2022年10月12日

[近鉄]京都線の地下鉄直通の急行を日中から朝夕に変更。2022/12/17ダイヤ改正

<追記 12/11 17:30>
近鉄が各駅の時刻表を発表しましたので、奈良線、京都線の主な変更点をまとめた内容を追記します

 近鉄は2022年12月17日のダイヤ改正後の時刻表を公式サイトに掲載した。10月時点のプレスリリースでほとんど明らかにされなかった改正内容の詳細が判明した。すでにコメント欄にご報告いただいておりますが、改めてまとめます。

奈良線■平日日中の優等は快急4、急行2、区準2に

 平日日中のパターンが変わる。現在は快急、急行、区間準急がいずれも毎時3本の20分パターンだが、これが快急4本、急行2本、区準2本という30分パターンとなる。現行の快急はすべて阪神直通だが、改正後は半分が大阪難波発着となる。
 阪神が快急を30分毎に減らすというリリースをする一方で、近鉄のリリースには奈良線の変更について説明がなく、どうなるのかが注目されていた。全体的な本数はそれほど変わりがないが、快急がとまらない急行停車駅や区準停車駅にとっては優等の本数が少し減ることになるため詳細の公表をためらった可能性がある。

京都線■日中の地下直急行は単純減。京都−奈良間の急行も減少

 地下鉄直通急行が日中から朝夕に変更されるというリリースがあったが、蓋を開けてみると日中は地下鉄直通急行が単純な減便となるようだ。朝上りについては急行の一部が地下鉄直通に変更になり、その分京都ゆき急行は減っている。
 さらに京都−奈良間の急行も減り(大和西大寺発着もしくは天理発着に変更)、京都と奈良を直通するのは特急だけという時間帯が発生する。普通列車は一部を除いて新田辺で系統分離される。
 橿原線では平日夕方に大和西大寺−天理間の普通が運転され、この区間の普通は増発となる。

 コメントいただいたはげぼうずさん、ななさん、しんさん、Humanさん、ふーふーさん、丸太さん、ありがとうございました。

この下は10/12に投稿した記事本文です


 近鉄(近畿日本鉄道)は2022年12月17日に、奈良線、京都線、大阪線、名古屋線など多くの路線でダイヤ改正をおこなう。
 リリースの冒頭では、「お客さまのご利用状況を勘案」して、奈良線、京都線、橿原線を中心に、運転区間や種別、編成、時刻を変更するとしている。しかし、リリースで明記されている変更点はわずかだ。
 はっきり書かれている点を取り上げると、まず奈良線については、阪神本線内快急の8両化による阪神尼崎の停車時間短縮と、東花園発大阪難波ゆき終電の繰り上げのみ。阪神側のダイヤ改正の発表では、平日日中の快急が現行の毎時3本(20分間隔)から2本(30分間隔)に減ることが明らかにされているが、近鉄側がどうなるかについては特に記載がなかった。
 京都線では、京都市営地下鉄と直通する急行について、平日は日中の運転から朝夕時間帯に変更するという。現在ある日中の急行が、改正後は(近鉄)京都発着に変わるのか、単純に減便になるのかは気になるところだ。また平日朝には京都−新田辺間の普通をすべて6両編成で運転する。
 ほかには、名古屋線で平日早朝に白子発鳥羽ゆき急行を増発するとしている。
 特急列車については、奈良線で大阪難波に7:47に到着する大和西大寺発「ひのとり」を増発する(平日のみ)。京都線では高の原駅の特急停車を拡大し、9〜12時台に6本を増やす。また、「あをによし」の時刻を変更し、京都−奈良間を1往復増やす。

(近鉄)
https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/20221217daiyahenkou.pdf

この情報は、ライジングさん、やぎさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 23:07 | Comment(15) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [近鉄]京都線の地下鉄直通の急行を日中から朝夕に変更。2022/12/17ダイヤ改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[阪神]日中の快急は毎時3→2本に減便、芦屋は通過へ。終電繰り上げも。2022/12/17ダイヤ改正

 阪神電鉄は2022年12月17日にダイヤ改正をおこなう。平日日中のパターンや快急の停車駅が変わる。
 阪神なんば線に直通する快速急行は、現行では平日日中毎時3本走っているが、2本に減る。両方向とも1日あたり8本の削減となる。リリースによると、代わりに大阪梅田−西宮間の急行を増やし、毎時4本とする(現行は3本)。尼崎発着の急行は毎時3本から2本に減る。
 快速急行は芦屋が平日朝ラッシュ時を除いて通過になる。2020年のダイヤ改正から土休日は通過になっていたが、今改正から平日日中と夕方も通過となり、停車するのは平日朝ラッシュ時のみとなる。一方、現行では平日は日中のみ停車の武庫川・今津に夕方ラッシュ時も停車する(朝は通過のまま)。
 夕方については快急を全区間で8両化(現行は尼崎以西は6両)する。尼崎の連結・解放作業をなくして所要時間を短縮するという。
 そのほか、平日朝7時台の大阪梅田発急行2本(甲子園ゆき)を区間急行に変更する。
 さらに、大規模な終電繰り上げも行う。阪神での2021年での終電繰り上げは大阪梅田発の最終近辺の変更にとどまっていたが、今回は直通特急を含めて多くの区間が対象となる。
(終電繰り上げの詳細についてはのちほど追記します)

(阪神)
https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/d4b01688ef283f5a20f79580277d713956c12e0d.pdf

この情報は、ライジングさん、やぎさんからいただきました。コメント欄のご指摘もありがとうございました。
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[阪急][能勢]準特急登場、快急から改称。京都線は朝夕減便で通勤特急は朝のみに。10両編成を大幅減。2022/12/17にダイヤ改正

 阪急電鉄は2022年12月17日に全線でダイヤ改正をおこなう(この記事では同日の能勢電鉄のダイヤ改正についても記述します)。
 方向幕に用意されているのが見つかって話題になっていた「準特急」の登場がついに正式に発表された。その正体は、神戸線・京都線で運行されている快速急行からの改称で、両線とも停車駅は変わらないまま名前だけが変わる。リリースによると、2024年から京都線で座席指定サービスを開始する予定で、その対象を「特急」「通勤特急」「準特急」とするという。その準備のための改称のようだ。
 また、各線とも平日朝の10両編成の列車を一部を除いて8両化するほか、深夜帯の運転間隔を広げ、多くの区間で終電を繰り上げる。ただし、日中帯は現在の本数が確保されるという。
(終電繰り上げについては別途追記します)

