マスコミ各社によると、JR東海の丹羽俊介社長が2025年1月30日に、静岡県知事と会談し、リニア名古屋開業時には、静岡と浜松に停車する「ひかり」を現行の1時間1本から2本に増やす考えを表明した。静岡県へのメリットを示して、リニア着工への理解を求めた。
リニアが開業すれば、新幹線の輸送力に余力が生じるためだとしている。
静岡新聞によると、大阪開業時にはさらに停車する回数を増やしたいとも表明したという。
NHKによると、JR東海がリニア開業後の東海道新幹線の静岡県内の停車本数に具体的に言及したのは初めてだという。
日経新聞によると、会見後、静岡県知事は「鉄道会社として踏み込んだ内容」だとして評価。経済波及効果が大きいと判断したという。
(静岡新聞)
https://www.at-s.com/life/article/ats/1645892.html
(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250130/k10014708341000.html
(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC306QM0Q5A130C2000000/
(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/AST1Z3R0ST1ZUTPB00SM.html
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私が思いつく理由は「開業後のダイヤに制約を受けたくないから」くらいですが、開業後にのぞみが減り、ひかりが増えるのは当然。増えないならむしろその方が驚きです。「1時間あたり5本増えます」とでも言うならともかく1本です。1本も増やさないこともありうると考えていたのでしょうか。
繰り返しますが、静岡県内でこんなに揉めているのにこのメリットを説明していなかったのには理由があったはず。これはぜひ前社長に訊いてみたいものです。数あるマスコミのうち一社くらいインタビューしないのかな。まあ、いくらインタビューを申し込んでも、「社長を辞めた者があれこれ発言すると、現役の諸君に迷惑をかける」を理由に断られ続けているのでしょう。
社長が交代して、JR東海は変わりつつあると思います。今後どのように変わっていくのか楽しみです。
リニア中央新幹線計画が具体化した2007年頃から、東海道新幹線はリニア開業後は地域輸送重視(言い換えれば、のぞみが減ってひかり・こだま増発)になると言われていたので、
個人的には特段に今さらという気がします。
水面下では、JR東海から静岡県側にもっと前から素案は伝わっていたのかもしれませんが、前知事と色々あったので、その間はJR東海としては公式に具体的な言及をしても無駄という考えがあったのかもしれません。
ところで、静岡・浜松に停車するひかりを毎時1本ずつ増やすとのことですが、両駅に停車するひかりを毎時1本増発(既存のぞみ置換)するのか、
それともどちらか1駅に停車するひかりを毎時1本ずつ、合計で毎時2本増発(既存のぞみ置換)するのかが気になりますね。
2007年頃の当初は、名古屋開業時にものぞみ全廃するかもという話すらありましたが、その後JR西日本の意向なども踏まえてか、名古屋開業後ものぞみは一部残すとの話になりました。
その趣旨からすれば、名古屋開業時点でも、のぞみ大削減(最大で毎時2〜4本程度?)、その分ひかり・こだま大増発と解釈すら出来ますが、今現在のJR東海の考えとしてはどうなんでしょうかね。
最も少ない時間帯(東京発12−14時台)の内訳は以下の通りです。
のぞみ:新大阪4、博多2、広島1
ひかり:新大阪1、岡山1
こだま:新大阪1、名古屋1
のぞみのうち、博多行と広島行の変更はないでしょう。(JR西日本云々の前に利用者が困ります)
なのでリニア名古屋開業の時点では、最大4本/時が対象になりますが
東京・品川・新横浜の乗客のうち、名古屋と京都・新大阪では後者のほうが多い印象です。
よって普通に考えるとひかりへの置き換えは1本に留めて静岡と浜松に停めるのかなと思いますが
今のリニアは逆風なので、誘導戦略として2本置き換える手もあり得ます。
その場合、静岡県への切り札としてまだ明示しないかもしれません。