現在の京阪神地区の運賃体系は、通常の幹線の対キロ運賃のほかに、大阪環状線内、電車特定区間など、エリアによっては割安な料金が定められている箇所がある。各報道を総合すると、この運賃体系を統一して、現在の大阪環状線内や電車特定区間より高く、幹線より安い、新しい運賃表を制定するようだ。
私鉄に対抗する区間などに設定されている特定区間運賃については不明で、それに触れられている報道は現在のところなさそうだ。
ここから私見です。今よりも安くなる区間、高くなる区間が出てくるようです。穿った見方をすれば、総合的にみれば増収を目指す作戦かなとも思いましたが、読売新聞によると「見直しでJR西全体の収支は変わらないように調整する」とあり、そうではないようです。では、わざわざそんなことをするメリットってどこにあるのかなと思ってしまいました。路線毎の不公平感なんてそんなにあるものなんですかね。今後いろいろと情報が出てくるとよりはっきりしてくるでしょうね。
(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20240422-PXGOELWBKJPHNI65N6ZFILXMPU/
(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20240422-OYO1T50037/
(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240422/2000083821.html
タグ:JR西日本
JR西の場合、5年程前に昼間特割きっぷの廃止に踏み切ったように、JR発足当初と比べて、並行私鉄に対する競争力は十二分に有するに至っているので、実質並行区間で運賃値上げになっても、競争力・収益性の面で問題ないとの経営判断なのではないでしょうか。
京阪神圏の特徴として、例えば大阪〜米原の定期券を購入する際に、大阪〜京都/京都〜米原といった2区間で分割した2枚分の定期券を1枚のIC定期券に収めた、いわゆる2分割定期券というものが発売されています。
(参考:https://faq-support.westjr.co.jp/hc/ja/articles/8879875149199-2%E6%9E%9A%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E3%81%AE-ICOCA%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E5%88%B8-%E3%82%92%E4%BD%B5%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B)
これは関東圏など他地域では見られない特徴的なサービスですが、その分ICカード・出改札システムの複雑化、高コスト化にもつながることなので、コストダウンの意味でも、運賃制度の単純化は大きな意味があるのだと思います。
トータルで収支は変わらないように調整する、とは言っても、実績値としての運賃収入額を制度改変前の対前年比でぴったりプラマイゼロにするのは現実的に難しいわけで、実際的には暗黙の了解として、トータルでマイナスにならないよう、(批判を浴びない程度の)微増の範囲に収めるのではないでしょうか。
上述のコストダウンと併せれば、収益性は(僅かに)着実に改善が見込まれると考えます。
記事には取材によってわかったとありますから、JR西の幹部の記者会見とか、プレスリリースがあったとかではないのでしょう。それなのに複数のマスコミが同内容を同時に報ずるというのは、どういう取材があったのかな。マスコミの世界をよく知らないので不思議です。
・大阪環状線内特例の廃止
・電車特定区間の拡大と値上げ
が基本線じゃないかと。
電車特定区間の拡大が大阪近郊区間全体なのか、そのうちの一部なのかはわかりません。
2025年春は、元々鉄道バリアフリー料金適用範囲の拡大予定でした。
あとは、なにわ筋線が開業したら、加算運賃を設定できないどころか現行制度で行くと大阪環状線内運賃になってしまうのもあるかなぁと。
環状線内特例を廃止した上で、電車特定区間+αの運賃を新たに環状線内に適用するとして、