神戸線■朝の新開地発特急の神戸三宮での増結を廃止

 平日朝ラッシュ時の新開地発大阪梅田ゆき特急は、神戸三宮で増結をとりやめて8両編成のままで運行する。増結にかかる時間を短縮する。神戸三宮発の通勤特急は10両編成のままとなる。
 今津線の宝塚発大阪梅田ゆき準急は、運転時間を15分繰り上げて、宝塚6:46発からとする。
 平日夜間〜深夜帯の運転間隔を広げる。21、22時台は10分間隔を12分間隔に、23時台は10〜15分間隔を15分間隔にする。

宝塚線■通勤特急を1本増発。箕面からの直通は全廃

 平日朝の通勤特急は運転時間を拡げて1本増発する。一方で、10両編成から8両編成に変更する。箕面発大阪梅田ゆき直通列車がいよいよ全廃される。2018年までは準急も運転されていたが、同年のダイヤ改正で激減していた。
 平日夜間〜深夜帯の運転間隔を広げる。21、22時台は10分間隔を12分間隔に、23時台は12分間隔を15分間隔にする。

京都線■朝夕は減便。早朝・深夜に急行が復活、快速を西京極停車にして置き換え

 快速急行が準特急に変わるほか、快速も停車駅に西京極を追加して急行に変更される。現在の快速は定期列車としては2010年に登場した。急行の復活は2007年以来となるが、停車駅は当時と異なる。
 平日朝夕のラッシュ時は、減便をおこなうことで一部列車の所要時間を短縮する。リリースでは「利用動向の変化に対応した運転本数の調整」としている。また、10両編成はすべて8両編成に変える。
 通勤特急は夕方〜夜間の運転がなくなり、朝ラッシュ時に上下各3本のみとなる。一方で、準特急(現在の快速急行)を増やすとしている。
 リリースではそれ以外の説明はないが、改正時に快速に代わって新設される急行の運転時間帯が「早朝・深夜」となっていて、夕ラッシュ時から消える可能性がある。
 平日夜間〜深夜帯の運転間隔を広げる。21、22時台は10分間隔を12分間隔にする。
 土休日の「快速特急A」(京とれいん)は廃止される。快速特急は「京とれいん雅洛」のみとなる。快速特急Aは、十三も通過する点が快速特急と比べて異なっている。

能勢電鉄■日中は日生中央系統に統一。妙見口系統は区間運転のみに

 能勢電鉄でも2022年12月17日にダイヤ改正をおこなう。
 日中は現在、日生中央系統と妙見口系統が交互に運転されているが、すべて日生中央系統になる。山下で、山下−妙見口間の区間運転列車と接続する。
 平日朝ラッシュ時には、上り電車を5本削減する。平日夜間は、阪急宝塚線に合わせて、21、22時台は12分間隔、23時台は15分間隔になる。
 土曜ダイヤが廃止され、土休日ダイヤに統合される。土曜日は現在5〜10分間隔だが、10分間隔になる。
 終電の繰り上げもおこなわれる。

(阪急)
https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/dd2e3f9dbc4759095b47e378f4d54e59336a79ac.pdf
(能勢電鉄)
https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/a538febc7005ddd7bc9be82eec75dbf8382ee15b.pdf

この情報は、ライジングさん、どこぞのだれぞさん、やぎさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 20:54 | Comment(16) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [阪急][能勢]準特急登場、快急から改称。京都線は朝夕減便で通勤特急は朝のみに。10両編成を大幅減。2022/12/17にダイヤ改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月29日

[西武]拝島ライナーを朝上りに新設。2023年春から平日に2本運行開始

 西武鉄道は2023年春から、新宿線・拝島線で運転している有料座席指定制列車「拝島ライナー」を、平日朝上りにも新設すると発表した。運行本数は2本。詳しい時刻は今回は明らかにしなかった。
 拝島ライナーは2018年3月のダイヤ改正で登場。現在は平日・土休日ともに夕方から夜間の下りのみ設定されている。ロング・クロス切り替え可能な40000系が使われる。
 上り列車は、拝島発西武新宿ゆき。停車駅は現行の下りと同じで、拝島線内は各駅に停車し、新宿線内は小平−高田馬場間ノンストップ。拝島−小平間の各駅は乗車のみ、高田馬場では降車のみがそれぞれ可能。下りの拝島線内のような「乗車券だけで乗車可能な区間」はない。
 料金や時刻については決まり次第、発表するとしている。
 西武新宿線では現在、平日の朝ラッシュ時の上りに特急「小江戸」が複数設定されている。

https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20220929_haijimaliner.pdf

この情報は、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 19:58 | Comment(1) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [西武]拝島ライナーを朝上りに新設。2023年春から平日に2本運行開始 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月28日

[京都市][京阪]地下鉄烏丸・東西線で日中減便。京津線直通は朝夕に減。2022/12月中旬にダイヤ改正

 京都市交通局は、2022年12月17日に市営地下鉄烏丸線・東西線のダイヤ改正を行う。2日後で月曜日の12月19日には、京阪電鉄が、地下鉄東西線に直通する大津線(京津線・石山坂本線)のダイヤ改正を行う。
 市営地下鉄烏丸線・東西線では、平日・土休日ともに11〜14時台の列車を毎時1本ずつ削減する。現在は両線・両方向とも毎時8本(7分30秒ごと)だが、これが7本になる。今年3月のダイヤ改正では先行して夜間の削減がおこなわれ、その時点で今秋に日中の減便をすると予告していた。
 京阪電鉄では、平日朝夕の京津線(地下鉄東西線直通)の本数を減らす。6〜9時台には両方向とも2本ずつ、15〜20時台には両方向とも4本ずつをそれぞれ減便する。すべて地下鉄東西線直通列車で、この時間帯は東西線内の本数も減ることになる。石山坂本線も平日の一部時間帯で時刻を変更する。大きな本数の変更はないという。
 京阪は土休日のダイヤに変更はなく、そのため京都市交と改正日が2日間ズレることになった。

(京都市交通局)
https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/cmsfiles/contents/0000303/303834/03-oshirase.pdf
(京阪)
https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/20220927_keihan-railway.pdf

