行を検討しております(運賃変更認可申請時のリリース(下記)の39ページ目参照。※運賃改定は昨年10月に実施済み)。
https://www.keio.co.jp/news/update/news_release/news_release2022/nr20230324_tetsudo.pdf
今回の土休日午前の京王ライナー増発は、今後の座席指定列車終日運行も見据えた設定なのかもしれません。
まあ、車両を少しでも削減したいのはわかりますので、変更自体はある程度仕方ないとは思いますが。
高尾方面へ待ち時間増加+乗り換え2回とは……公式リリースも拝見しておりましたが、この変更の仕方で「便利に!」と書いているのには失笑してしまいます。
(せめて特急を分倍・桜ヶ丘通過にして高幡不動で前の各停に追いつくとか、現状府中となっている退避駅を変更するとかすれば、改善にはなるんでしょうが、当然ですがそんな気配は全くありませんね)
逆の場合は「八王子方面への時間短縮」?
特に京王ライナー。相模原線はそんなに需要がないのに3、4本も増発する意味があるとは思えません。京王八王子方面はもちろん高尾山口方面への増発をすべきだったと思います。
支線扱いの相模原線ばかり入れ込んでいるから京王は東急や小田急はおろか、京成、東武、西武の関東主要私鉄や関西私鉄に勝てないんですよ。
朝上りの便は分かりませんが、平日夜に関してはそんなことは無い筈。夕方〜夜の時間帯は平日休日共に、八王子行きと比べて橋本行きの方が明らかに席が埋まるペースが早いです。
逆に休日の高尾山口行きは、たまに目にするとあまり乗ってない印象があります。
利用する列車,時間帯,方向などによってダイヤの感じ方は人それぞれだとは思いますが、私としては、今改正の概要のみをもって相模原線ばかりが忖度されている内容だとは感じませんね。
また、京王ライナーが継続して増便されているのを見ると、アテンダントの不足で区間が縮小されているグリーン車に比べて、停車駅を絞ることで車掌1人で対応できるライナーは経営側としてはやりやすい増収策ではないでしょうか。
しかし、昨年値上げしたのにラッシュの電車が遅い・混んだままなのはいかがなものかと思いますし、千歳烏山・明大前の2面4線化が実現したさいにはもう少し詰まらないダイヤにしていただきたいものです。
新宿からの有効本数に変化はありませんから、酷評っぷりに驚いています。
それでも末端区間夜間帯の供給としては十分なのではないかと思うのですが。
https://www.keio.co.jp/train/station/index.html
ダイヤ改正の内容そのものよりも、記載の仕方が納得できませんでした。
ご理解頂ければと思います。
自分は関西なので、阪神・阪急・JR・京阪でよく見るんですが、
通学は阪急が激安なので阪急からJRに流れることはないし、そもそも駅と自宅や会社の距離も考えないといけないので、変更することはあんまりないと思うんですよね。
乗降駅がほぼ同じ位置という条件がないとなかなか移行しないですよ。
#だから、阪急は岡本に特急を止めてるわけだし、阪神も六甲ライナー停車駅の魚崎に優等を止めてるわけで。
京王って新宿から八王子や高尾まで乗る人が大半なのでしょうか?
京王片倉利用者が、わざわざ八王子乗り換えのJRを使って新宿に行くとは思えないのですが、東京近辺ではそういうことが常識なのですか?
*京王の各停駅(今回の3駅ではない)が最寄り駅なので、ちょっとうらやましいです。
もちろん、特急で京王八王子まで乗り通す場合は、5分前後は余計に時間がかかるようになりますが。
今回のダイヤ改正がここまで酷評されているのは、単純に今改正に対する反応と言うより、笹塚・千歳烏山の特急完全停車など、遠距離客(北野より先の利用者)軽視の流れに対する不満が爆発したんだろうなぁという印象です。
まぁ中距離客からすれば「北野・京王八王子ならライナーで行ってよ」と、逆の感情もありそうです。
(という意味では、高尾線の利用者にとっては厳しい改正かもしれませんね。これまでの書き込みからも、そんな雰囲気を感じました)
いや、新宿からは中間主要駅への利用が主となっている印象です。八王子20時台着の特急は、北野〜八王子間はガラガラの筈。京王ライナーも高幡不動を出るとかなり空席が出てくる印象です。
高尾発の利用者もデータ上では中間主要駅への利用がメインで、高尾→都心はパイ自体が小さいように思えます。朝の急行1本が区間急行化した背景の1つにこれがあると言えそうです。
それに比べれば京王線系統の高幡不動以西各駅停車化はまだ少ないですし、過去の改正で平日朝下りにおいて高幡不動以西各駅停車運転が解消(北野まで優等運転に変更)されたケースもあります(ここは新ダイヤでも維持)。
ほぼ繰り返しになりますが、利用する時間帯,区間,方向などによってダイヤの捉え方は人それぞれだとは思いますが、ダイヤの全体を見る限り、私としては新ダイヤが相模原線への忖度だとは感じられません。
夜間帯に限らず、高幡不動以西は中央線の立川以西よりも輸送量が少ないのに輸送力は大きいため、昼間も特に各停はガラガラです。1両に数人も珍しくありません。
最近の京王のスタンスとして、八王子高尾への速達輸送は諦め、沿線途中駅のお客を確保する様にシフトしたように見え、それが特急の笹塚烏山停車、高幡不動以西の化け列車増加だと思います。長年の沿線に住んでおり新宿22時台までは八王子まで途中5駅のみ停車の特急が走っていたのを知ってる身としては寂しい限りではありますが、八王子の地盤沈下を顕著に示す例でも有るかと思います。
駅探にて検索可能になっていました。
これによりますと、平日日中は毎時10本になります。
例:本八幡駅平日12時台発車時刻
03 区間急行 多摩センター
09 笹塚
15 快速 橋本
21 笹塚
27 区間急行 多摩センター
33 快速 橋本
39 新宿
45 区間急行 多摩センター
51 笹塚
57 快速 橋本
新宿折り返しは毎時1本となっています。
https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/subway/timetable2/
区間急行化したのは、6:47 高尾山口発の「各駅停車 府中行」という、中途半端な運行の廃止が主眼でしょうね。
ちょうど区間急行は高尾山口〜府中までは各停と同じ停車駅なので、効率化しなければならないとなったときに、置き換えてしまうのは悪くない選択のような気がします。
今回、化け特急で夜間に恩恵を受ける3駅は、朝間で新宿まで乗り通せる区間急行も1本増える(2本→3本)ので、唯一(?)の勝ち組かもしれません。
高尾山口→新宿という観点では、発車時間は4分早くなったものの、新宿駅への到着時間をあえて不変(8:08着)にしているので、一定の配慮はあるのではと思います。
停車駅が爆増したのに4分しか所要時間が増えないのは、もともとノロノロ運転の急行だったことの裏返しですかね。
あと、地味に仙川対策もあるのかなと思いました。7時台の仙川も、区間急行が7→8本に増えます。一方で、快速が減るので、八幡山と下高井戸にはマイナスです(八幡山の場合、8時台が11本→10本に)。