なにわ筋線は環状線と比べ最短距離で大阪(うめきた)〜今宮を貫くので、もし加算運賃を設定しないとすると、同区間の運賃が(値上げするとしても)環状線半周するのと比べ無駄に安くなってしまいます。
なので、キロ数に基づく環状線半周の運賃と、なにわ筋線最短距離の本来の運賃との差額を加算運賃とすれば、無駄な値下げにもならず合理的かなと考えます。
問題は、将来的に建設費を償還し終えて加算運賃を止める際にどうするかですが。
その時は、近郊区間全体の運賃再値上げでしょうかね。
これは東西線の時にも言われていました。
さらに現在ではICカードになり、なにわ筋線を利用したかなんて調べようもありません。
なにわ筋線経由の特急料金に加算することはできなくもないですが。
例えば天王寺〜加茂だと1枚のきっぷならば990円だが、天王寺〜奈良、奈良〜加茂の2枚で買うと750円と240円も安く、播州赤穂だと2310円のところ、大阪〜三ノ宮、三ノ宮〜播州赤穂で分けると1940円と370円も安くなってしまう
変動幅が10円から数10 円という報道からみると、管理人さんが書かれたように、統一されるのは幹線、電車特定区間、大阪環状線内で、京阪神の割安な特定区間は対象外かと思います。
とうことは、再度言葉をお借りして恐縮ですが、路線毎の不公平感がそんなにあるところ(100円を超えるようなところでしょうか)は見直されず、そんなにないところが見直されるのでしょう。また、特定区間が残るなら、元大阪市民さんが書かれた大阪近郊での2区間に分けるとかなり安くなることも残るでしょう。
しかしながら、意味がないわけではなく、不公平感が少しでも解消されるのはよいことだと思います。JR東も追随してほしいものです。そしてこれもご指摘があるように、複雑な運賃体系の解消は、今後の管理のみならず値上げを考えると、手間と費用の削減にかなり貢献しそうです。
JR西も、2区間に分けると安くなる現状を解消したいでしょうが、その大きな原因の特定区間の廃止にはかなりのリスクがあります。その特定区間の今後は気になりますが、多少の値上げはしても廃止にはなかなか踏み切れない気がします。できるものならすぐにも廃止したいでしょうが。
また、東京同様旅客数の多いエリアは短距離に縮小していくでしょうから、大阪環状線内などの値上げは将来的には増収になりそうです。
一方で、鉄道運賃は原価に適正利潤を上乗せする規制運賃であるため、値上げは制度上困難であり、本音の長期予測はともかく、会社としては収入は変わらないという説明にしかならないでしょう。
2区間分割については品川-横浜関係や新宿-八王子関係など東京近郊でもあり、2区間分割定期はSUICAもあるところでありますが、関西では駅前金券屋でこれを使った回数券組み合わせのチケットを売っており、途中下車をしなくても定期外旅客もこの分割によるディスカウントを使っていたのが特徴だと思います。
ただ、コロナで紙の回数券が廃止となり、2区間分割による減収は定期券に限られるようになりましたので、鉄道会社にとっての解消インセンティブは低くなったように思います。三ノ宮-大阪のような完全な競合区間はともかく、多少離れた駅の場合は本数や駅からの場所によっては私鉄との競合の影響は値上げとの関係見極めが必要でしょう。
なにわ筋線建設費には説得力ないとおもいますけどね。
JR西日本が負担する建設費って何でしょうか。
関西高速鉄道に一定額の出資を行う以外はJRは開業後に使用料を支払うだけです。
なにわ筋線開業は2031年予定で、費用は2031年以降しか発生しないのに
今それを根拠とするのは無理筋な話だと思います。
それよりも喫緊の課題に目を向けるべきでしょう。
JRではローカル線で毎年200〜250億の赤字を出しています。
一方で、23年3月期の鉄道事業における営業利益は
コロナの影響もあり244億円です。
鉄道車両だけでも6,500両近く抱えており、
営業維持のための投資にも多くの資金が必要です。
そう見た時、ローカル線の赤字250億という数字はなかなかのインパクトです。
コロナで経営を支えている京阪神もそれ以前と状況が変わっており、
コロナ前に戻ることが約束されているわけでもありません。
そういった事情から芸備線は再構築協議会入りし、氷見、城端線も
路線譲渡する方向になったんだと思います。