この情報は、Yさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 18:36 | Comment(4) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [京都市][京阪]地下鉄烏丸・東西線で日中減便。京津線直通は朝夕に減。2022/12月中旬にダイヤ改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月18日

[JR東日本]2023年から1都3県で割安の「オフピーク定期券」発売。通常の定期は値上げ

 JR東日本は2023年3月から、ピーク時間帯は利用できない代わりに割安になる「オフピーク定期券」を発売すると発表した。一方で、通常の定期運賃は1.4%の値上げをする。
 オフピーク定期券の対象となるのは、首都圏1都3県の電車特定区間内で完結する区間。現在よりも約10%値下げした額になるという。平日朝のピーク時間帯に改札から入場すると、定期外の利用という扱いになって、IC普通運賃が必要になる。ピーク時間帯は駅によって異なり、現在の「オフピークポイントサービス」を基本として設定されるという。同サービスが規定するピーク時間は、各駅毎にもっとも混雑する朝ラッシュ時の90分間となっている。
 一方で、通常の定期運賃は1.4%の値上げとなる。JR東日本としては、これによりオフピーク定期券移行への減収分を補う考えで、全体としての定期運賃収入は増えないとしている。ここから計算すると、定期券利用者の少なくとも12%がオフピーク定期券に移行すると見込んでいることがわかる(ここには元々ピーク時間帯を利用していない人も含む)。
 なお、JR東日本は2023年3月から、「鉄道駅バリアフリー料金」の導入を予定していて、通常・オフピークのどちらにも同じ額の料金(1か月の場合280円)が加算される。
 ちなみに通学定期は対象外で、値段は現行と変わらない。
 これを報じた毎日新聞によると、対象駅の平日朝ピーク時間帯の利用者は1日あたり70万人強で、JR東日本はそのうち5%にあたる約3.5万人がオフピーク時間帯にシフトすると見込んでいるという。
 ここから私見です。いよいよ本格的な時差運賃の導入ですが、JR東日本の見込み通りピーク時利用者が5%減るでしょうか。それには、企業側が業務時間をずらす必要がありますが、社員の交通費1割強削減というインセンティブに果たして反応があるかどうか。ただ、JR東日本としてはシフトする人が少なければ、通常定期の値上げで増収となるのでそれでいいのかもしれません。

(JR東日本)
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220916_ho01.pdf
(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20220916/k00/00m/040/207000c

この情報は、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
タグ:JR東日本
posted by Uchio at 10:17 | Comment(4) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [JR東日本]2023年から1都3県で割安の「オフピーク定期券」発売。通常の定期は値上げ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月17日

[仙台市]地下鉄南北線、東西線で2023年7月から日中減便。河北新報など報じる

 河北新報や仙台放送などの報道各社は、仙台市交通局が2023年7月に、市営地下鉄南北線、東西線でダイヤ改正をおこない、日中や土休日の減便を行うと報じている。
 河北新報によると、改正日は2023年7月1日。減便となるのは、平日日中の9時半〜16時、土休日の7時半〜22時。現在はいずれも7分30秒間隔だが、8〜10分に変わるという。減少する本数は南北線が平日10本、土休日22本、東西線が平日10本、土休日23本だとしている。

(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20220914khn000033.html
(仙台放送)
https://nc.ox-tv.co.jp/news/detail/2022091500002

この情報は、ななさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 18:36 | Comment(1) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [仙台市]地下鉄南北線、東西線で2023年7月から日中減便。河北新報など報じる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月14日

[秩父鉄道]熊谷−寄居間を増発。コロナ以前を上回る本数に。ふかや花園のアウトレット開業で2022/10/1ダイヤ改正

 秩父鉄道は2022年10月1日にダイヤ改正をおこなう。ふかや花園の駅前に「ふかや花園プレミアム・アウトレット」が開業することに伴うもので、同駅の停車本数を現在の1.5〜1.6倍に増やす。
 リリースによると、熊谷−寄居間で「大幅な増発」をおこなう。さらに、ふかや花園には新たに急行を停車させる。これらにより、ダイヤ改正後のふかや花園発着の本数は、平日ダイヤで上下計32本増えて、92本に。土休日も同じく36本増えて94本になる。現在この区間の日中は40〜50分に1本。
 ただし、2019年時点のダイヤでは、この区間の本数は平日が85本(うち12本が急行)、土休日は75本(うち急行10本)あった。コロナの影響で、2020年以降大きく減便していた。今回の改正では、2019年当時を上回る本数となるとも言える。
 一方で、「生活様式の変化を踏まえ」として、急行の本数を減らすほか、一部区間では各駅停車をさらに減便する。また初電や終電の時刻変更(おそらく初電は繰り下げ、終電は繰り上げ)も行うという。また、詳細は不明だが、「埼玉県の観光地・長瀞のアクセス向上のため」として、羽生・熊谷方面からの長瀞折り返し列車を設定するという。時刻表を9月20日頃にホームページにて公開するとのことで、そこでこれらの全体像が判明しそうだ。
 また、SLパレオエクスプレスも10/1以降、ふかや花園に停車する。代わりに武川は通過となる。
 駅としてのふかや花園は、アウトレットモールを核にした開発を主導する深谷市が費用を全額出すかたちで、2018年に開業している。
 ここから私見です。京浜東北線利用歴45年さんご指摘の通り、秩父鉄道は2020年に大きく減便していて、「大幅増発」と額面通りには受け止められないところがあります。とはいえ、鉄道業界全体のトレンドの中では、コロナ禍以前と比べて少しでも増やしたというだけで一つのニュースかもしれません。駅開業時の日経の記事によると、開発完了時には年間650万人が訪問する見込みで、そのうち鉄道利用者は64万9000人。日に直すと1800人弱ですね(乗降人員だと3600人弱。日経の記事に秩父鉄道で3位になるとあり、現在3位の羽生は3000人超)。地方鉄道としては結構なインパクトです。実際のところどうなるのか注目したいですね。一方で、熊谷−寄居間以外の区間は減便が続くか、もしくはさらなる減便になりそうです。

(秩父鉄道)
https://www.chichibu-railway.co.jp/assets/newsrelease/20220913_kaisei.pdf
(秩父鉄道・2019年3月時点の時刻表)
https://www.chichibu-railway.co.jp/train/ttable/file2018/a3.pdf
(日経新聞・2018年の駅開業時)
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO17670160U7A610C1L72000/

