阪急阪神ホールディングスの嶋田泰夫社長が、日経新聞のインタビューに対して、新大阪・なにわ筋連絡線について、「北陸新幹線の新大阪延伸の詳細が見通せない現状では事業化は難しい」と回答した。
日経新聞のインタビューは、主に梅田の再開発に関するものだった。その質問の最後に、「阪急電鉄では梅田―新大阪間を結ぶ新線構想もあります」と振られて、それに対して「2031年にJR西日本と南海電気鉄道がなにわ筋線を開業させる。これに合わせてなにわ筋線と十三・新大阪を結ぶ新線を検討している。ただ北陸新幹線の新大阪延伸の詳細が見通せない現状では事業化は難しい。費用対効果を最大化するためにも焦る必要はない」と返答したという。
新大阪連絡線は、十三と新大阪を結ぶ新線。なにわ筋連絡線は、十三とうめきた新駅(大阪)を結ぶ新線。これまで阪急は、これらの2線を、2031年のなにわ筋線開業に合わせて開業させる方針を表明してきた。今回のインタビューは、事実上、その方針からの後退を認めたものだ。
北陸新幹線の新大阪延伸計画は、2016年に政府・与党が、福井県小浜市を経由する通称「小浜・京都ルート」を採用する方針を決めた。ただし、2025年の参院選後、新大阪に延伸せず米原−敦賀間のみを建設する「米原ルート」も含めて再検討する方針が明らかになっている。
(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF04APB0U5A900C2000000/
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2025年09月30日
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「北陸新幹線の新大阪延伸の詳細が見通せない現状では事業化は難しい。費用対効果を最大化するためにも焦る必要はない」とのことですが、北陸新幹線新大阪駅の利用者数は、東海道・山陽新幹線の現新大阪と比べて桁違いに少ないでしょう。ですので、主に気にしているのは利用者数ではないと思います。
リニア・北陸新幹線・阪急と3つの地下駅が構想される中、北陸新幹線が消えると地下駅の配置や構造が大幅に変わるので、建設するのかしないのか決まらないと手をつけられないのでしょうね。
関西の大手私鉄5社は、それぞれてんでにターミナルを構えてそれらをメトロとJR西で繋いでいましたが(パリとかロンドンに似ています)、阪神難波線で阪神と近鉄がつながり、さらになにわ筋線が開通すると乗り換えに難はあるものの、阪急以外の4社にJR西を加えたネットワークは強くなります。
阪急だけが蚊帳の外です。なんてこったと心穏やかではいられないでしょう。
前記事のコメント欄で、阪急の計画を「阪急の言うとおり完成する訳ない」と書いていらっしゃる方が何人かいらっしゃいましたが、さすがに「上場企業の言うことにいい加減なところはないだろう」と思っていましたが、見事にその通りになりましたね