とはいえ、この赤字はすぐには大きく改善することはないでしょうから、
経営を支える京阪神区間での収益性向上は重要な課題になります。
なので、今回の運賃改定計画はなにわ筋線、云々の遠回りな目線は不要で
現時点での経営状況を鑑みた収益性の改善とみるほうが自然です。
確かに言われてみれば、JR東西線は加算運賃を(したくても)設定できていませんね。
東西線開業から早25年が過ぎましたが、JR西からの線路使用料による収入で建設費の償還はどの程度順調に進んでいるのか、裏返せば、JR西にとって東西線開業はかえって経営上の重荷にすらなっていないのか、個人的には気になります。
あと、加算運賃について、おっしゃるように、なにわ筋線を使ったか、環状線を半周したのか識別できず、利用者を特定できないという意味で加算運賃を設定できないと言うのは確かに説得力がありますが、
個人的に考えるのは、実際には環状線を半周しようが、なにわ筋線を利用したと便宜上みなして、上述のような環状線半周となにわ筋線最短距離とのキロ数による差額を加算運賃として、新たな特定区間?近郊区間の運賃体系に組み込んでしまうというのは、加算運賃の設定ルールとして無理なのでしょうかね。
でないと、大阪〜今宮の運賃をわざわざ値下げする形になり、莫大な建設費を要するなにわ筋線を作ったがために、逆にJR西は減収になり、その上で線路使用料を関西高速鉄道に支払わねばならないという二重苦の不条理が生じてしまいます。
これでは、JR西としては、経営上の本音では、なにわ筋線の建設には後ろ向きになってしまいますよね。
逆に、JR西の本音として、なにわ筋線に見出せるメリットって一体何でしょうか??
加算運賃の趣旨を考えると「加算運賃」とするのは無理筋です。
そもそも最短経路で計算するルールは
「実際に利用した経路にかかわらず」最短経路で計算するものですが、
加算運賃は「その区間を利用した人」に建設費償還のために
上乗せ負担してもらう制度のはずです。
つまり利用していない人から加算運賃をとること自体がどうなの?ってことです。
>環状線半周となにわ筋線最短距離とのキロ数による差額を加算運賃
この言葉がさす趣旨が理解できない部分もありますが、
仮に環状線ルートの営業キロから求まる運賃と
なにわ筋線ルートの営業キロから求まる運賃の差を加算運賃とするという意味なら
極めて公平性に欠く制度となります。
例えば天王寺−西大路は営業キロで51km運賃が950円ですが
なにわ筋線で営業キロが2km短くなれば820円となり、
加算運賃は130円という論理になるのでしょうが、
天王寺−京都なら56km、運賃が950円ですが仮に2km短くなっても
950円から変わらず、加算運賃は0となります。
つまり同じなにわ筋線利用者でも加算運賃を負担する旅客と
負担しない旅客が発生し、加えてその額も
全体の利用距離によって金額が変動することなります。
これっていいんでしょうかね?
逆に距離の差である約3kmを運賃表にはめて計算するという趣旨なら、
天王寺−大阪の利用客は330円になり現状の210円に加えて
1.5倍への値上げとなります。
こうなると世論の反発を招くのは必至です。
大阪〜今宮間はなにわ筋線経由だと現状5.2kmの建設が予定されていますが、現行の環状線外回り経由だと8.8kmとなっているので大阪〜今宮で営業キロが8.8kmとなるように大阪〜JRなんば間の営業キロを設定する可能性はあると思います。
大阪〜天王寺も京橋経由よりなにわ筋線経由の方が予定されている実キロが短いので割増の営業キロとすることで値下げはしないようにする可能性は高いと思います。
JR西にとってなにわ筋線はプラスになりますが、南海ほどではないと思います。ですので、当初は南海の参加に消極的だったのではないでしょうか。
しかしながら、多額の自社負担が軽減されることや、費用を分担する府や市意向を考えるとそうとばかりも言っておられなかったと思います。
複雑な運賃制度の見直しには逆行しそうですが。
南海と違ってJRは増収になるか不透明ですから、なんらか手は打ちたいのか、それとも減収にならない限りは関西高速鉄道への支払いが減るだけだからどうでもいいのかどうなんでしょう。
りんくうタウン駅や競争上は関西空港との間のJR、南海の運賃差も出ないように特定運賃などでの調整も入りそうですね。