この情報は、ライジングさん、サマンサさん、ななさん、京浜東北線利用歴45年さんからいただきました。ありがとうございました。
タグ:秩父鉄道
posted by Uchio at 13:28 | Comment(35) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [秩父鉄道]熊谷−寄居間を増発。コロナ以前を上回る本数に。ふかや花園のアウトレット開業で2022/10/1ダイヤ改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月09日

[京成][JR東日本]成田空港付近の複線化、スカイライナー200km/h化など提言。運輸総研

 運輸総合研究所は2022年7月、成田空港の鉄道アクセス改善に向けての提言を発表した。有識者を集めた会議を開いて検討したもので、京成やJRの複線化、長編成化、速度向上などの根本策をまとめた。
 成田空港では、新滑走路の整備などで飛行機の着発回数の大幅増加(年間30→50万回)が予定されている。2019年度に国交省が実施した予測では、年間50万回到達後の2045年には、京成スカイライナーもNEXもピーク時には定員を超える需要が見込まれるほか、京成本線は一部時間帯に混雑率200%に達するとしている(2019年度当時と同じ輸送力だと仮定)。今回の提言では、コロナの影響を考慮して一定の遅れが見込まれるものの、いずれこのレベルの輸送力不足が顕在化するとして、根本的な対策が必要だとした。

輸送力増強■「まず長編成化」、複線化は4案を提示

 輸送力増強としてまず挙げたのが、長編成化と本数増加。スカイライナーは9両(現行8両)、NEXは最大15両(現行12両)にできると指摘している(NEXについては対応した留置設備が必要)。
 しかし、本数増加については、現在の設備のままでは難しいとした。
 その根本的な対策として挙げたのが、成田空港付近の京成とJRの複線化だ。現在は一部を除いていずれも単線。提言では、複線化を4案検討し、それぞれの概算工事費を算出している。4案のうちもっとも安いのは、南側に京成のみ線増(JRは単線のまま)する案で700〜900億円。高いのは北側に京成とJRのどちらも線増する案で1000〜1400億円だとしている。ただし、都心側の増発余地の確保も必要だとして、京成については押上線の活用を挙げている。
 施設整備には時間がかかることから、成田空港会社が中心となって、鉄道会社、自治体、国などと検討を進めることを期待するとしている。

利便性向上■スカイライナーの200km/h化「長期的視点で」

 さらに、求められる鉄道サービスとして、所要時間の短縮を挙げ、都心と空港を20分台で結ぶことが望まれるとした。特にスカイライナーには高速化の余地があるとして、現行の130キロ区間を160キロ区間に上げるほか、長期的な視点で最高時速200キロ化の検討を開始することを提案している。また、駅設備面では、京成本線の二重改札の解消のため、ホーム増設を挙げている。
 そのほか、羽田と比較して所要時間差の少ない首都圏北部のアクセス向上が望まれるとして、大宮などの主要駅との直通列車の新設を提案している。また、千葉県内の需要増加をはかるため、千葉−成田空港間の増発が望まれるとしている。

 ここから私見です。情報提供からだいぶ遅くなりましてすみません(こちらにコメントをいただいています)。実現性はわかりませんが、遠い将来を見据えた提言として、「時速200キロ」「JRと京成どちらも複線化」などの壮大な話は趣味的にも興味深く、記事にしてみました。もともとは、成田スカイアクセスが、成田空港のアクセス向上の起爆剤だったわけです。京成も計画通りスカイライナー20分間隔化を果たしたのですが、ご存知の通りいまはコロナ禍で厳しい状況です。NHKの取材に対して成田空港会社は「国と協議しながら検討を進めたい」と回答しているそうですが、今後これに国がどう関わっていくのかは、国交省がポストコロナをどう捉えているかということにもつながりそうです。

(運輸総合研究所)
https://www.jttri.or.jp/research/narita_access.pdf
(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220822/k10013781811000.html

この情報は、えびすこさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 21:08 | Comment(6) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [京成][JR東日本]成田空港付近の複線化、スカイライナー200km/h化など提言。運輸総研 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月26日

[東武]南栗橋に特急の一部を停車。2023年3月のダイヤ改正から

 東武鉄道は2023年3月のダイヤ改正で、日光線の南栗橋に特急の一部を停車させると発表した。本数は、朝方の上り3本、夕方の下り6本の計9本だとしている。具体的な時刻や列車名は決まり次第発表するという。
 東武鉄道は南栗橋駅周辺で宅地開発を進めていて、今年5月には「街びらき」イベントをおこなった。リリースによると、地元の埼玉県久喜市では東武との協定に基づいて、市外からの移住者に対する特急券の購入補助制度の導入の検討をしているという。
 日光線では、2017年ダイヤ改正(快速・区快が全廃となった)から、杉戸高野台に夕方以降の下りの特急全列車、現行ダイヤでは6(※)本が停車するようになっている。今回の南栗橋と異なり、朝上りの停車はない。
 ここから私見です。ホワイトカラーへの在宅勤務の浸透で、「ときどき都心に出るのに便利な郊外」が居住地として見直される動きがあります。もともと南栗橋は半直始発駅でアピール力がありますが、特急停車でさらに魅力を高めたいのでしょう。移住促進を目的とした都内への通勤者向けの特急券購入補助制度は、東武沿線では栃木市や館林市ですでに導入されていますね。久喜市が検討する制度が似たようなものだとすると、久喜駅利用者も含めれば利用希望者は桁違いに多くなりそうですが、どうなるでしょうか。

<※訂正 21:30>当初、杉戸高野台の特急停車本数を7本を書いていましたが、正しくは6本でした。すみません。手元の時刻表は2021年版でした。ライジングさん、ご指摘ありがとうございました。


https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/202208181546187ZNLJXSvDNtR7LOmqgoIWw.pdf

この情報は、ななさん、おかざきさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 19:17 | Comment(11) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [東武]南栗橋に特急の一部を停車。2023年3月のダイヤ改正から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月25日

[東京メトロ]有楽町線住吉支線の詳細計画を公表。「一部は有楽町本線に直通」地元説明会で回答

 東京メトロと東京都は2022年8月、有楽町線住吉支線(8号線、豊洲−住吉)の建設について、詳細な計画を明らかにした。東京都のウェブサイトに公表された資料によると、住吉−千石(仮)間は、住吉駅の構造に合わせて単線が2本になる。
 さらに、有楽町線「本線」と接続する豊洲駅の改良を同時におこなう。豊洲駅は、もともと2面4線で建設されたところを、近年の混雑悪化に対応するため現在は中央2線を不使用にしてホームを拡げ、1面2線として使われている。改良計画では、支線開通で中線を再び使うことになることを見越して、混雑への恒久的な対応として、新木場方面ゆきの1番線ホームの反対側にもう1つホームを新設し、改札口も増やす。合わせて3面4線となる。
 また、地域メディアサイト「とよすと」は、8月21日に開かれた住民説明会の様子を詳しく報じている。それによると、参加した住民からの運行計画についての質問に対して、「一部は有楽町本線に乗り入れて直通する計画」と説明したという。一方で半蔵門線との直通の計画はない(※)と答えたという。

 ここから私見です。今年1月の記事で「半蔵門線押上までの直通も検討しているものと思われる」と書きましたが、「とよすと」の記事によるとそれはないようです。大変失礼いたしました。当初のリリースでは「臨海地域と都区部東部の観光拠点等とのアクセス利便性の向上」とあり、住吉駅の構造からして少なくとも押上までは直通するのかなと思っておりました。東武の資料にも「有楽町線延伸を見据えた検討の推進」という意欲的な文言がありました。とはいえ、10分に1本の半直急行を一部でも新線に切り替えると既存利用者には乗り換えを強いることになり、難しさも感じていました。本線への一部直通は考えてみれば順当かもしれません。豊洲を境に通過人員が段違いなので、新木場発着の列車の一部を新線に振り分けるということなのでしょうね。

<※追記 8/26 18:00>半蔵門線との直通について、説明会に参加したと思われる方のツイートでは、「未定」とか「現時点では予定していない」とかいくつかの表現がみられます。ライジングさん、ご指摘ありがとうございました。

(東京都)
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kiban/pamphlet/index.html
(とよすと)
https://toyosu.tokyo/news/yurakucho-toyosu-station-new-home-plan/

この情報は、ライジングさん、ポストJRさん、たかつさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 08:36 | Comment(36) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [東京メトロ]有楽町線住吉支線の詳細計画を公表。「一部は有楽町本線に直通」地元説明会で回答 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月20日

[宇都宮LRT]JR宇都宮駅西側への延伸は県教育会館までの5キロ。東側区間は2023年8月に開業

 栃木県宇都宮市は、宇都宮ライトレール(芳賀・宇都宮LRT)の「2期区間」にあたるJR宇都宮駅西側への延伸について、県教育会館までの約5キロを整備区間と決めた。また、現在工事中の駅東側の区間は、2023年8月に開業するという。

駅東側■2023年8月開業。バス路線の再編も発表

 現在工事が進められている宇都宮駅東口−芳賀・高根沢工業団地間は、2023年8月に開業する。
 市は開業に伴うバス路線の再編も発表した。JR宇都宮駅を発着し、経路が重複するバス路線について、一部はLRTと異なる経路に切り替わり、一部はLRTとの結節点発着に短縮される。ほかに、ベルモール、清原、芳賀の各TC(トランジットセンター)で、LRTに乗り継ぐことを前提とした循環路線が、それぞれ1路線ずつ新設される。

駅西側■県教育会館まで。2026年着工、2030年代前半の開業目指す

 今回の発表では「2期区間」にあたるJR宇都宮駅の西側の計画も明らかにした。JR宇都宮駅の西側には繁華街が広がり、1.5キロ離れた東武宇都宮駅周辺まで商業集積が続くことから、西側をどうするかが注目されていた。
 宇都宮市は、JR駅から大通り沿いに桜通り十文字まで(駅から2.9キロ)を基本区間として、そこからさらに西進することを検討してきた。最長で大谷観光地(駅から8キロ)までのルートを検討したが、途中の県教育会館付近(駅から5キロ)までを整備区間とすることにしたという。想定利用者数は1日2.7万人で、現在工事中の東側区間の想定1.6万人を上回る。2026年に着工し、2030年代前半の開業を目指す。事業規模は400億円と類推されるとしている。
 東武駅前や桜通り十文字付近は、交通結節点として乗り継ぎを円滑にする施設を整備する。大通りを走るバス路線の再編もおこなうとしている。

 ここから私見です。宇都宮市にとっては、西側こそがLRTを中心としたコンパクトシティ計画の正念場なのでしょうが、そのためにも先行開業する東側での一定の成功が必要なのだと思われます。発表資料では、市内の高層建築物の建築確認件数が駅東側で特に伸びていて、人口増加や地価上昇がみられるとアピールしていました。先の話はともかくとして、次に話題になる時は、まもなく開業する東側区間の運行概要の発表ですかね。意欲的なダイヤ(通過運転や追い越し)のお披露目が楽しみですね。

(宇都宮市)
https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/kotsu/lrt/1028857/1029845.html
(下野新聞)
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/624306

この情報は、ポストJRさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 18:06 | Comment(5) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [宇都宮LRT]JR宇都宮駅西側への延伸は県教育会館までの5キロ。東側区間は2023年8月に開業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月10日

[京急]羽田空港駅の引上線新設工事に着手。品川2面4線化と合わせて毎時3本増へ

 京浜急行電鉄(京急電鉄)と国交省関東地方整備局は2022年8月、京急空港線の羽田空港第1・第2ターミナル駅に、引上線を新設する工事に着手したと発表した。完成イメージ図によると、駅の終点方から第2ターミナル方向にトンネルを掘って線路を延長し、2編成分の引上線を整備する。
 京急では、東京都などによる京急本線新馬場−泉岳寺間の立体化工事(〜2029年度)で、品川駅を地上に移設するのに合わせて2面4線化(現在は2面3線)する予定で、羽田空港駅の引上線新設と合わせて、毎時片道3本の輸送力増強ができると説明している。
 この引上線は、2016年の鉄道新線計画答申にも採用されたもので、国がトンネルなどの基本工事を行い、その費用も負担する。京急は線路敷設などの鉄道施設の整備を行う。
 今回の発表資料では完成年は記されていないが、日経新聞は2030年の完成を見込んでいると報じている。
 羽田空港への鉄道アクセスをめぐっては、JR東日本が新線・羽田空港アクセス線(仮称)を、2029年度の開業を目指して着工準備中。東急多摩川線を延伸する通称・蒲蒲線についても、京急蒲田までの延伸計画を東京都と大田区がまとめている。