厳密にはりんくうタウンからなにわ筋線を超えてJRへは乗客の良心による部分も出ますが、ボリュームはないと思われることから、なにかを変えるよりは乗客に委ねることになりそうですね。
「ただでさえややこしいところに、なにわ筋線が加わるのを避けるのも理由の一つでしようね」に訂正します。すみません。
可能性としては、まずは、
@JR西日本は、運賃制度の抜本見直しを模索しており、その第1歩として、手始めに、歪になっているところで是正しやすいところを是正しようとした。
(私鉄競合区間の話は傍に置きます)
Aなにわ筋線開業を控えた環境整備の一環。
の2通りを思いました。
でも、よく考えると、なにわ筋線に備えてならば、別に事前に環境整備をする必然性はなく、開業時に大阪環状線を含めた運賃制度の設定をすればいいだけの話なので、「今」行う理由にはなりそうにもありません。
そうすると、しん様がおっしゃる通り、JR西日本が、最大の経営課題に真正面に向き合おうとしたという見立ての方が当を得ているような気がしています。
ただ、もしかしたら、私の問題認識は、しん様と、少しだけ違うところがあるかもしれませんが。
もちろん、JR西日本にとって、赤字ローカル線も大きな経営問題ですが、経営課題はそれだけではなく、例えば、山陰本線・伯備線・紀勢本線、といった路線で、どれだけ赤字を縮小できるか、ということではないかとも考えているのではないでしょうか?これらの路線の運賃が山陽本線と同じであるとすれば、経営努力を行うこと自体が虚しくなりますので、(運賃値上げだけでは黒字化は難しいとしても)適正な運賃を収受したいと考えているのではないかと想像しています。
赤字ローカル線は、鉄道の廃止、或いは、維持するのであれば新たな枠組みの構築、という出口が、(時間はかかりますが)用意されました。北陸本線も、整備新幹線という全く別の枠組みで、(表現は悪いですが)「切り離し」を行うことができました。
しかし、山陰本線・伯備線・紀勢本線等は、JR西日本が将来的に維持していくことが宿命付けられています。もちろん、JR西日本の経営陣も、それが会社設立時からの社会的役割という使命感は持っておられると思いますが、だからといって、公的支援の枠組みが一切ない中で、黒字部門からの内部補助だけで維持し続けるということが、経営として果たして適切なのかという視点です。
運賃体系を根本的に変えて、
@山陽本線や関西近郊区間
Aその他の地方線区
B赤字ローカル線
で、みなし営業キロを大幅に変えるということを念頭に置いているのか、と、私は思いました。
なにわ筋線ですが、思ったことは3つです。
@初乗り運賃が、130円でいいのか、という点
新線建設のスキームは、このサイトで皆様から色々とご教示頂きましたが、私もまだ正確な理解はできていないと思いますが、ざっくりというと、鉄道事業者には出資負担はあるものの、建設費調達の負担はなく、「予測に基づき、得られるであろうと想定された収入」を、使用料という名目で支払い、長期的に建設費を回収していくというスキームと理解しています。
だとすると、初乗り130円でいいのか、というのが私の素朴な疑問です。
特に、大阪ー西本町間は、JRと南海の共同営業区間ですから、南海からすると、違和感があるのではないでしょうか?
(目黒ー白金高輪間は、メトロと都営の共同営業区間ですが、都営の目黒駅ー白金高輪駅の運賃は、メトロと同額とするという特例扱いが規定されています)
また、各鉄道の(特に関西の)初乗り運賃からすると、130円は破格に安い印象を持ちます。
更に、なにわ筋線は、大阪メトロとの競合路線になる可能性もありますが、それとの運賃格差が大きすぎる点も気になります。
A営業キロはどうするのだろうか?という点
大阪ー天王寺間は、環状線鶴橋周りと同一にするという考え方もあるかもしれませんが、もしも、加算料金を設定するならば、できないでしょう。
運賃値下げとなる区間が出てくることは、やむなしでしょうか。
(なお、東京メトロ南北線開業時に、到底南北線経由を選択しない区間(今まで通りの経路を使う)で、運賃値下げとなったという先例はあります。)
B加算料金はどうするのだろうか?という点
なにわ筋線建設の枠組み(収支予想)では、加算料金は想定されているのではないでしょうか?