(京急)
https://www.keikyu.co.jp/company/news/2022/20220808HP_20065TS.html
(東京都/新馬場−泉岳寺間立体化)
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/road/kensetsu/gaiyo/renritsu23.html
(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC085IB0Y2A800C2000000/

この情報は、ライジングさん、ポストJRさんからいただきました。
タグ:京急
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2022年07月30日

[東急]Qシートを東横線にも導入。2023年度以降に

 東急電鉄は、東横線に座席指定サービス「Qシート」を導入すると発表した。導入時期は2023年度以降。
 一部の10両編成の4、5号車に、ロング・クロス(L/C)転換車両を導入する。当該車両には「Qシート」のラッピングをする。
 運行区間や種別、料金などは「改めてお知らせいたします」として今回は公表しなかった。
 Qシートは、2018年に大井町線で導入された。田園都市線に直通する平日夜の急行の一部列車で実施されている。昨年発表の「新・中期事業戦略」で、他路線への展開を検討すると記載されて、動向が注目されていた。

https://www.tokyu.co.jp/information/list/Pid=post_644.html

この情報は、たけのこの山さん、ななさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 12:56 | Comment(21) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [東急]Qシートを東横線にも導入。2023年度以降に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月29日

JRで輸送密度1000人未満の区間「鉄道の存廃を協議」国交省の検討会が提言。ただし対象外の路線も

 国土交通省の有識者検討会は2022年7月25日、地方の赤字鉄道路線の存廃をめぐる議論のための新たな提言をまとめた。
 赤字が続いて存続が難しくなっている路線の将来について、国が主体的に関与する枠みを創設する。提言では、既存の枠組みで沿線自治体が鉄道会社などと協議会を設けて考えることが原則としつつ、自治体だけでは合意形成が困難な場合が多いと指摘している。
 国による新しい枠組みが、仮称「特定線区再構築協議会」で、利用者の「著しい減少」で持続が難しく対策が必要だと認められた線区が対象。鉄道会社(もしくは自治体)の要請で、国が主体的に開催する。
 「著しい減少」の具体的な目安として、JR各社の場合は平常時の輸送密度が1000人を下回っていることを当面の条件とする。ただし、その区間内の隣接する駅間でピーク時1時間の輸送人員が500人を超える区間がある場合は対象外となる。また「基幹的な鉄道ネットワークを形成する線区」も対象外で、その条件は、@拠点都市間を結ぶ特急が走り、相当の利用がある、A貨物列車が走っている、B災害時や有事で貨物列車が走る蓋然性が高いことを国とJR各社で確認した のいずれかに該当する場合だ。さらに、バス転換の代替道路がない線区も対象外としている。
 新しい協議会では、鉄道としての存廃を含めた将来像−−具体的には、鉄道を残しその徹底活用と競争力回復を目指す、もしくはBRTやバスに転換しつつ鉄道と同等かそれ以上の利便性を実現する、などを検討するという。
 また、協議の「出口支援」として、国が制度面で取り組むべきこととして、運賃認可制度の柔軟化、上下分離制度の要件緩和(JRにも適用)などに加えて、特定の要件を満たしたBRTである「特定BRT」導入については法的手続きの簡素化などが考えられるとしている。「特定BRT」の要件の「例」として、鉄道事業者が自ら取り組む、鉄道との通し運賃を設定する、時刻表に鉄道路線に準じる形で掲載されるなどが挙げられている。
 検討会の正式名称は「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」。2022年2月から議論して提言をまとめた。
 コロナ禍による経営悪化などを受けて、JR東海を除くJR旅客各社は、それぞれの赤字線区について、区間毎の収支や輸送密度などを公開している。単純に輸送密度だけで見ると1000人以下の区間は数多くあるが、提言にある「対象外」の条件に当てはまるところもそれなりにありそうだ。

(国交省)
https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk5_000011.html
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001492230.pdf

(JR九州)
https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/data/senkubetsu.html
(JR四国)
https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2005%2017.pdf
(JR西日本)
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220411_02_local.pdf
(JR東日本)
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220728_ho01.pdf
(JR北海道)
https://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/mi/senkubetsu/reiwa03/pdf/20220603_KO_2021senku.pdf

この情報は、ライジングさん、関西特派員さん、ムーンライトながら族さん、ポストJRさんほかの皆さまからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 20:02 | Comment(27) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - JRで輸送密度1000人未満の区間「鉄道の存廃を協議」国交省の検討会が提言。ただし対象外の路線も | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月11日

[西鉄]雑餉隈−下大利間高架化完成で2022/8/28にダイヤ改正。平日は4%を減便

 西日本鉄道(西鉄)は、2022年8月28日に天神大牟田線のダイヤ改正をおこなうと発表した。雑餉隈−下大利間の高架化に伴うものだが、昨今の利用状況に応じた減便もおこなう。
 高架化完成で、高架区間の所要時間が特急・急行は最大2分、普通は最大1分それぞれ短縮される。
 一方、減便については、今回のリリースでは本数だけが明らかになっていて、平日は27本(運行本数全体の4%)、土曜は11本(同2%)、休日は9本(同1%)。詳細については7月下旬にお知らせを掲出するとしている。
 九州朝日放送はその内容を一部報じており、それによると、平日朝上りは7時台と9時台の大牟田発の特急3本が急行に変わるほか、下りは10時台の特急2本が廃止されて、この時間帯の優等列車は急行4本のみとなる。
 西鉄は2021年のダイヤ改正で、平日の11時台〜15時台前半の特急を廃止した。今改正ではそれが10時台にも拡大することになるとみられる。27本減ということはこれ以外にも多くの減便があることになる。

(西鉄のリリース)
https://www.nishitetsu.co.jp/release/2022/22_027.pdf
(九州朝日放送)
https://kbc.co.jp/news/article.php?id=8783425

この情報は、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
タグ:西鉄
posted by Uchio at 23:10 | Comment(20) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [西鉄]雑餉隈−下大利間高架化完成で2022/8/28にダイヤ改正。平日は4%を減便 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月08日