南海は簡単です。単純に加算すればそれで終わりです。
JRはどうするのでしょうか?
まさか、大阪ー天王寺間で加算できるはずはありません。
一定の看做し区間で、設定するのではないでしょうか?
例えば、新大阪以遠ー鳳以遠間と新大阪以遠ー王寺以遠間、更に、大阪以遠ー日根野以遠間
もちろん、各線快速は、原則なにわ筋線に乗り入れるというダイヤが組まれることを大前提としてですが。
(例えば、大阪駅の大阪環状線ホームにICOCAのタッチ機を設置して、そのタッチがある場合には、加算料金を課さない、という逃げ道もあるかもしれませんが、各線直通をなにわ筋線経由とすれば、上記区間利用の場合に、わざわざ環状線に乗り換える顧客は、ほとんどあり得ないと思います。)
と、長々と書いてきましたが(皆様すいません)、来年には、バリアフリー料金上乗せの改定が予定されているそうですから、単にそれに合わせただけ(ついでになにわ筋線開業の環境整備をやってしまおう)という、実につまらない話なのかもしれません。
私も、しん様同様に、経営課題に本腰を持って取り組もうとした第1歩であって欲しい、と強く期待しています。
PS:私は、この各社記事のソースは、「広報が、クラブに投げ込んだペーパー」と想像しています。
記事が載った日が同一で、挙げられている例も同一です。社としての正式決定ではないので、ニュースリリースの扱いにはしなかっただけでしょう。
解らないのは、読売のいう「全体の収支は変わらない」がペーパーにあったかどうかです。
私は、おそらくは書いてあったと思いますし、そうでなくとも、(記者との)想定問答では、当然用意していたはずなので、この記載自体は事実だと思っています。
産経の「運賃の見直しは、収益力の強化を図る狙いもあるとみられる。」は、(この改定では収支は変わらない(ように改定する=そうでないと認可されない)と書いてあったとしても)記者の常として、ステレオタイプで書いただけのような気がします。それでも、(将来的に)収益力の強化を図るための第1歩、という可能性は十分にあると思っています。
償還スキームについては誤解があるようですので、
申し上げておくと建設費に関しては以下の方法で資金調達です
出資金(20%):JR・南海・大阪市・大阪府
補助金(54%):国・大阪府・大阪市
借入金(26%):40年間の使用料収入で返済(金利も含む)
なので使用料は基本的に有無を言わさず課されます。
※相鉄新横浜線のような交渉余地はありません。
また、金利や需要リスクは鉄道事業者が負担する前提ですので
金利次第では使用料が増える可能性もあります。
ちなみにこのスキームは東西線と同じです。
東西線の場合は低金利のおかげで使用料が下がったらしいです。
また、償還期間は30年で来年くらいに償還終了です。
>どれだけ赤字を縮小できるか
それはそうなんですが、今回の値上げが京阪神だけなので
赤字縮小はまた別の方策を期待しないといけません。
>バリアフリー料金上乗せの改定
来春は上乗せではなく湖西線や関空線などへのエリア拡大ですね。
(京阪神はすでに普通運賃に10円上乗せされています)
丁寧な解説いつも有難うございます。
ひとまず時間が無く手短になりますが、
実は、なにわ筋線をこのタイミングで建設するのは、JR西への経営負担を優先して考えるならば、一つには、東西線の償還期間が終わるタイミングという隠れた事情があるのかもしれないとふと思ったところです。
ただ、償還期間は線路使用料の支払期間と厳密にはイコールではないかとは思いますが。
償還を終えても、少なくともその後暫くは使用料の支払は(軽減されたとしても)続くことになりはしますかね。
(遅くなってすいません)早々にご教示ありがとうございます。
ただ、今後的外れな書き込みをしないように、もう少しだけご教示ください。
@「使用料」は、予め決められているものであって、輸送実績に応じて事後に決まるものではない。
A「使用料」の支払いは、借入主体が借入金を全額返済するまで続くので、いつまで支払うことになるかは、金利次第である。
この2つは正しいですよね。
そして、
Bなにわ筋線のスキームは、新横浜線とは異なる。
ということですね。
それで、一番知りたいことは、
Cなにわ筋線のスキームは、東西線と同じスキームである。
ということでしょうか?