[東京メトロ]銀座線・丸ノ内線また減便、日中毎時12本に。東西線も朝に減便。2022/8/27にダイヤ改正

 東京メトロは2022年8月27日、銀座線、丸ノ内線、東西線、千代田線のダイヤ改正を行う。いずれも「ご利用状況に合わせ」て減便となる。銀座線と丸ノ内線は今年3月のダイヤ改正で日中の減便をしたばかりだが、わずか5ヶ月でさらなる減便となる。
(なお、この記事では○時台の表現はプレスリリースに合わせました。プレスリリースでは基準となる駅が明示されていますがここでは省略します。必ずしも始発駅の時刻ではありません)

銀座線■日中と土休日が毎時18→12本に。朝夕ラッシュ時も減便

 銀座線は今年(2022年)3月の改正で、日中と土休日の朝〜夕方が毎時20本から18本に減ったが、今改正では、これらの時間帯がさらに一挙に毎時12本にまで減る。
 平日朝ラッシュ時も減便で、最ピークの8時台は両方向とも30本から4本減らして26本にする。7時台、9時台も減らす。
 平日夕ラッシュ時も、17、18時台に両方向とも毎時2本ずつ減らす。

丸ノ内線■日中は毎時1本ずつ減。朝の新宿発着を新宿以西に延長

 丸ノ内線も今年3月の改正で、日中と土休日の朝〜夕方までを減便したが、今改正でさらに減る。
 池袋−中野坂上間は今春に毎時15本が13本に減ったが、今回さらに12本に減る。中野坂上−荻窪間も今春12本から11本に減ったが、今回10本に減る。
 平日朝ラッシュ時は、8時台の池袋発新宿方面ゆきが3本減るほか、7、9時台には両方向とも減便となる。一方、最ピーク時間帯にある新宿発着の列車が、新宿以西に延長される(1本は残る?)。中野坂上−新宿間は8時台の本数が両方向とも3本増える。
 平日夕ラッシュ時は、両方向とも毎時1本程度の減便となる。
 方南町支線は、今改正を機に全列車が6両編成となる。一方、平日朝夕および夜間は両方向とも毎時2〜4本程度の減便となる。土休日の朝と夜も減便となる。今春の改正で日中は毎時9本が7本に減らされたが、今改正では日中の減便はないようだ。

東西線■朝ラッシュ時に減便。浦安始発のうち1本を削減

 コロナ前は首都圏屈指の混雑路線で、今春の改正でも減便のなかった東西線だが、今改正でいよいよ平日朝ラッシュ時に減便をおこなう。
 中野方面は、7時台の浦安発1本と9時台の西船橋発1本が削減され、西船橋方面は8時台の西船橋ゆき1本と、10時台の東陽町ゆき1本が減る。
 浦安始発は2019年のダイヤ改正で誕生したものだが、早くも2本のうち1本が減らされることになる。

千代田線■朝ラッシュ時に両方向で2本ずつ減便

 千代田線も今春の改正で平日深夜を減便したが、今改正では平日朝ラッシュ時の減便をおこなう。
 綾瀬−代々木上原間では、7〜8時台に両方向でそれぞれ2本ずつ減る。北綾瀬−綾瀬間では、7時台に綾瀬方向1本が減る。

ここから私見です。銀座線は今春の改正前には毎時20本だったところが、8月の改正で12本になるという大減便で、驚きというよりも衝撃ですね。今もちょっと信じられません。1ヶ月ほど前に日中に乗りましたが、ガラガラということはなく、それなりに混んでいたように感じていました(そのときだけだったのでしょうか)。とはいえ、「利用状況」を前提にしたリリースの書きぶりは一貫していて、前回の改正から5ヶ月という短さであることも含め、強い意志を感じます。

https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews220707_38.pdf

この情報は、ライジングさん、かねさんさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 00:29 | Comment(38) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [東京メトロ]銀座線・丸ノ内線また減便、日中毎時12本に。東西線も朝に減便。2022/8/27にダイヤ改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月04日

[名古屋市]地下鉄東山線で減便、平日日中は5→6分間隔に。テレビ局報じる

 名古屋のテレビ局各社は、名古屋市交通局が2022年9月17日に、市営地下鉄東山線のダイヤ改正を行うと報じた。日中や深夜に減便をおこなうという。
 メ〜テレ、CBCテレビ、東海テレビによると、平日日中は現行ダイヤでは5分間隔だが、改正後は6分間隔となる。平日深夜は8分間隔を10分間隔にする。土日日中は現行ダイヤでは一部時間帯で4分間隔になるが、これを5分間隔にするという。ラッシュ時のダイヤには変更はない。減便となる本数は、平日で50本、土日で46本だという。
 なお、名古屋市のウェブサイト上では7/4 21:30現在、報道発表資料は掲載されていないようだ。
 ここから私見。東海テレビは平日日中は「10〜15時」、深夜は「23時以降」と具体的な時間帯を報じていますが、これだけだと「平日に50本」(=25往復)に達しないので、それ以外の時間帯にも減便があるのかもしれません。いずれ、報道資料も公表されれば答えがわかりそうです。

追記7/5 23:00)コメント欄にて銀千ハイパワーさんからご紹介の通り、公式発表がありました。ポストJRさん、ライジングさんがお書きのように、やはりラッシュピーク後の9時台、夕方16〜17時台にまとまった減便がありました。また、コロナ禍で休止中の金曜・休前日の終電延長が廃止されますね。皆さま、ありがとうございました。

(メ〜テレ)
https://www.nagoyatv.com/news/?id=013846
(CBCテレビ)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/86749
(東海テレビ)
https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20220704_19922

この情報はライジングさんからいただきました。ありがとうございました。
posted by Uchio at 22:07 | Comment(8) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [名古屋市]地下鉄東山線で減便、平日日中は5→6分間隔に。テレビ局報じる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月10日

[JR九州]西九州新幹線開業に伴い2022/9/23にダイヤ改正。鹿児島本線の日中の快速廃止

(お知らせ)この記事は当初〈[JR九州]西九州新幹線開業に伴う9/23ダイヤ改正で「福岡都市圏を減便」と読売報じる〉という見出しで6/5に投稿しましたが、JR九州から正式な発表があったため、全面的に書き直し、タイムスタンプを変更しました。以前投稿したものは記事後半に残しています。


 JR九州は、2022年9月23日の西九州新幹線開業に合わせたダイヤ改正の内容を発表した。九州のほとんどの路線で影響があり、特に福岡都市圏では朝夕・日中のいずれも減便となる。