(だとすると、加算運賃などはあり得ないですね。)
お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。
私は、取材は自ら動いて報道の材料を集めることだと思うので、そういう経緯なら「JR西日本から提供された資料でわかった」と書く方が、のちのちいいと思うのですが。
ご質問にお応えします。
A借入金の償還に充てる期間は東西線は30年、なにわ筋線は40年で決まっています。
そのため、年間の支払額が変わります。
※当然償還後も使用料自体は発生するでしょうが。
C同じスキームと書きましたが正確には全く同じではありません。
私の表現の誤りです。
東西線はP線方式と言われる方式で
日本鉄道建設公団が資金を投入しますが、
資金は25年間の元利均等支払による返済が必須です。
で、この返済に線路使用料を充てています。
なにわ筋線の場合は借入による資金調達分は40年間で
線路使用料を資金に償還します。
https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/cmsfiles/contents/0000411/411945/290919_naniwasujisen.pdf
これの3ページにあるページ右下の欄外の記述です。
スキームが同じというのは、
・線路使用料は需要ではなく建設費と償還期間から決まる
・金利や需要変動によるリスクは鉄道事業者が負担
この2点が同じという意味です。
加算運賃は別の議論ですよ。
加算運賃は、建設費償還のために該当区間の利用者に
追加の負担をいただくというものですから、
加算運賃を平等に負担してもらうことができるなら
別にありだとは思いますよ。
東西線でもなにわ筋線でもそこの公平性が確保できないから設定しないのだと思います。
運賃の加算でもキロの加算でも加算運賃を負担をする人と
負担しない人が出てしまうので・・・。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240515_00_press_keihanshin_unchin.pdf
電車特定区間を拡大するとともに、大阪環状線内の区分を廃止、とのことです。
早速、詳細な解説ありがとうございます。
よくわかりました。
(書き込みが、反映していませんでした。お礼が遅くなりました)
なにわ筋線が開業しても西九条経由の阪和線や大和路線からの直通列車は線路容量の都合で残ると思います。そうなると経路特定区間で選択乗車を可能にしておかないと運用上で様々な問題が出てきます。
経路特定区間に設定すると大阪〜天王寺間の最短がなにわ筋線経由となるため値下げとなる区間が出てきてJR西日本として無関係の区間の乗客で減収となります。
これを防止するために新規開業区間でキロ数を加算し既存区間のキロ数と同じにすることで新規開業区間相互間以外の運賃が変わらないようにする可能性はあると思います。
別経路と同じ距離にするための加算キロ設定は新幹線や東武小泉線、大阪メトロで設定されているので制度的な問題はないと思います。
もし現在ほかにはなくて、将来もなさそうなら、同社以外は料金設定を廃止してもよさそうです。しかしながら先のことはわからないし、あっても特段害にならないから残っているのかな。
JRの普通列車グリーン車(快速など含む)は、JR東日本首都圏のほか、
・快速マリンライナー
・SLやまぐち号
・SLばんえつ物語号
・ホームライナー(函館本線)
・日豊本線下り普通列車(佐伯→延岡)
などに設定があります。
また、観光列車では、快速列車でグリーン車扱いとする可能性が今後もあり得ますので、
料金設定の廃止は現実的でないと思います。
前回書いたあと、普通列車指定席の方が少ないかな?と思いました。そしてさらに、急行はもっと少ないかもと思いました。
とはいえ、「しかしながら先のことはわからないし、あっても特段の害にならない」と前回書いていますが、廃止後にこうした料金が必要となった時、再度設定するのは手間でしょう。あって害にならないなら、たとえ空文化しても廃止しない方が得策かな。
(西日本のようにとは言っていませんが)、そのような方向性で運賃改定を考えているとのこと。
https://nordot.app/1169162073856705185
値上げというところが大きく取り上げられていますが