福岡都市圏■鹿児島本線の日中の快速を削減。区快は快速運転区間を整理。朝夕も減便

 福岡都市圏では、鹿児島本線を中心に減便がおこなわれる。
 鹿児島本線では、日中のパターンが大きく変わる。まず、毎時1本ある快速(小倉−久留米間)が廃止される。
 区間快速は、2018年のダイヤ改正で「準快速」を置き換える形で登場し、現行では快速運転区間が博多以東(福間−博多)、博多以西(博多−二日市もしくは博多−荒木)、鳥栖−大牟田間と3つのパターンに分かれているが、これが整理されて、福間−二日市(半数は鳥栖)が快速運転区間となる。現行では快速区間が博多以東の列車と、同じく博多以西の列車がどちらも毎時2本ずつあるが、区間快速2本と普通2本に再編される。
 鳥栖以南の列車については、鳥栖−大牟田間を快速運転していた区間快速が普通に変更され、この区間の区快通過駅は停車本数が増える。一方で、八代発着から荒尾発着に短縮となる。代わりに、銀水−八代間、玉名−八代間にそれぞれ毎時1本の普通が運転される。荒尾−玉名間は、毎時2本から1本に減ることになる(なお、ここまでの本数表現はすべて、日中1時間あたり片方向の本数)。
 朝ラッシュ時には、7:15〜8:45に博多駅に到着する列車が下り2本、上り3本削減される。同時間に小倉に到着する上り1本も削減される。
 夜17〜23時台にかけても、小倉−荒尾間で減便がおこなわれる。博多駅、小倉駅時点では、1時間あたり上下約1本が削減されるという。
 一部区間では終電の繰り上げもおこなう。対象は福間−赤間間と、荒木−荒尾間で、いずれも20〜30分の繰り上げ。
 鹿児島本線以外では、日豊本線の小倉発着列車を上下各2本、福北ゆたか線の博多−直方間の下り1本、折尾−直方間上下2本ずつ、折尾−若松間上下1本ずつをそれぞれ減便する。

西九州新幹線関連■新幹線「かもめ」44本が、武雄温泉で「リレーかもめ」「みどり」と接続

 同日に開業する西九州新幹線は、新幹線「かもめ」が、現行の長崎発着の在来線特急「かもめ」と同じ44本(1日あたり上下計。以下同じ)、武雄温泉−長崎間を走る。さらに新大村−長崎間の区間運転が3本設定される。
 これと接続する博多−武雄温泉間の在来線特急「リレーかもめ」は34本。残る10本については、佐世保発着の「みどり」が接続する。「みどり」や「ハウステンボス」の本数は変わらない。
 博多−佐賀・肥前鹿島間に特急「かささぎ」が新設される。肥前鹿島発着は14本。
 この改正で、肥前山口は江北に改称となる。長崎方面と佐世保方面の分岐駅として、全国的な知名度がある駅名だが、新幹線開業で実質的にその座を武雄温泉にゆずることになる。

(ここからは6/5に投稿した内容です)

 読売新聞は、JR九州が2022年9月23日の西九州新幹線開業に伴って実施するダイヤ改正で、福岡都市圏の通勤ラッシュ時間帯に減便をおこなう方針だと報じた。
 記事によると、朝のラッシュ帯に博多駅に到着する普通・快速を「合計で1割超」減らすほか、夕方以降も博多と小倉で1時間に1本程度の減便をするとしている。福岡、長崎、宮崎の一部では、終電時刻の繰り上げも行うという。
 西九州新幹線や並行在来線のダイヤについても、地元メディアを中心に報道が相次いでいる。共同通信や長崎新聞によると、新幹線「かもめ」と特急「リレーかもめ」は、現行の特急「かもめ」と同じ22往復程度。サガテレビによると、博多−肥前鹿島間の特急が「かささぎ」と命名されるという。また、JR九州は今月上旬にも正式発表するとしている。

(JR九州)
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/dia2022/
(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20220604-OYTNT50010/
(共同通信)
https://www.47news.jp/news/economics/7866243.html
(長崎新聞)
https://nordot.app/905274214045499392
(サガテレビ)
https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2022060309747

この情報は、ポストJRさん、ライジングさん、ムーンライトながら族さん、ななさんからいただきました。ありがとうございました。
タグ:JR九州
posted by Uchio at 20:42 | Comment(81) | TrackBack(0) | ニュース はてなブックマーク - [JR九州]西九州新幹線開業に伴い2022/9/23にダイヤ改正。鹿児島本線の日中の快速廃止 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月07日

「蒲蒲線」建設費の地方負担分について東京都と大田区が合意

 東京都大田区は2022年6月6日、東急多摩川線と京急空港線を結ぶ新線「蒲蒲線」の一期整備区間の建設に向け、建設費用のうち地方負担分(3分の1)について、東京都と大田区の負担割合を東京都と合意したと発表した。
 一期区間は、矢口渡−京急蒲田間。区などがまとめた整備計画によると、総事業費は1360億円。都市鉄道等利便増進法を適用して、建設費の3分の1ずつを国、地方、事業主体(新設される第3セクター)が負担する。このうち、地方負担分を、東京都と大田区とで3:7の割合で負担する(つまり建設費の30分の3を都、30分の7を大田区が負担)。
 区の整備計画では、矢口渡の蒲田方から地下線を建設する。現在の蒲田は地下化され、JRとの乗り換えには5分20秒かかる予定。京急蒲田も地下駅で、高架駅である京急との乗り換えには6分20秒かかる予定だという。
 利用者の3割が空港アクセスの旅客、残り7割は空港以外の大田区発着の旅客という想定。それが都と区の負担割合に反映され、都は空港アクセスの3割分を、大田区は残りをそれぞれ負担することで合意したという。
 日経新聞によると、区は今年度中に第3セクターを設立する。鉄道会社からも出資を受けるという。東京新聞は、2030年代後半の開業を目指すとしている。

(東京都大田区)
https://www.city.ota.tokyo.jp/oshirase/mokutekibetsu/sumaimachinami/kamakamasen.html
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/koutsu/kamakamasen/kyougi-no-ba.files/kyougi-no-ba-goui.pdf
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/koutsu/kamakamasen/project-plan_gaiyou.html
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/koutsu/kamakamasen/project-plan_gaiyou.files/kyougi-no-ba-kekka.pdf
(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC065Y70W2A600C2000000/
(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/181953

この情報は、ななさん、ライジングさんからいただきました。ありがとうございました
タグ:東急 京急
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